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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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結婚式2

なんだろう。

遠い記憶の中でこんな温かさを感じたことがあったような気がする。

眠るボクをそっと抱き上げ、抱きしめてくれた温かな人。

あれはお父さまだった。


新しいお義父さまのおかげで思い出せた。ボクも確かに実のお父さまに愛されていたんだ。


ねえ、本当のお父さま。ボクはあなたのことをよく覚えていません。

ボク、ちゃんと貴方に愛されていたのですね。なのに忘れてしまってごめんなさい。

でもね、新しいお義父さまのおかげでお父さまの愛を思い出せたのです。

だからどうか、ボクの新しい家族をお空の上から見守ってくださいね?


ふと横を見ると、お兄さまが不思議な表情でお母さまのお腹に顔を埋めていらした。

もしかすると、お兄さまもお兄さまのお母さまにことを思い出していらっしゃるのかな?


ねえ、お兄さま。ボクたちは幸せですね?

失ったものはあったけれど、こうして新たに素晴らしい家族を得ることができたのですから。


ボクがじっと見つめていることに気付いたお兄さまが、恥ずかしそうに顔を赤らめた。


「……どうした?」

「えへへ。お兄さま、ボクたちってとっても幸せですね!」

「…………ああ。そうだな。とても……とても幸せだ」


ぎゅむっとお兄さまに抱き着くのと同時に後ろから感極まったような声が。


「ジルベスター!……私も、私もとても幸せだぞ。

クリス、ティーナ、私たちを受け入れてくれてありがとう」

「それはボクたちのほうです!

ねえ、お母さま!」

「そうよね!そもそもあなたが私を見つけて下さったのよ?ありがとうございます、旦那様?」


ぐう、っとおかしな音が背後から聞こえ、ぎゅむうううっと抱きしめられた。


「ぐえっ!」

「んっ!……ち、父上!クリスがつぶれてしまいますっ!!」

「す、すまぬ!つい!………大丈夫だったか?」


慌てたようにボクを覗き込みあちこちパタパタと撫でさするお義父さま。


「クリスは小さいのですよ!全てが私たちとは違うのです!

骨が折れてしまったらどうするのですか!気を付けてください!」


プンスカと猛抗議するお兄さま。


ちょっと抱きしめたくらいで骨が折れるとでも?!

ボクは小さなリスか何かなのでしょうか?


「すまなかった、クリス。そのように弱いものだとは知らなかったのだ。つい……」


お義父さまもそれで納得しないで?!


「落ち着いてくださいお二人とも。

ボクは大丈夫です。とっても丈夫なので!」


ほらダイジョブ、と腕をムキっとしてみせた。


「そんなに細い腕で何を言っている。折れていないにしろ、ヒビが入るかもしれないだろう?」

「入りませんよ?!」

「クリスは小さいのだから私が注意すべきだったのだ」

「今後は気を付けてくださいね」

「うむ」


ええー?ボクって今後そんな扱いなのですか?

過保護な二人のやりとりに唖然としていると、お母さまが呆れたようにため息をついた。


「あのね、あなたたち。私もクリスもそんなに弱くないのですよ?

ちょっと抱きしめたくらいでなんともなりませんわ!

だから安心して抱きしめてくださいな。クリスだってその方がいいはずですよ?

そうでしょう、クリス」


ボクは慌てて刻々と頷いた。


「ボクは抱っこが大好きですし、これからもたくさん抱きしめて欲しいと思っております。

ボクもお兄さまと同じ人間なのですから、そう簡単には骨は折れません。

だから安心して抱きしめて頂けたらと思います」


言ってしまってから思った。

「ボクも人間です」って、どういう状況?


なのにお兄さまとお義父さまが真面目な表情でボクの言葉を繰り返す。


「そうだな。クリスも人間だ」

「うむ。ジルベスターと同じ人間なのだものな」


ボクは人間、そんな当たり前のことをものすごく真剣に受け止めて下さっている。ええー?


「……っ………!!」


お腹の中から込み上げる笑いを必死でこらえる。


ふと周りを見るとジェームズさんも使用人さんたちもそっと目を下に向けて小さく震えたり拳を握り締めていたり。

ですよねえ!おかしいですよねえ!

良かった、ボクだけじゃなかった!


そう思ったら急に猛烈な笑いが。


「………っ………」


「ど、どうしたクリス?どこか痛むのか?」


「……ふふっ……っあはっあはははっ!も、もうっ…ボ、ボクは人間です、って!

何を言わせるのですか……っあはははは!

そ、そんなことを言う日が来るなんて……っふふふふふっ!

しかも、お、お二人とも、……っ真面目なおかおで……っ!」


お腹を抱えて大爆笑するボク。

釣られて使用人さんたちも我慢の限界。ぶはっ」だの「ぐふうっ」だのあちこちから聞こえてきた。


そこにお母さまがダメ押し。


「そうよねえ、クリスは人間だわ。だって人間の私が産んだのですもの」


やめてえええ!


「あっはっはは!」


大笑いするボクたちについにはお義父さまとお兄さままで笑い出した。


「わっはっはっは!た、確かに……っ、わ、私は何を言っておるのだ……っ」

「あはははは!そ、そうだな!クリスが人間なのは間違いないっ!あはははは!」




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