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新しい生活

こうしてボクの心臓を脅かしながら、公爵家での新生活が始まった。


公爵家には、当たり前なのだけれど伯爵家より多くの使用人さんたちがいる。

まず、家令のジェームズさん。公爵様の片腕として公爵家を取りまとめている。お義父さまが留守の際は、お兄さまとジェームズさんに代理としての権限が与えられる。要するに使用人さんの中で一番偉い人だ。

見た目は渋いダンディないおじさま。銀髪に片方だけ丸眼鏡をしているのがとても素敵。見るからにお仕事ができる人という感じです。

代々公爵家に仕えている家系なのだそうで、お義父さまもお兄さまもジェームズさんには絶大な信頼を置いているのだそう。

お義父さまが「困ったことがあれば私かジェームズに言いなさい」と言ってくださった。つまり、困ったときのジェームズさん、なのです。


そしてその息子で執事のシェパードさん。シェパードさんはジェームズさんの補佐をしている。少し長めの茶髪を後ろで紐で纏めているハンサムさん。32歳で、まだ独身なのです。

「結婚?したいですよそりゃあ!」と言っていたのだけれど、ボクが思うに少しだけ軽く見えるところがネックなのではないかな。

「僕も頑張ってるんですよ?なのに、みんな僕の扱い酷くないですか?これでもよそならきっと優秀だと言われる部類なんです!信じてくれます?」とか、たまに悩みを聞いてよしよししてあげているので、ボクは勝手にシェパードさんを「ボクの仲良し」だと思っていたりします。おこがましいのだけれど。


侍女頭のオルガさんは使用人さんたちを纏めている人。25歳。子爵家の三女で、公爵家に行儀見習いとして入り、そのまま雇われたんだって。

内緒だけど、結婚するはずだったのが相手の浮気により破談に。もう結婚するつもりはなく、公爵家に骨をうずめるつもりなのだそう。

一見厳しそうに見えるし、いつもキビキビと忙しそうにしているのだけれど、ボクに気付くとこっそり「内緒ですよ?」とアメをくれたり、クッキーをくれたりする。実はお茶目で優しい人なのだ。

シェパートさん曰く、「オルガはああ見えて小さいものと可愛いものに弱いからねえ」だそう。

小さいものって、ボクのこと?

関係ないけれど、シェパートさんとオルガさんが結婚したらいいと思う。そうしたらずっとここに居てくれるでしょう?

シェパードさん、頑張って!


あとお庭を管理しているマークお爺さん。お髭も髪も真っ白なんだけど、元冒険者だったとかで、とっても強そう。「まだまだ現役ですぞ」というように、筋肉もりもりなのです!

過去に公爵家に押し入ろうとした悪い人がいたんだけど、マークお爺さんがあっという間に捕まえて縄でぐるぐる巻きにしてしまったらしい。

お義父さまが仰るには「下手な護衛よりも頼りになる」のですって!凄い!


それと、公爵家にはなんと公爵家専用の騎士団があるの!

これがとんでもなく強い!

その強さで言えば、王家所属の王国騎士団、辺境伯の辺境騎士団に並ぶほど。

王家の騎士団が貴族中心、辺境の騎士団が屈強な肉体系、そして公爵家の騎士団は平民中心の実力主義。

平民でもチャンスさえあれば出世できるとあって、あちこちから腕に自信のある人たちが集まってくる。

そのおかげで自然とその強さで有名な王国屈指の騎士団になっていったのだそうです。


そんなクライス騎士団を纏める団長さんが、オーエンさん。

28歳ながら、元は冒険者としてあちこちを旅していたのだそうで、その実力は折り紙付き。

細身の体格ながら、自分の2倍はあろう巨漢をも投げ飛ばしてしまう!

最高にカッコいい!


ちなみに、お兄さまにオーエンさんをご紹介いただいた時、ボクがあんまりにも「カッコいいです!」と褒めたせいか、お兄さまが「オーエンには負けぬ」と体術訓練の時間を2倍にすると言い出した。

そこでボクも「ではボクもご一緒します!」と宣言すると、「クリスにはまだ早い」とか「危ないからやめるように」と止められてしまった。

ボクだってお兄さまと一緒に強くなりたいのに!



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