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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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舞踏会

褒章などの授与は夜の舞踏会にされるため、会場で行われるのはあくまでも「順位発表」の意味となる表彰式のみ。

でも、例年この武闘大会の勝者が今後の王国中枢を担うことになるため、わざわざ国のトップが足を運んでくださっております。

つまりは、アイク様のお父さまであらせられます王様と、お披露目会でお会いしたこともあるウエイン様イクシスとリオのお父さまたち、つまり騎士団長と宰相様です。


陛下にお会いするのは初めてです。

なのにこのような形となってしまい、なんというか……申し訳ございません。

不敬でないとよいのですが……。



そう。なんと、お兄様はそのままボクをその腕に姫抱っこして、平然と表彰式に臨んだのです。

「姫」というのはこのように運ばれるものなのでしょうか?

もうどうして良いのか分からず、できるだけ目立たぬようにキュッと身を縮めてみましたが……


感じます。

とってもとっても見られております……。

視線ってこんなにムズムズするものなのですね。


「………あー………ごほん、ジルベスターは……そのままでよいのか?」


お三方を代表し、宰相様が暗に「腕に抱えてるけどそのまま表彰されちゃっていいの?下ろしたほうがいいんじゃない?」と仰いました。


やはり「姫抱っこで表彰」はおかしいようです。

ああ、どうしましょう!

ボクが興奮して飛び降りたばかりに、お兄様の勝利に泥を塗ってしまいました!


慌てて降りようとしたのですが、できませんでした。

なぜならお兄様がにっこりキッパリと「問題ありません。むしろこのままで」と仰って、ボクを抱きしめる腕の力を強くされたからです。


壇上のお三方のお顔に「そういうことではないんだが」と書いてあります。

ですよねえ……申し訳ない。

お兄様の説得を諦めがお三方、今度はボクに視線で訴えてきました。


しかしながら、ボクといたしましてはお兄様が正義!ちまりは、お三方<<<お兄様。ですから、お兄様がこのままがいいと仰るのであれば!このままで!


かといってお三方を無視するわけにもいかず、せめてなるべく手足をぎゅっとして小さくなって存在を無に!無にいたします……!!


必死で路傍の小石を演じるボクでしたが……


「……久しぶりだね、クリスくん。ああ……その……君はそのままでよいのかな?」


匂わせやめてハッキリ聞かれてしまいました!

そのままで良いのか、と言われましても……

チラリとお兄様を見上げれば、ニコッとほほ笑みコクリと頷かれます。

なのでボクも同じようにニコッとほほ笑み返し、お三方に向かってこう断言しました。


「はい!ボクはお兄様の姫ですから!お兄様がよろしいように!」




あちこちから聞こえる激しい咳払いの中、表彰式はこのままの形で続行されることとなりました。


武術大会の結果は、優勝ジルベスターお兄様、準優勝ウエイン様、三位アイク様、同着四位ティム、オーウェル様。

それぞれにミスリル、金、プラチナ、銅で作られた「月桂樹のブローチ」が授与されます。

最終シードまで残ったものの証であるこのブローチは、いわゆる「将来の約束」。これがあれば希望により騎士団への入隊はもちろん、アイク様の側近、補佐役にもなれるのです。


ティムは震える手で受け取っていましたが、ボクの目からするとあれは喜びの震えではなさそう。いわゆる「荷が重い」というものなのではないでしょうか?人の目さえなかったら、なるべく触れぬようにと指先で摘んでいたことでしょう。よほど目を付けられたくないのでしょうが、もう遅いと思います。


あ、オーウェル様は拝まんばかりのご様子で受け取っていらっしゃいました。早速胸に付け、嬉しそうに何度もそっと撫でていらっしゃいます。微笑ましい!見ているだけで胸が熱くなります。これぞあるべき姿です。


イヤイヤ試合に出たティムはともかくとして、準優勝、優勝なのにもかかわらず頂いたブローチをポケットに突っ込もうとして団長に睨まれたウエイン様!

「あ、私は大丈夫です」と言いかけて陛下にジロリされたアイク様!

あなた方は慣れすぎです!もう少しオーウェル様を見習ってくださいね。



お兄様ですか?

お兄様はブローチを受け取るためにボクをそっと地面に立たせてから、恭しくブローチを受け取りました。

そしてそのままボクの前で片膝を付き「約束の勝利だよ?」と受け取ったブローチをボクの胸に付けてくださいました。

ありがとうございます、お兄様!生涯の宝に致しますね!

決して汚れぬよう透明なケースに収めて飾る?

それともせっかくお兄様が自らその白魚のようにしなやかでお美しい指で付けてくださったのですから、そのまま子の上着に付けておく?

なんて悩ましい!!ここは後から応相談で!ご本人であらせられるお兄様と話し合いで決めようと思います。


これを見たお三方はぎょっ!声には出しませんでしたが「なんで?!」という声が聞こえてきそうです。

アイク様とウエイン様は震えながら笑いを堪えていらっしゃいます。

騎士が姫に勝利を捧げる、これに何の文句があるというのです?全くもって情緒の無い方々ですね。残念です。




こうしてお兄様は、「姫」を「姫抱っこ」しながら表彰された、伝説の勝者となりました。

そして勝者から「勝者の証」である「月桂樹のブローチ」を送られたボクは「姫の中の姫」と言われるようになり、同じく伝説の姫に。

男の子なのに姫っていうのはなんだかムズムズ致しますが、お兄様と並んで伝説となれたのはとっても嬉しいです!


リオはこの件をこう評しました。


「『勝者』というより『猛者』だよね。あれは誰にも真似できないよ」


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