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プロローグ。ボクは悪役令息の義弟でした

なろう様では初めましてになりますです(*‘ω‘ *)

この度新作をなろう様にも上げてみることに致しました。


ボクの名前は、クリストファー。

突然だけど、ボクには前世の記憶がある。


ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見てピッカーン。


「あああ! ()()()、知ってるう! 悪役令息っ! 」


あ、この人ゲームの悪役じゃん!!って前世の記憶を思い出したのだ。


そう、ボクが今いるこの世界はBLゲームの中の世界。

女性もいるけど数が少なく、男でも子供が産めるように進化した。当然男同士も普通に結婚できる。


そしてボクはなんと、第一王子の婚約者である悪役令息ジルベスターの()()()転生していたのです。

しかも、モブ。

繰り返す。ボクはモブ!「完全なるモブ」でした!



お母さまの再婚でクライス公爵家の次男となったボク。

こういうとボクが主人公っぽい感じだけれど、残念ながらそうじゃない。

主要キャラクターなのは、ボクではなくお義兄さまなのだ。


ゲームの主要人物で悪役のジルベスター様つまりボクのお義兄さまが、ボクが目にした初めてのゲームの登場人物になる。

これまでは、自分が転生したことも、ここがゲームの世界だということも、何にも知らずに普通に楽しく暮らしてきた。

だってゲームの中のボクはモブすぎて名前もキャラデザもなかったんだもん。

だから、よくある鏡をみて「あーー!」なんていうこともなく、毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかった。

要するにボク、お義兄さまに出会って初めて「ここはゲームの世界なんだ」って分かったのだ。





ジルベスター様は、悪役だけれどとても人気があった。

その理由の第一は、ビジュアル!

夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。

大人の片手に収まりそうな小さな(かんばせ)に奇跡的な位置で配置された夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。

切れ上がった眦が涼やかでサイコーにクール!!

すうっと通った鼻梁に、蠱惑的な唇。

イケメンではなく美形!ビューティフォー!ワンダフォー!

何を隠そうジルベスター様は、ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい容姿をなさっているのです!


当然ながら前世のボクも、そのビジュアルにノックアウトされた。

別に男が好きとかではなく普通に女の子が好きだったんだけど、ジルベスター様の魅力が性別をも凌駕していたのだから仕方ない。

だけど、ボクが惹かれたのはもちろんその外見だけではないのです。

なんていうかね、美しいだけじゃなくって時折そっとその目を曇らせている寂しげな様子(ネットでは悪だくみしている顔って書かれてるけど! 絶対に許さぬ! 絶許! )とか、そっけない言動の裏に隠された不器用な優しさ(ネットでは冷酷な態度って言われてるけど! 絶許! )とかがたまらなかった。

胸がきゅんきゅんした。

ボクが笑顔にしてあげたいって思った。

要するに完璧な外見に似合わぬ不器用さが、ボクのハートにクリーンヒットしたのだ!


だから、ゲームでジルベスター様が断罪されたときには悔し涙に濡れた。

「この人が悪役っておかしいでしょ!製作者が急いでるときには必ず靴紐が解けますように!犬のウ◯コを踏みますように!」って毎日毎日製作者(神様)を呪った。

寝る間も惜しんでなんとかジルベスター様(推し)を救おうと頑張ったし、すべてのルートを試してゲームをやり込みまくった。隠しルートだって見つけた。


でも、何をしてもジルベスター様は断罪された。


その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」だのと誤解され、やってもいない罪を被らされ、ボクの推しは、その身分をはく奪された。

孤高の人として莫大な人気を誇っていたはずなのに、誰も彼を庇う人は居なかった。

どうしてかというと、いつのまにかジルベスター様は第一王子の敵扱いになっていたから。

庇えば自分まで王族に睨まれると分かっていた。だからみんな冤罪と知ってたはずなのに、見てみないふりをしていたのだ。

ひどい!絶対に許さないんだから!

思い出しただけで腹がたっちゃう!


誤解される原因を作ったのは、主人公のピンク頭だ。

彼はまるでジルベスターが彼に何かしたみたいに、ジルベスター様の前でいきなり悲鳴を上げて倒れ、「ジルベスター様は悪くないんです」と被害者ぶった。

行く先々でジルベスター様に絡み、ジルベスター様がやってもいない罪をでっちあげた。

そうやって周囲のジルベスター様へのヘイトを煽って「ジルベスター様にいじめられても挫けない健気な子」として自分を持ち上げ、王子や攻略対象たちに売り込んだのだ。

ゲームでは実際にジルベスター様がやったことにされていたけれど。

ボクは信じている。ジルベスター様がそんなことをするはずないって。ジルベスター様はピンク頭に嵌められたんだって。


だからボクは主人公が大っ嫌いだ。ピンクを見ただけでもイライラするくらい。

(今世のボクがピンクが大っ嫌いな謎が解けた。ボクの推しの敵がピンク頭だったからだね)




とにかく、前世のボクはジルベスター様のことが大好きだった。

そのせいか、思い出した前世の記憶はジルベスター様関連のみ!


そう、前世の記憶なんだけれど………実は、思い出したというわりに、自分のことはほとんど覚えていなかった!ウソでしょーっ⁉︎

その代わり、ゲームの内容、設定、ジルベスター様に関わるルートについてはかんっぺきに覚えていた。

さすがに我ながらどうかと思うけれど……それくらいに推しだったんだもの。仕方がないよね?


まさかそんなボクがジルベスター(推し)の義理の弟に生まれ変わっていただなんて!!

しかも今のボクはまだ5歳!

蘇った17歳の記憶と、今現在の5歳の記憶とで、混乱しまくりだよおおお!






ちなみにモブであるボク、クリストファー・クライスについては、ゲームの中ではたいして触れられていない。

探しに探して、悪役令息ジルベスターの設定資料のこの一文だけ。


「父の再婚によりできた義弟がいる」


せめて、せめて()()()()()()()ないでしょうか?

名前をつけろとまでは言わないよ?

でも、せめて年齢くらい!仲がいいとか悪いとか!!

なんか少しくらいはあったでしょうに!


でも、ないのです。ほんとのほんっと、見事にこの一文だけなの。

スピンオフですら一切触れられていない。

義理とはいえ弟なんだよ? 一緒に暮らしてるんだよ? ちょっとそれっておかしくないですか⁈ 

前世では「ジルベスターと義弟の仲が悪くて二人にほぼ関りがなかったから触れられていないんじゃ」って思っていたのだけれど。


違った!ぜんっぜんそんなことはなかった!

お義母さまの再婚から一年。

公爵家でボク、めっちゃ快適に暮らしております。

お義父さまはもとより、お兄さま(ボクの推し)にもめっちゃんこに可愛がられていたりします!

実はね、朝はお兄さまのおはようで目覚め、夜もお兄さまのおやすみでいっしょに寝ているのです。

なにこのご褒美!ボク、前世でどんな徳を積んだんだの⁈

最高に幸せで、毎日毎日神様に感謝をささげているくらいなのだ。


こんなに仲良し兄弟なのになんでボクをモブのままにしたの⁈

製作者、ホントおかしいでしょう!


全く意味不明なんだけれど、悪役令息と一緒に暮らしてる仲良し義弟なのにもかかわらず

想像の()()()()()どころか、想像()()()()、そんなモブ中のモブがボクなのです。

てゆーか、自慢じゃないけど、ボクのこの可愛さで「顔も名もなきモブ」とかってある⁈ 

絶対キャラの使いどころ間違ってたからっ、運営さんっ!



ご拝読頂きありがとうございます♡

イイネ、コメントなど頂けたらとってもとっても!励みになります!

できればお優しいお言葉をいただきたく……|д゜)チラリ



他社様になりますが、「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中です。kindleもございますので、ぜひ♡

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