味方が増えました!
よし、このまま諸悪の根源だろう伯爵と引き離してもっと仲良くなっておきましょう!
ボクはにこにこしながらケイオスくんを誘った。
「じゃあ、向こうで一緒に遊びませんか?ケイオスくん。
お兄さま、よろしいですか?」
遊ぼうという誘いにケイオスくんは嬉しそうに頬を緩めましたが、お兄さま、と聞いたとたんにさあっと顔色が悪くなった。
「……あ、あの……ジ、ジルベスター、さま。よろしいでしょうか?
もう決してクリスを傷つけたりしません!誓います!!」
ジロリとケイオスを睨め付けたお兄さまですが、「おねがい」ポーズのボクを見て眉尻を下げた。
「どうしますか?」とでもいうようにお父さまとお母さまに視線を送る。
お願いします、お父さま!いいですよね?
お父さまがにっこりしながら「うむ!」と頷きました。
やったあ!
それにしても、お兄さまのこんなお顔、初めてみました。
なんというか……
道端に毛虫がおちてて踏んづけてしまったようなお顔?
顔中に「嫌です」と書いてあります。
でも拒否するかと思われたお父さまが許可をくださったことで、しぶしぶながらお兄さまも頷いてくださいました。
「仕方方ない。不本意ではあるが、許可しよう。
だが、私たちも行くことにする。
アイク様、イクシス、ウエイン。外に行かないか?庭を案内しよう。
そろそろ外の空気を吸いたくなっただろう?」
いきなり話を振られた三人組。
「え?私?」というお顔で面食らっておりましたが、「イエスしか許さない」というお兄さまの笑顔の圧を受け、慌てて頭を前に振る。
「あ、ああ!そ、そうだった!そろそろ外の空気を吸いたいと思っていたんだ!」
「そうですね!我々も行きましょう!」
「だ、だな!」
お兄さま>アイクさま>イクシスさま>ウエインさま、という勢力図が確定した瞬間でした。
お兄さまの気迫に勝てるものはいませんから。さすが大天使です!もう三人組を掌握しております!
一方まさかの最高位の子供たちと同席が決まり、目に見えて狼狽えるケイオスくん。
最初の勢いはどこへいったのか、トレードマークのツンツン赤髪も心なしかへんにょりしている。
さっきあんなところを見られたから気まずいのかも。
「ケイオスくん、大丈夫ですよ?皆さまとってもお優しいのです。
お兄さまほどではありませんが、お兄さまの次くらいに素敵な方がたですので!」
「………」
「お兄さまがいらっしゃれば大丈夫ですよ?お兄さまはとてもお強いんです。ボクも負けないようにしなきゃ!
そういえば、ケイオスくんって剣術は得意ですか?ボク、全然なのです。教えて頂けませんか?
コッソリ練習してお兄さまを驚かせたいんです!」
あれ?ケイオスくんのお顔がだんだん残念なものを見るようなお顔に……。
「ケイオスくん?どうしました?
あ、外ですね!行きましょう?お兄さまがお待ちですから!」
「いや、なんというか……クリスはマジでジルベスターが好きなんだな。フリとかじゃなくって」
「はあ?当たり前です!何を言っているのですか?最初からそういっているでしょうに!
お兄さまの素晴らしさを知らないとか?え?嘘でしょ?
あんなにお優しくて賢くてお美しくて至高の存在足るお兄さまですよ?
好きじゃない方なんております?ボクは毎日お兄さまと出会えた奇跡に感謝しない日はありません!
そもそも、ケイオスくんなジル兄さまと血が繋がっている僥倖にもっと感謝すべきです。いいなあ!
ボクにもお兄さまとおんなじ血が入っていたなら、もっとカッコよくなれますでしょうか?
……ちょっとだけ血を舐めてみるとか?
一滴でもかなりの効果がありそうですよね?なにしろお兄さまの血ですから!」
お兄さまの素晴らしさを主張していると、急に胸のところでごそごそ。
「?どうしたのですか?ブリードさん」
「なんだ?そこに何かいるのか?!」
慌てて距離をとるケイオスくん。意外と怖がりみたい。
「えっとお、じゃじゃーん!ボクの……ペット?のブリードさんです!」
掌に載せてご紹介。
「……………………トカゲだな?」
「一応?」
「………ブリード……さん?」
「はい。ブリードさんです。とてもかしこくてかわいいのです。
ほら、この小さなお手手!つぶらな瞳!見てください!」
「……確かに小さい」
「ね?かわいいでしょう?」
「小さいからな。……………クリス………こいつはあんまりみんなに紹介しないほうがいいと思うぜ」
「どうしてですか?こんなにかわいいのに!」
ケイオスくん、仲良くなれると思ったけどやっぱり無しです!
頬を膨らましてプイっと顔を背ければ慌てて頭を撫でられた。
「ご、ごめん!俺の勘違いだった!
トカゲってかわいいよな!小さいし!トカゲだし!尻尾があるしな!」
「ケイオス?私のクリスに何をしているのかな?」
三人を外に案内していたお兄さまがボクを迎えに戻ってきてくださいました。
「何もしてねえ!ペットを見せて貰っただけだ!」
「はい!ブリードさんを紹介していました!」
ブリードさんがボクとお兄さまにしか聞こえない声で言った。
「うむ!クリスの言う通りだ。
クリスがお主のことを語り出したのでな。至高の存在だのという例のやつじゃ。長くなりそうだったので我が途中で止めてやったのだ。
…というかさすがにあれは……のう。
お主、真に愛されておるのう」
ポポポ、と頬を染めるお兄さま。
照れていらっしゃるみたい。えへへ。とっても可愛らしいです。
「!?いきなりどうした、ジルベスター?!お前、顔が赤いぞ?」
ブリードさんの声が聞こえていないケイオスくんには、「ムスっとしたと思えばいきなり顔を赤らめてにこにこするおかしなジルベスター」に見えてしまったようです。
「お主の血を舐めてみたい、一滴でも効果があるはず、だのと言い出したのでな。聞いている方が恥ずかしくなってしもうたわ」
ボン!
お兄さまは真っ赤になってしまわれました。
「うわ!マジで大丈夫か?!クリス、こいつヤバいぞ?!」
さ、さすがにこれは
「お兄さま、あの、お水を持ってきましょうか?氷とかの方がいいですか?」
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