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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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水トカゲさん

お兄さまは先ほどとはうって変わって、大層この子が気に入られた様子。

せっせとパンをちぎって与え出した。

ボ、ボクもやりたああい!


「お兄さま、ボクも触っても良いですか?」


「あ、ああ。すまない。つい夢中になってしまった」


少し恥ずかしそうなジル兄さま。

ええ、分かりますよ。水トカゲさんったら可愛いですものね。


お兄さまの横からそおっと手を入れてみると、それに気づいた水トカゲさんが今度はボクの方に寄ってきた。

よち、よち、と近づいて……


「?!」


いけない!あやうく大声を上げるところでした!

なんと、水トカゲさんがボクの手にゆっくりと登ってきた!

よいしょ、よいしょ。

よっち、よっち、よっち。


「ぐうううう!!」

「ん゛ん゛.……っ!」

「~~~~!!」


三人で無言で目で会話する。かわいい!めっちゃんこかわいい‼


そしてとってもくすぐったい!

必死で手を動かさないように耐える。

小さなお手手と小さなあんよ。てちてちという感触がたまりません!


ん?

んんん?

そのままお水から出てきましたけれど?

えええ?

手の平を超え、自ら身体を出して腕をよちよちと登りだした!

水トカゲさんって、お外でも大丈夫なのですかっ?息とかできるの?!


ぐるりんとお兄さまを見れば、お兄さまも驚いた様子で水トカゲさんを凝視している。

小さな声で「無理をするのではないぞ?苦しいときには言うのだぞ?クリス」などと仰っていますが、そもそもトカゲさんはお話できません。

あと、それは水トカゲさんですので!お兄さまのクリスはここにおりますよっ!


すると食事の準備ができたようで、レインさんが呼びに来てくれた。


「なんと。本当にいらしたのですねえ……守神様ですか」


「え?この子、知ってるの?」


ボクは手を動かさないようにしてそうっとレインさんに見せた。


「やっぱり。恐らくこの土地を守る守神さまといわれる水トカゲだと思います。

ドラゴンが姿を変えたものという説もあるのですよ?ふふふ。物語ですけれどね。

良いものに懐かれましたねえ。私もお会いするのは初めてです。そこまで懐くとは……」


まさかの神様!


おもわずじいっと水トカゲさん改め守神さんをみつめれば、守神さまが「こてりんこ」と首をかしげた。


「えっと。守神さま?」


するとまるで言葉が通じたかのようにも守神さまの大きな口元がにんまり。

目をきゅうっと細めてこくこくと頭をふる。


え?まさか通じてる?


「ボクはクリスといいます。こちらはボクのお兄さまでジルベスター。最初にパンをくれたのは、マーシャです。こっちは護衛のレインさん。よろしくお願いします」


こくこく。


「………なんだか話を理解しているようですね?」


「レインさんもそう思いますか?水トカゲさんってみいんなこんなに賢いのですか?それとも守神さまだから?」


「普通はそこまで賢くないですよ?……守神さまだから、ですかねえ……?いや、私も話には聞いていましたが実際に見るのは初めてですので……。

祖父が趣味でこの国にまつわる伝承を集めておりまして。普通の水トカゲは青いのですが、水色の綺麗なものがいればそれは守神さまだと。伝承によれば、守神さまは伝説のドラゴンが姿を変えたものでこの土地を守っていらっしゃるのだと。

知っているといってもせいぜいそれくらいでして」

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