学園復帰に向けて2
いずれにせよ、ボクが復帰するまでの間、なんとかジェシーと関わらないようにしていた二人。
「その調子で、ジェシーには近寄らないようにしましょうね!絶対に!
ボクも近寄りません!
お兄様もアイク様も、一人になったらダメですよ?必ず数人で行動してくださいね?」
「クリスも学園に戻ったら必ず私かアイクといるようにするのだ。クリスが一番危ないのだから」
「だな。私かアイクが居ない時にはイクシスといるようにね?いいかい?」
「はい!お兄様がいらっしゃるときにはお兄様にくっついて離れませんので、ご安心ください!」
趣味と実益、という言葉が脳をよぎりましたが、別にやましいことはありません。
お兄様をお護りするためですし?ほんとですよ?
とりあえす学園では基本的にはイクシス様を含む四人で、それ以外はボクは必ずお兄様と行動を共にし、アイク様はイクシス様と行動を共にすることとなりました。
それ以外にも
●ジェシーに関わる情報はお互い必ず交換する。
●ジェシーに話しかけられたら即座に人目のある場所に移動し、大声で会話する。
●約束をせざるを得ないようなことがあれば、必ず書面に残す。
この三つを約束し、ボクの学園生活、スタートです!
既にジェシーを退けた実績のある心強い二人がいるので安心です!一緒に頑張りましょう!
復帰初日、お兄様と二人で登校すると、なんとアイク様とイクシス様が待っていてくださいました。
「おはよう、クリス。ジル。クリスと一緒に行こうと思って待っていたんだ。彼がどう出るか分からないからな。用心するに越したことはない。だろう?イクシスにも話しておいた」
そう言ってウインクするアイク様にちょっとときめいてしまいました。さすがはミノくん、ボクの親友!
でも、「話しておいた」ってどうシス様にお話したんでしょう?
と思ったら……。
「ジル、クリス、アイク様から話は聞いている。アイク様とジルを付け回していた彼が、今度は二人にお気に入りのクリスに目をつけているんだろう?クリス、私も気を付けるけれど、必ず誰かと一緒にいるようにね?いいかい?」
あ。そういうことにしたのですね。了解です!
ジェシーは二人のストーカー。当たらず下遠からずですね。うまいこと言ったものです。
シス様の後ろでアイク様がウインク。
ミノくんに戻ってからのアイク様はちょっとお茶目が増してしまっております。
ということで、アイク様、イクシス様が前でボクをガード。その後ろにボクとお兄様、という並びで教室に向かうことに。
王族であるアイク様を盾にするのはどうかと思うのですが、アイク様が「私なら王族の笑顔でジェシーに会ってもどうとでもできるだろう?使える権力は使わないとね」と仰ったのです。
確かに一理ある、ということでこの並びとなりました。
「ふふふ。騎士に護られるお姫様みたいですね」
と苦笑したら、アイク様とジル兄様から同時に「私の姫だからな」「私の姫だよね?」と言われてしまいました。お兄様はともかくアイク様の姫はお断りしましたよね?姫が決まるまでの暫定的エスコートだけですよ、許可したのは。
全くもう。アイク様ったら!
少し早めに登校したこともあり、ジェシーはまだ来ていないようです。良かった。
初日の登校時くらいは心穏やかでいたいもの。
なにしろボク、飛び級(二回目)入学したうえに、初日から休みまくってしまいましたから。
クラスメートのみなさんに受け入れて頂けるかと、ありとあらゆる意味でドキドキなのです。
「よし。アレが居ないうちににさっさと教室に逃げ込もう」
「ですね。行きましょう」
と安心したのもつかの間。
「あーーっ!!クリスっ!クリスが来てるっ!!」
学園に似合わぬ大声と共に、ピンクの塊がものすごいスピードで近づいてきたのでした。
な、なんてことっ!




