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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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初めての社交

三人が選んだケーキは、アイク様が「ショートケーキとチーズケーキ」、ウエイン様が「モンブランとチョコレートケーキ」、イクシス様が「ショートケーキとモンブラン、アップルパイとパッションフルーツのゼリーとプディング」でした。


意気揚々とお皿に並べていくイクシスさまに集まる、信じられないものを見るような視線。

お兄さままで「……その腹のどこに……」と呟いておられます。

ボクもそう思う。あんなに細いお身体のどこに入れるおつもりなのでしょうか?


アイク様が恐る恐るという感じで声をかけた。


「イクシス……君、いつもはもっと小食だろう?そんなにケーキを取って大丈夫か?食べられるのか?」

「……クリスくんが言っていたことを試してみてはどうかと思いまして」

「………は?」


そうか!早速実践されるのですね!


「分け合いっこ!それでお二人と被らないものを選ばれたのですね!……あれ?モンブラン………」


一番重いものがウエイン様と被っておりますよ?間違えたのかな、と首をひねるボクに、ちょっと恥ずかしそうにこう教えてくれた。


「そこは私も悩んだのですが……クリスくんの説明を聞いて、モンブランが私の食べたいと思ったものでしたので……」


クールそうなイクシスさまがちょこっと顔を赤らめているのがとても可愛らしく見えます。

他の方々もこのようなイクシスさまのお顔を見るのは初めてみたい。


「イクシス……君、そこまで甘党だったのか……」

「知らなかったぜ!てか、もっと早く言えよ~!」


長く共に過ごしてきたお友達の意外な一面って、ちょっとびっくりしますよね。

特にクールな人のデレって胸にずきゅんときます。

二人ともさらに赤くなったイクシスさまを微笑ましそうな表情で見つめておられます。ほっこり。


でも、そんなお顔で見つめられたイクシスさまは、慣れない扱いにいたたまれない様子。顔を隠すように下を向いてしまわれました。


「え?責めたわけじゃないぞ?」


急に焦りだすウエインさま。

大丈夫!恥ずかしがっているだけです。フォローはボクにまかせてください!


「えへへ。スイーツ好きとしては外せませんよね!わかります!

フルーツ入り、濃厚なモンブラン、パリッとお口直しのアップルパイ、あっさりとお口をリセットするゼリーと、最後はやさしく締めのプリン。ベストなチョイスです!さすがです!

イクシスさま、ボクのスイーツ友達になってください!またお茶にお誘いしてもよろしいでしょうか?」


ボクの言葉に急に元気を取り戻したイクシスさま。

バッと顔をあげ、我が意を得たりと雄弁に語り出します。


「!!そうなんだ!皆と被らぬようにということを前提に、味のバランスからしてこれがベストな選択。

クリスくんとは気が合いそうだ。私のおススメのケーキも今度届けさせよう。食べてみて欲しい」


美味しいプレゼントのお約束をしてくださいました。やったあ!


「うわあ!嬉しいです!楽しみにしておりますね!」

あと、えと、そのケーキですが、ちょっと多いのでしたらボクと半分こして、その残りをみなさんと『一口交換』されてはいかがでしょうか?

それでももっと食べられそうならまた追加で!そうしたらたくさんのケーキが食べられますよね?」


いい考え!とにこにこしていると、お兄さまが待ったをかけました。


「いや、クリスにもそれは多いだろう。

私が半分こして、それを更に半分クリスにわけてることにしようか。どうだ?

クリスも好きなものをふたつ取っておいで?私と一緒に食べよう」


関係ないけと、お兄さまが口にする「半分こ」って、可愛くないですか?きゅん!


「お兄さま!やはりお兄さまはスゴイです!それならみんな色々食べられますね。

えへへ。お兄さまとも分けっこですね!

イクシスさま、それでよろしいですか?」


「ああ、すまんなジル」




なんだかこのやりとりで一気に打ち解けたような気がします。

イクシスさまの表情もすっかりくつろいだものになりましたし、アイクさまとウエインさまも気の抜けたようなお顔になっております。


「では、お兄さま、ボクの分も採ってまいりますね」


いそいそと選んで来ましたのは……


「じゃじゃーん!ガトーショコラと、チーズケーキに致しました!」


意気揚々とお皿を掲げて見せると、ボクが推していたからか、アイクさまが気を遣ってくださった。


「クリスくん、ショートケーキとモンブランはいいのかい?」

「ええ。イクシスさまとお兄さまと半分こですので!」

「クリス、ガトーショコラはもしや私のために?」

「はい!ボク、お兄さまが嬉しいお顔をするのが好きなのです!」


お兄さまがそれを聞いてゆるりと目を細める。


「ではクリームを沢山のせてもらおう」

「?お兄さまはクリーム無い方がお好きですよね?」

「私もクリスが嬉しい顔をするのが好きなのだ。待っていなさい」


とてもやさしい手つきでボクの頭をポンポンと叩くお兄さま。

「もっとしてください」と思わずスリッ。お兄さまの手のひらに自ら頭を押し付けてしまいました。


「ふふふ。クリスは甘えん坊だな?」


なでなでなで。最後に頭頂にチュッ!


「では、頼んでこよう。少し待っていなさい」


フッ、と微笑みを残し、お兄さまは颯爽とクリームを取りに席を立った。




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