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15 馬車内にて
いつもの、夢をみた。
馬車のなかで体が揺れているためだろうか、
オフィーリアは全力疾走で駆けていた。
でも、いままでとは少し勝手が違っていた。
この夢をみていたときに感じる心細さは無く、なぜか何かに追われているような危機感だけがオフィーリアを満たしていた。
速く
速く
急かす気持ちに応えるように、どんどん足は速くなり、地面は今まで見たことが無いほどのスピードで流れていく。
灰色のワンピ―スがはためいた。
そしてついに行き着いたのは、
今までどうしても抜け出すことができなかった草原の終わり。
夢の果て
緑の草原が無くなったその先は
真っ暗闇だった