お兄さまの素晴らしさを語ります
「ほわわわわ!
皆さま、ご覧になりました?お兄さまってばとってもカッコよ!!優しくてカッコよすぎではありませんか?」
思わずウエインさまの手をつかんでぶんぶんと振ってしまうボク。
あああ!ボクの推し、ってば優しい!
「あ、ああ。信じられないものをみた。現実でしたよね?」
「最後のはなんだったんだ?キスしてったぞ?夢か?」」
「ウエイン、夢ではない。私も見た。
それに、なんだあの顔は!甘すぎるだろう⁈」
お兄さまの姿が消えたとたん、わあわあと騒ぎ出すアイウの三人。
「あの顔?カッコよくてお優しいボクのお兄さまのご尊顔ですが?」
「いやいやいや、デレデレじゃねえかよ!いつもは人形みたいに無表情なのに!誰だよあれ!」
「あの声、聴きました?氷すら溶かしそうだ。あんな声も出せるんですね、ジル」
「別人のようだったな⁈……あれは、女性には見せぬ方が良さそうだ。私も驚いた」
ボクは人差し指をたててチチチを振って見せた。
まだまだですねえ。
これからボクがお兄さまの本来の素晴らしさを皆様に教えて差し上げますからね!
「お兄さまの表情筋はこれまで死んでいらっしゃったのです。ですが、もう生き返りましたので!絶好調なのです!
ひとたびお兄さまが優しく微笑めば、空で天使が至高の調べを奏でましょう。
あれが本当のお兄さまなのです。大天使!ボクの推し!最高のお兄さまなのです。
月の光を移したような美しい銀の髪、白皙の美貌、煌めく星のような瞳、すらりと通ったビスクドールのように整った容貌に、人形みたいだと仰るお気持ちは理解できます。
ですが、お兄さまの素晴らしさはその笑顔にあるのです。
ご覧になりましたでしょう?あのとってもとってもとっても優しいお顔を!
あのお顔を見ただけで、ボク、100日は寿命が延びます!
皆様の寿命だってきっと延びていると思います。それくらいの効果はあるはず!」
フンフンと鼻息も荒く語り出したボクに、心なしか三人が少しだけ後ろに身を引いたように見える。
「?聞いていらっしゃいますか?」
「あ、ああ……聞いている」
「勢いが凄くてな……クリスくんはジルをとても慕っているのだな」
「いや、だけどジルの顔にそんな効果は無いと思うぞ?!」
あれ?ウエイン様のお口からおかしなことが聞こえたような気がしますが、気のせいかな?
「ウエイン様?まさかご存じないんですか?」
「……え?何を?」
「素晴らしいものを目にしたとき、人の身体にはセロトニン、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィンという幸せホルモンが出るのです!それは精神を落ち着かせて、痛みや辛いことを忘れらせたり、元気にしてやる気を出させてくれるのです!
つまり、結果的に寿命だって延びるはずなのです!でしょう?」
「せ、せろお……なんだって?!」
「セロトニンです!」
脳筋ウエインさまをあきらめ、冷静沈着、スイーツ仲間のイクシスさまに話を向ける。
「イクシスさまはご存じですよね?
甘いものが好きな人がスイーツを食べているときも、このホルモンが出るんですよ?
幸せな気持ちになったり、元気がでたりするでしょう?それが幸せホルモンです!」
「!!確かに!それなら私も理解できます!」
「さすがです、イクシスさま!」
イクシスさまと力強い(ボク的には)握手を交わしていると、向かい側でおずおずと手があがる。
「……いいかな?
甘いものはわかるが、ジルの顔にもそのような効果が?」
せっかくお兄さまと婚約できたというのに、無駄に時間を費やされていたアイクさま!
ボクはアイクさまを心底がっかりした目で見つめ、こう教えてあげた。
「当たり前でしょう?ジルお兄さまですよ?
お顔といわず、存在するだけで、声を聞くだけで効果があります。ボク、毎朝目覚めるたびにお兄さまから一日のパワーを頂いていおりますし!
アイクさまはお兄さまのご婚約者なのですよね?ご存じなかったのですか?なんてもったいないことをされてきたのですか?
大好きは、人を元気にするのです。幸せにもします。ボクはお兄さまが大好きなので、抱っこもぎゅーも、なでなでも大好きなのです。それをしていただくと、すぐに元気になります。
たまにキョウキュウカタで倒れてしまいますが、問題ありません!」
「キョ……キョウキュウカタ……」
「はい。多大な幸せをこれでもかとドバドバっとされると、供給が多すぎになって、頭がパーンとなってはわわで倒れてしまうのです。誤算でした……」
腕を組んでしみじみと呟けば。
「ドバドバっと……く……くくっ……!」
「頭がパーンと……ふ、ふふふ……っ」
「はわわで……ぐ、グゥ……っ」
口を押えて震えだしたと思ったら
「あっははははは!ク、クリスはかわいいなあ!全く!なんなのだこの可愛い生き物は!弟とは皆こんなに可愛いものなのか」
「ふふふふふふ!本当にかわいい!いえ、私にも弟はおりますが、このように可愛いものではありませんよ?」
「ブハハハハ!マジでかわいすぎ!てか、ジルのこと好きすぎだろう、クリス!」
と爆笑されてしまいました。
ど、どうして笑うのですか!!
ご拝読頂きありがとうございます♡
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お優しいお言葉ですと作者のモチベーションが爆上がりして踊り狂います。




