池に到着しました
こうして寄り道をしながら馬で進むこと20分。
森が急に開け、明るい陽の降り注ぐ場所にでた。
そう、目的地である池に到着したのだ!
池は、なんというか文字通りの「池」。
小さな水たまりとかそういうものではなく、40メートルくらいの幅はある大きな池でした。
ほとりには小さなボートハウスまであるの。
ここが田舎の領地なのではなく「タウンハウスの敷地内」だというのですから、公爵家の力がどれだけ強大か分かるというもの。
正直、ここまでとは思っていませんでした。凄すぎます!
「ふ、ふわああああ!大きいですねえ!」
水面に陽の光が反射しキラキラと光る。
ときおりパシャリと音がするのは、お魚さんが住んでいる証拠?
湖面を撫でた風は少しひんやりとしていて、火照った肌を優しく冷やしてくれる。
なんというか、とても空気が澄んでいて気持ちの良い場所。
「さあ、ここで昼食にしよう。
準備する間少し池を見て来るとよい」
スノーから降ろして貰ったボクはさっそく池に向かってたたっと走り出した。
「わーーーいっ!」
「クリス、見た目より深い。気を付けるのだぞ」
「りょーかいですっ!」
そっと池のふちにしゃがんで水の中を覗き込む。
水はとても澄んでいて、底にある石の形までくっきり!
よおく目を凝らせば、石の間から小さなお魚が顔をのぞかせているのが見える。
「ふわ!お魚さんいました!」
そのままじいっと見つめていたら、お魚さんがちょろりと泳ぎ出した。
なんだか遠慮がちにちょろ、ちょろ、と動くのが妙に面白い。
驚かさないようにゆっくりと手を入れてみれば、それに気づいたお魚さんが「何?」とでも言うようにゆっくりと近づき、その小さなお口でちょんとボクの指先をつついてきた!
「ふふふ。くすぐったあい!」
なにか餌とか上げたら食べてくれるかなあ?
何がいいんだろう。………お肉?パン?
くすぐったさにクスクスを笑っていたら、お兄さまがボクの横にならんだ。
「楽しそうだな。何を見ているのだ?」
「!お兄さま!あのね、ボクの手の先を見てみてください。小さなお魚さんがいるでしょう?ボクの手をつんつんってしてとってもかわいいのです」
ほう、とお兄さまが目をこらす。
「ふふ。クリスの手が気に入ったのだな」
「お腹が空いているのでしょうか?赤ちゃんだから上手に餌がとれないのかもしれません。
なにかあげてみても良いですか?」
「ふむ。小魚だから……パンでもやってみるのはどうだ?ちょうどバスケットに入っているのではないか?」
やっぱりパンでしたか!
「ブリックさんに聞いてみます!」
急に手を出すとお魚さんがびっくりしてしまうので、手を水にいれたままブリックさんに聞いてみた。
「あのーー!ブリックさああん!ボク、お魚さんにー!パンをあげたいのですがー!
少しいただいてもよいでしょうかあー!」
聞こえたかな?
シートを敷いてお食事を並べてくれていたブリックさんが、手を上にあげて大きな丸を作ってくれた。
聞こえてた!
マーシャに何やら話をし、マーシャがパンを持って走ってきてくれた。
「クリス様。こちらでよろしいですか?」




