ボク専属の護衛さん
「あともう一人。護衛を兼ねた側つかえを選んで欲しいのだが……」
とすると残りのこの4人は武闘派……?
マーシャは恐らく最初からボクのお世話係として呼ばれているでしょ?
そうしたら、男性3人はともかくとして、もう一人いる女性もまさかの「護衛枠」だったということですか?
その女性は身長は155センチくらい。女性としても少し小柄な方だと思う。
見た目も、ロングの茶色の髪をポニーテールにした可愛い系。動物に例えるならば、リスだとかそういった感じ。
護衛といえば、戦うこともあるでしょう?
でも、彼女はパット見た感じとても戦いに向いているようには見えないのです。
ちょっとびっくりしたボクは、じいっと女性を見つめるというぶしつけなことをしてしまった。
すると気付いた女性は、気分を害するでもなくにこっと微笑んでくれる。
うん、優しい!
やっぱり、こんなに大人し気で優しそうな人が護衛って、なんだかおかしい気が致します。
ボクの疑問を察したのか、お義父さまが説明してくれた。
「彼女は、ルナ・ジーン。騎士団長のオーエンの妹でな。冒険者としてオーエンとパーティーを組むほどの実力の持ち主なのだ。
小柄だが非常に俊敏で機動力に長けておる。力比べでもその辺の男には引けを取らぬのだ」
「ええ?!オーエンさんの?!」
確かに、言われてみればオーエンさんと同じ髪と目の色だ。
「オーエンさん」という言葉を聞いてか、ルナさんがオーエンさんお得意のポーズ、胸を張って右手で左の肩をトントンとする「俺に任せておけ(ボクの命名)」を披露してくれた。
うん!紛れもなく兄妹ですね!
オーエンさんは細いのにとても強い。とすれば、凝ルナさんが強いというのにも納得だ!
「残りの三人は、右からウルガ、セルシオ、ソルト。同じく騎士団の精鋭だ。
三人とも多くの兄弟に囲まれて育ったというのでな。子供の扱いにも長けておる。クリスともうまくやれるはずだ」
残りの三人の扱いが雑すぎませんか?お義父さま?
三人も、まとめてさらっと紹介されたことに苦笑している。
申し訳ないです……。
どの人もみんな優しそうだし、ボクにもきっと親切にしてくれるだろう。
お義父さまの選んでくださった方々なんだもの。
だけれど、もしわがままが許されるのなら。
ルナさんがお強いのでしたら。
「あの……ボク、ルナさんが良いです。
決してウルガさんたちを侮っているわけではありません。
他の皆様には申し訳ないのですが、ボクについていただくということは、マーシャと共に居る時間が多くなるでしょう?
ルナさんならば同じ女性同士、マーシャと気が合うのではないかと思いまして……。
マーシャはボクのために公爵家にひとりで来てくれたのです。なので、マーシャと仲良しになって頂けたらと……」
「まあ!クリス様!私にそのようなお気遣いを……!」
マーシャが感極まってボクをぎゅうっと抱きしめた。
「これはボクのためなの。だって、マーシャには笑顔でいて欲しいので!」
あと、大事なことを慌てて付け加えた。
「あ、もちろんルナさんさえよろしければ、です!
騎士団とは違って、ボク専属の使用人さんって、護衛というよりもどちらかといえば普段はお世話係でしょう?
冒険者をされていたことと比べたら退屈してしまうかも。
それでもよろしければ、ルナさんにお願いしたいのですが……」




