表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

0  寝付かせ師の初仕事

王道で行きたいのですが、見切り発車なのでどうなるか不明です。

中編程度でまとめたいな。

設定不備ですが大目にみてください。

レスターには、急を要する悩みがあった。

最近、息子がよく眠れないらしい。

悪夢もひどいらしく、夜中に屋敷中に響くような叫び声をあげて苦しむ。

その声は、さながら断末魔のようだ。


夜がくるのをひどく恐れるようになってしまった息子のために、レスターは不眠、悪夢を取り除ける妙薬を探し求めた。

彼のもとには様々なものが届けられた。抱き枕、薬草、魔具、などなど。

しかし、どれも望むような効果はなく、ついに小さな少女が贈られてきたときには頭を抱えた。


--いったい、この娘をどう扱えばいいというのか


--旦那様、この娘は悪夢を取り除く力をもっています。あなたのご子息に、必ずや安眠をもたらすことでしょう。


少女を伴ってきた商人風の男の言葉に、レスターは、少し興味をもった。


--そんなことが、可能なのか?


--もちろんでございます。よろしければ、今夜試してみられてはいかがでしょう?

効果に納得いただければ、この娘を買い取っていただきたく存じます。


レスターは息子の就寝時に、見ず知らずの娘を伴わせることに多少戸迷ったが、ずいぶんやつれてしまった息子の姿を思い描き、物は試しだ、ダメでもともと。と決断した。

息子も、見知らぬ少女に緊張したようではあったが、この苦しみから逃れることができるならと了承した。



そして夜、息子の部屋に入った少女が20分もたたずに出てきて、お休みになりました、

と静かに告げたときには、レスターは心底仰天した。

部屋を見るとひどく久しぶりにみる穏やかな表情で、息子は寝入っている。


--どうやったのだ


扉を閉めてレスターは勢い込んで、少女にきいた。


--何も。


ひどく静かに、少女はつぶやく。


--ただ、手を握っていただけです。


翌朝、なんとも具合のよさそうな息子の様子をみて、レスターは娘を買い取ることに決めた。

男はキツネのような笑みをうかべて、お金を受け取ると、屋敷を去った。


その日から少女は息子専属の寝付かせ師として迎え入れられ、彼は悪夢を一切見なくなったようである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ