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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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仲良し大作戦

渋るお兄さまに「お兄さまのお友達からお兄さまのお話を伺いたいです!」と言ってご納得いただき、ボクはなんとか3人と交流の場をもつことができた。


会場の奥、デザートのコーナーの前に即席で衝立を置き、その陰にテーブルを出して貰って「第一回仲良し会」を開催することにしました。

座ったほうがお話しやすいですからね!


ケーキの前でボクは意気揚々とみなさまにお勧めをご紹介。


「右はガトーショコラです。濃厚なのですが、甘さを抑えたビターな味わいで、甘いのが苦手な方にも大丈夫なのです。お兄さまはこれがお好きです。ボクはこれにクリームをたっぷり乗せたのが好きです」


「定番の苺のショートケーキなのですが、領で取れたイチゴを使っています。この苺、すっごく甘いんですよ!ボク苺だけで10個は食べられます。それ以上食べられそうだったのですが、お腹が痛くなるといけないからって止められてしまいました。ほんとうに美味しいんですもの、仕方ないですよね?」


「モンブランは中のクリームがカスタードなのです!カスタード!卵の味が濃厚なカスタードに、栗のクリームの甘さ!とっても美味しいのですが、お腹がすぐに一杯になるので一つしか入りません。ケーキを沢山食べたいときには、これは最後に召し上がる方がいいと思います」


「あっさりと軽く頂きたいのなら、チーズケーキ。今日はスフレなのですが、ふっくらふわふわで、お口に入れるとしゅうっと溶けます!一番のおススメです!焼きたての時なんて、ぷるんぷるん震えるのですよ、生きているみたいに!凄くないですか?いくらでも見つめていられます!」


他にもアップルパイ、ゼリー、プディングなど。とにかく公爵家のデザートはどれも最高に美味しいのです。

全部説明し終わったときには、熱弁しすぎてふらふらになってしまいました。


「……はぁ……はぁ……。ど、どれになさいますか?」


やり切った感に満ち満ちながらお兄さまに支えて頂けば、アイク様が笑い出した。


「ふ……ふふふふ……!ク、クリス、君は甘いものが大好きなのだな?

ふは!とてもよくわかる説明だったよ、ありがとう」


やったあ!ちょっとは好印象になったかな?


「えへへ。良かったです!アイク様はどれがよろしいですか?」


すると、アイク様は困ったように眉を寄せ首を傾げた。


「クリスの説明が上手すぎて、全部食べたくなってしまったよ。どうしようか?」


「!!でしたら、ボクとわけっこなさいますか?

どちらか選べない時に、お兄さまが半分づつしてくださるのです!そうすると色々食べられて嬉しいでしょう?

もっといろいろ食べたいときには、皆さまから一口づつ頂くのもありです!ボクがお腹がいっぱいの時には、お兄さまがたくさんの種類を召し上がってそれを一口づつ味見させて下さるのです。でもそれは家族とか親しい人しかやってはダメなので、イクシス様とされればいいと思います!」


ニコニコと提案すれば、後ろのお兄さまが焦ったようにボクのお口を塞いだ。


「ク、クリス、それは私とクリスだからよいのだ。そう言っただろう?」

「はい!なので、ボクはお兄さまとしかしません!

アイク様、半分こはボクでもいいのですが、一口頂くのはイクシス様かウエイン様とお願いしますね?」


ブハっとおかしな音が聞こえたので振り返れば、イクシス様とウエイン様がお口を押えて横を向いている。


「どうかされましたか?喉が渇きましたか?お水とかお持ちしましょうか?」


「い……いや、ダイジョブだ、ありがとう、クリス」

「あ、ああ。……グウっ……、急に喉が……お、おかしくなって…ブフッ…もう直った」


そうかなあ?まだ大丈夫ではなさそうに見えるけれど。


と、胸のところでごそごそと動く気配。

ブリードさんだ。そおっと除けば、ブリードさんがなぜか小さく震えている。


「大丈夫?」

「……い、いや、あまりにも面白……興味深い話をしていたものでな………。つくづく、クリスについてきて良かったと思っておったところだよ」

「?そうなのですか?」


すると目ざとく気付いたウエイン様が「そこに何があるんだ?」と言い出しました。

今日のブリードさんは普通のトカゲさんに見えるから、ご紹介しても大丈夫ですよね?


ボクはそおっとポケットからブリードさん(ミニ)を掴み、手の上に乗せて見せた。


「ご紹介しますね?ボクの……お友達のブリードさんです」


手の上のブリードさんは螺良な瞳をくるりんとさせて、見事にただのトカゲさんになりきっております。


「「「……お友達、なのか?」」」


お兄さまがそっとボクの手ごとブリードさんを包み、ボクのポケットに戻した。


「先日クリスとピクニックに行ってな?そこでクリスが見つけた。

かわいらしいととても気に入り、ペットとして連れ帰ったんた」


「……かわいい……といえば可愛いが……トカゲだな?」

「トカゲでしたね」

「ああ、トカゲだった」


納得いかないような表情の三人。


「はあ?トカゲ、かわいいでしょう!?

小さなお手手とか!小さな足とか!

あのつぶらな瞳、ご覧になりましたよね?どう見てもかわいいでしょう?」


「ねえ、お兄さま?」と同意を求めれば、お兄さまもうむうむと頷いてくれる。


「クリスの言う通りだ。小さな手も足も、まあるい瞳も、どう見てもかわいい。それ以外の言葉など認めん」


「そ、そうだな!そういわれてみればとても可愛かったような気がしてきた!」

「可愛かったですね、確かに!小さい生き物は得てして可愛いものですから!」

「ああ、小さいもんは可愛い。それならわかるぜ!」


「ですよねえ!ああ、よかったあ!皆さんの情緒がおかしいのではないかと心配してしまいました!」


ほっと胸を撫で下ろすボク、次にそんなボクをナデナデするお兄さまをみて、アイク様が言った。


「…………なんというか……本当に変わったな、ジル」


「…………そんなことはありません」


「いや、変わったと思うぞ?そもそも、なぜクリスを撫でている?」とイクシス様。

ウエイン様が「そりゃクリスも小さくてかわいいからだろ?俺も撫でていい?」とボクに手を伸ばしてお兄さまにはたかれた。

さっき「不用意に触ったらダメです」って注意されましたでしょう?




そんな三人に、ボクは胸を張ってこう教えてあげました。


「お兄さまはずっと優しくて素敵でカッコいいお兄さまですよ?

お兄さまが変わられたのではなく、皆様がお兄さまの真実の姿をご存じなかっただけなのです。

せっかくですから、ボクがお兄さまの素晴らしさについて皆様にお教えいたしますね!

さあ、お好きなケーキを選んでください。お話しましょう!!」





ご拝読頂きありがとうございます♡

イイネやコメントなどのリアクションを頂ければとってもとっても嬉しいです!

お優しいお言葉ですと作者のモチベーションが爆上がりして踊り狂います。

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