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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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二人の「姫」?

アイク様の突然のご乱心により、アイク様とお兄様に挟まれての入場となってしまったボク。

なんてこと!


前代未聞。学園のトップ2を従えた「姫」に、会場は大盛り上がり!

ちょっと品の無い「ピュウッ!」という指笛の音まで聞こえます。

でも一部にはボクのことが面白くない方もいらっしゃるようで……

ああ……チクチクする……トゲトゲした視線があちこちから。

ですよねー。いくらなんでもこれはない。ボクもそう思います。



「アイク様、なんということをなさるのですか!おかげでボク、買わなくて良い恨みまで買ってしまったではありませんか!もう!冗談もほどほどにしてください!」


小さな声で文句を言えば、さらりと流される。


「私を捨てて「姫」を選んだ婚約者のお陰で私は一人になってしまったんだぞ?

いいじゃないか。何も想い合う恋人同士の間に入ろうとしているわけではない。君たちは兄弟なのだしな。

ジルと婚約者ではなくなるとしても、私と君たちが幼馴染であることに変わりはない。だろう?

私に一人寂しく入場しろというのかな?クリスはそんな冷たいことをいう子ではなかったはずなのだが……」


「アイク、クリスは優しい子だ。だが私は優しくはないぞ?

勝者の権利に横やりを入れるとは……。なんと心の狭い」


「婚約解消には同意したし、すんなり進むよう布石も打っただろう?十分心は広いとおもうが?」


た、確かに!


「武闘場でも率先して肯定してくださいましたよね。お礼が遅れ申し訳ございません。改めて、ありがとうございました!」


慌てて御礼を口にすれば、我が意を得たりと口元を緩めるアイク様。


「クリスは可愛いな。

ジル、見習うといい。せっかく婚約解消してやったというのに冷たいものだな、我が元婚約者は」


「……まだです」


「……は?」


「まだ正式には解消されておりません。根回しは終わっておりますが……油断は禁物。

無事解消できたのなら、その時には……礼くらいは口にしよう」


「うん。そうだな。婚約解消は私も望むところなんだ。想う人ができたここ数年は特に、ね。

立場上、確実に解消されるまでと表立っての行動は控えていた。相手に迷惑をかけてはいけないからね。

…………時が来たら遠慮しないよ、クリス。

そういう意味でも、無事に解消できたら、私からもジルに礼を言わせてほしい」


……ん?

途中で意味不明にボクの名前が挟まりませんでしたか?


「なんでもよいのですが、お兄様に迷惑をかけないでくださいね」


「クリス!簡単に良いという言葉を口にするものではない!

アイク、クリスは分かって言ったわけではない。勘違いせぬように」


「ふふふ。許可が出たね。

婚約解消を楽しみにしているよ」




「推しとお揃いの衣装で楽しい舞踏会」のはずが、「不機嫌な推しと、ご機嫌な推しの婚約者(解消予定)に挟まれて不穏な舞踏会」になってしまいました。


素晴らしい衣装を身に纏った最高に煌びやかなお兄様を皆様に賞賛していただきたかったのに……!

アイク様の爆弾発言と前代未聞の「姫共有」のインパクトで、みなさんそれどころじゃなくなってしまったじゃないですか!


ちょっと泣きたい。



そうだ。この際です。左だけに意識を集中させ、右手は空気だと思うことにしましょう!

ちょっとばかりキラキラした空気ですが、問題ありません。

それ以上に輝けるボクの唯一の星がボクの左で至上の輝きを放っているのですから。


きゅ、と左手を握れば、お兄様が険しい表情を緩めてボクを見下ろします。


「どうした?クリス。緊張しているのか?

大丈夫だ。私がついている。

余計なものも付いてきてしまったが、気にしなければよい。あれは……オマケのようなものだ」


「ありがとうございます!大丈夫です。ボクの目にはお兄様しか入っておりませんので!

悪魔と戦い勝利を収めたという美しくも勇ましい大天使ミカエル様に負けぬ素晴らしき勝利!

その凱旋にも等しい場に共に居ることができるというだけで、感無量です!

色々チクチクな視線も感じますが、そんなの、この喜びに比べればなんてことありません。

それに、お兄様が横に居て下さるのですから!

お兄様は大丈夫ですか?怖いことがあれば、ボクがお護り致しますので、仰ってくださいね?

今のボクはとっても嬉しいので、力が湧きまくっておりますので!」


「怖いものなどあろうはずもない。クリスが居てくれるならば、私は何者にも負けぬ。

この勝利は、これまでの人生で唯一私が望んだものなのだ。

『姫』という宝を手に入れるために、な。

私もクリスと共に居ることができてとても嬉しく思っている」


ぱあっとお兄様の瞳の色が濃くなり、キラキラとした星のきらめきが浮かびました。

ボク、強い感情をお持ちになったときのこの瞳が大好きなのです。

思わず吸い込まれそうになります。



「………私もいるのに、よくそこまで二人の空気が作れるよね?」


いえ、何も聞こえませんん。

空気です。


「一応これでも皇太子なんだけれどね?」


………空気です。


「婚約解消の協力者でもある」


「アイク様もご一緒出来て嬉しいです!ぜひ婚約解消のご協力をお願いいたします!迅速に!スムーズに!お兄様を解放してあげてください!」


「クリスって本当に分かりやすいよね。

それにしても、言い方!皇太子の婚約者は、普通は垂涎の的だし、名誉なんだよ?

前々から思ってたんだけれど、君たちの私の扱い、相当だよね?…………まあ、そこが好ましいんだけど」


え?マゾ?

アイク様、もしかしていじめられたい人だったのですか?

どうりでゲームであのおかしなピンク頭に騙されるわけです。

あの人、トラブルの匂いしかしませんものね。いじめられたいような人には、たまらないのでしょう。


「……大丈夫ですよ?お兄様に害がなければ、ボク、アイク様の趣味は否定しません。そういう人もいますから」







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