ボクのルーティーン3
というわけで。
ボクの一日をご紹介しましょう。
朝は6時に起床。
推しの神々しい笑顔で目覚めます。
そう、気付いてくれたましたか?
なんとボク、初日からずっとお兄さまに添い寝していただいているの!
「慣れぬ場所で心細いだろうから」というお兄さまの素晴らしいご配慮で!
一晩中甘い苦行!
正直眠れる気はしないのだけれど、毎日となると眠らないわけにもいきません。
で、どうしているのかといえば……気絶するようにして眠るという最終手段を編み出しました!
供給過多のアレです。アレを意識的におこしておるのです。
実はこれはそんなに難しくないの。だって、お兄さまのお胸に抱かれて、密着して眠っているのだもの!
少しスーハーしただけで意識が遠のく。
そういうわけで、今のところはなんとかなっております。
良かった!
睡眠不足で酷いお顔をすると、お兄さまに心配をおかけしてしまいますからね!
それで、朝は推しの全開のまぶしさをなんとか耐え抜いての起床。
それからマーシャを呼んで、顔を洗ったり着替えをさせて貰ったり。
その間にジル兄さまは自分でさっさとお着換え。
ジル兄さまにも専属の護衛兼使用人さんはいるのだけれど(優男風のレインさん、マッチョなブリックさん)基本的に支度は自分ですることにしているのだそう。
ボクも「自分でできますっ!」と言ったのだけれど、マーシャに「私の仕事を取らないで下さいませ」と懇願されてしまったのでマーシャにお願いしております。
お着換えの最後の仕上げのおリボンは、毎朝ジル兄さまに選んで頂いている。
「兄弟なのだからお揃いがいいだろう」って、お兄さまがご自分のと同じものを結んでくださるのです。
ボクの前にしゃがみ込み、優しくくるりとボクの襟元に手を回し……。
お兄さまのお顔がとっても違いので、毎朝ドキドキ。ふわりととてもいい匂いもするのです。
赤くなりそうなところを必死に耐えていると「キュ」っと結び終わったお兄さまの満面の笑み。
「うん。とても良く似合うぞ。クリスはどんな色でも似あうな」
甘いですうう!お兄さま、そんなお顔はダメですってばあ!
朝からボクの心臓がもちませんっ!
というギリギリのところでマーシャの助け舟。
「ジルベスター様、クリス様が限界ですので……」
「ああ、またいつもの発作か?
ふふ。そんなクリスも可愛いが、早く慣れて欲しいものだな?」
なんとか倒れず耐えているボクを褒めて欲しい。
こうして朝の一連の甘さに耐え抜けば、朝食の時間。
お兄さまに手を繋いで頂き食堂へ。
「おはよう、二人とも。よく眠れたか?」
「おはようございます、父上。クリスと眠るようになってからこの上ない快眠となっております」
「おはようございます、お義父さま!えっと……ボクも快眠です!」
これは嘘ですけれど。幸せではありますので!!
「おはよう。ふふふ。すっかり仲良くなったのねえ。
すてきなお兄さまができて良かったわね、クリス」
「はい!ボク、お兄さまがお兄さまで本当に嬉しいです!」
「私もクリスが弟になってくれてとても嬉しいぞ?」
「えへへへ!ボクも!」
ご挨拶の後は、一日の予定をお話したりします。
「今日はティーナとお披露目の打ち合わせがあるのだ。二人はどうする?」
「私はクリスと勉強した後、森を案内しようと思っているのですが……」
「あら!それは素敵ねえ!」
「森!ウサギさんとかいますか?リスさんとか!」
「ああ、探せば見つかると思うぞ?餌を持っていこうか」
「はい!ボク、餌をやってみたいです!
伯爵家には、わんことネコさんと鶏さんとお馬さんはいたのですが、ウサギさんはいなかったので!
見つけたら抱っこできますか?」
「抱っこ……うむ、なんとかしよう」
「やったあ!楽しみです!」
するとジェームズさんがこんな提案をしてくれた。
「では、ランチは森で頂かれては?よろしければバスケットに入れてお持ちいたします」
「それはいい。どうだ、クリス」
「うわあい!お願いします!ピクニックですね!
ボク、お勉強を頑張って早く済ませますっ!
あ、あの、お昼はマーシャとルナさんと、今日のボクの担当の方と、レインさんとブリックさんの分もお願いできますか?」
「はい。お任せください。クリス様はとてもお優しいですね?」
「優しいのはみなさんのほうですよ?」
「ふふふ。そうだね。みんなついクリスには甘くなってしまう」
「あんまり甘やかさないでくださいね。ボク、ダメな子になってしまいますから!」
「クリスはダメな子にはならぬと思うが……。善処しよう」




