指切り。
君が忘れても、覚えていられるように。
時がたっても、忘れないでいたい。
この想いだけは。
「約束だ」
「うん、約束だからね」
今にも泣き出しそうな声で私と君は指切りをした。
そして、私は駆け出した君の背中を見送った。
本当は君が振り返って、帰って来てくれることを祈ってたんだ。
でも、君の背中は夕日に溶けて見えなくなった。
その日、私は泣きながら家に帰った。
それでも。
約束を信じるのは、あの日の私を信じてるから。
「約束だ」
「うん、約束だからね」
今にも泣きそうになりながら俺は君と指切りをした。
そして、俺は何も言わずに駆け出した。
本当は君が追いかけて、来てくれるこてを祈ってたんだ。
でも、君の残像は瞼の裏で消えていっただけだった。
その日、俺は泣きながら家に帰った。
それでも。
約束を信じるのは、あの日の俺を信じてるから。
そして、あの日の君を信じているから。
あの日の君を愛してるから。