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純情恋模様  作者: karinko
9/78

☆5話 気持ち☆詩織side

「それじゃぁ中間の答案返すぞー!」


担任の澤田先生がそう言って出席番号順に答案を返し始める。


…そうです。


今日はついに中間テストの結果がかえってくるんです!


やっぱり、少し緊張してしまいますね…


平均ぐらいはとれているでしょうか…??


私はドキドキしながら名前を呼ばれるのを待った。


「望月詩織」


「は、はい!」


やっと私の名前が呼ばれて私はそそくさと前にでる。


渡された答案には大きく『64点』と書かれていた。


64点ですか…


良いのかわかりませんが…


でも!


一週間で勉強したと言えば、いい方ですよね!


「おい、望月」


席につくとすぐに滝沢サンに声をかけられた。


「どうだった??」


「はい…よくわかりませんが…」


私は滝沢サンに答案を渡した。


滝沢サンは私の点数をじーっと見つめる。


「んー…まぁ、いいんじゃねぇの?」


「そうですか??ありがとうございます!これも滝沢サンのおかげです!」


私はぺこりと頭を下げた。


「あっ、そういえば、滝沢サンはどうだったんですか??」


きっとすっごくいい点数なんでしょうね!


「知りたい?」


私は強くうなずいた。


滝沢サンが私に点数をみせてくれる。


そこにはほぼ丸印がつけられていて、大きく『100点』と書かれていた。


「ひゃ、ひゃ、百点…ですか!?」


「まぁ、この学校のテストって結構簡単だし…」


簡単って…


一応ここ、名門高ですよ…??


ほんと、滝沢サンてすごく頭がいいんですね…


そのあともテスト返しは続いて、最終的に私の平均は『69点』だった。


そして学年の平均が『67点』。


な、なんと…!!


平均よりも、2点も点数が高かったのです!!


これもすべて教えてくださった滝沢サンのおかげですね!


私1人ならきっと赤点をとるところでしたよ…


そしてその滝沢サンはというと…


全教科オール100。


文句ナシの学年一位です。


私はあらためて滝沢サンの頭のよさを実感しました。


これはもう、お礼とお祝いの意味をかねて何かをしてさしあげる必要がありますね…!!


そう思って私が滝沢サンに声をかけようとすると…


「おまえオール100かよ!?すげぇな!!」


「滝沢クンって以外と頭いいんだね♪」


数人の男女が滝沢サンをかこんで話だした。


「いや、別に…」


滝沢サンは困ったような顔をしているが、少しうれしそうにも見える。


ズキッ…


胸がしめつけられるように痛くなった。


え…


どうしてでしょうか…??


胸が…


痛い…??


い、いや!


そんなことよりも!


みなさんが滝沢サンにしゃべりかけてくれてるんです!


私が滝沢サンと話すようになったから、みなさんも滝沢サンが近寄りがたい人なんかじゃないって気がついてくれたんでしょうか!?


それなら今までの私の努力は無駄にならなかったというわけで!


これで滝沢サンにお友達ができたら、滝沢サンの高校生活も楽しくなるはず…!!


…………


…だから、


これって…


うれしいことのはずですよね…??


それなのに…


どうしてこんなに悲しいんでしょうか…??


…滝沢サンは私以外と話さないで欲しい…


なぜか、そう思ってしまう私は、


おかしいですか…??


「ねぇ、詩織!テストどうだった??」


優香ちゃんと楓ちゃんが私のところにきてくれた。


「えっ…あっ、はい!私にしては頑張れた方だと思います!」


私は無理やり顔に笑顔をはりつけて言った。


「…詩織ちゃん、どうしたの??」


そんな私を見て、楓ちゃんが心配そうに言った。


「いえ、何も…」


2人に心配かけたくない。


それに…


2人にこんな嫌な感情を知られたくない。


そう思った。


「ウソ。なんかあるんでしょ?分かるよ」


「うん。私達、友達なんだから…教えて??」


だけど、2人は優しくそう言ってくれた。


…優香ちゃんと楓ちゃんは優しいです。


でも、私が思っていることはほんの小さなことなんですよ…??


だけど、私は2人に話すことにした。


「…私、今おかしいんです」


「おかしい?」


「…はい。滝沢サンが他の人と話しているのをみたら…」


私はいつの間にか女の子にかこまれている滝沢サンの方を見た。


また、胸がしめつけられる。


「胸が…苦しくなって…滝沢サンは私以外の人と話して欲しくない、そう思ってしまうんです」


私は最初、そうなることを望んでいたのに…


滝沢サンがいろんな人と話して、1人でいるなんてさびしいことなんてなくなって欲しいと思ってたのに…


私って本当に…


嫌な子です…


優香ちゃんと楓ちゃんは顔を見合わせた。


そしてにっこりと笑う。


「…それってさ、詩織が滝沢クンのこと、好きってことじゃないの??」


「す…き…??」


私が…


滝沢サンのことを…??


「どうしてですか…??私、まだ滝沢サンのことが少し怖いんですよ…??」


「でも、滝沢クンが他の人と話してたら嫌なんでしょ?それって好きってことじゃない!」


そうですけど…


…そうなんですか??


私は滝沢サンのことが…


好きなんですか…??


そう思うと、顔が熱くなる。


で、でも、多分、私の『好き』はきっと、お友達として『好き』ってことだと思います。


だって私には…


恋愛として、男の人を『好き』になるってことが、わかりませんから…


「でもさ、最近詩織ちゃんと滝沢クン仲いいから他の女の子たちも目をつけ始めてるよ?」


えっ??


「あー。滝沢クンってちょっと怖いけどかっこいいもんね。みんな最初は近寄り辛かったみたいだけど、こんなにおとなしい詩織でも話せるんだから私もって思ってるんだろね…」


優香ちゃんはそういってぽんっと私の背中を叩いた。


「よしっ!詩織!他の子にとられないように、今のうち言ってきなよ!他の子としゃべらないでって!」


「えっ!?そ、そんな…!」


「いいから!」


楓ちゃんにも背中を押されて私はしぶしぶと滝沢サンのところにいった。


滝沢サンのまわりにはまだ女の子がいて、少し話かけ辛かったけど私は頑張って声をかけた。


「た、滝沢サン!!」


女の子たちは私の声なんか無視して話続ける。


けど…


「…何??」


滝沢サンはたしかに私を見て言った。


ドキッ


鼓動が強くなる。


「ちょっとお話したいことがあるんですけど…」


女の子達が迷惑そうに私を見ている。


私、邪魔になっているんでしょうか…??


…それでも、


「少し、きてくれませんか??」


私は勇気をだしてはっきりと言った。


「ちょっと、今滝沢クンは私達としゃべってるんだけど」


女の子の一人がそう言った。


あきらかに敵意の目をむけられている。


こ、怖いです…


やっぱり私は余計なことをしているのでは…


だけど、私はふるふると首を横にふる。


そして滝沢サンの手をつかんだ。


「望月??」


私はそのまま滝沢サンをひっぱる。


滝沢サンは立ち上がって私に手を引かれるままについてきた。


「どこ行くんだよ??」


私は答えずに足を進める。


自分でも何をしているのかわからなくて、恥ずかしかった。


顔が火がでるほど熱くなってそれを隠すように私は足を早める。


そのうちにいつの間にか屋上についていた。


そこで私は滝沢サンの手をはなす。


「おい、望月…」


滝沢サンが私の名前を呼ぶ。


でも私は振り返ることができなかった。


だって…


私は目を押さえた。


なぜか、私の目から、涙がでてたから。


「もちづ…」


滝沢サンが私の肩をつかんだ。


そして私の名前を呼び掛けて止まる。


「おまえ…」


あ…


多分、ばれちゃいました…


私が泣いてること…


なら、もういいです…


私は振り返った。


「滝沢サン…お願いがあるんです…」


私は涙をぬぐう。


震える声で、でも滝沢サンに伝わるようにできるかぎりはっきりと言った。


「…私以外の人と、お話しないでください…」


滝沢サンの目が大きく見開かれる。


「は…??なんだよ、それ…」


滝沢サンの低い声が胸に突き刺さる。


そうですよね…


すごく、勝手なこと言ってるって分かってるんです。


だってこれは、滝沢サンにずっと1人でいろって言っているようなものなんですもの。


「おまえ、オレがいつも1人だからって気つかってたんじゃねぇの??それなのに他の奴としゃべるなって…矛盾してるだろ…」


「分かってます!でも!」


こんなこと、滝沢サンに言って困らせてしまわないでしょうか?


…だけど、これが私の気持ちなんです…


「私、滝沢サンが他の人と話してるのを見るのは嫌なんです!滝沢サンは私だけのお友達でいて欲しいんです!!」


滝沢サンが唖然として私を見ている。


絶対変な子だと思われていますよね…??


こんなやつとかかわらきゃ良かったとか、そう思われてるかもしれません。


でも、どうだっていいです。


だって私は…


「滝沢サンは…私の大好きなお友達ですから…」


滝沢サンは驚いたような表情をうかべた。


「なんだよ、その理由…」


そしてぽつりとそう言う。


やっぱり…


私、変な子ですよね…


きっと、滝沢サンはもう、私のお友達なんて止めてしまわれるんでしょう…


仕方ない、ですよね。


だけど、滝沢サンはしばらくの間をおいて小さな声で言った。


「オレも…好きだよ」


ドキッ


心臓が高鳴る。


えっ…??


「い、いや!友達として、だ!」


「えっ、あ、はい。わかってますよ…」


滝沢サンは眉間のしわを深めると私の顔を見ずに言った。


「まぁ…はっきり言っておまえ以外のやつとしゃべるなとか言われても、それは嫌だ」


…それはそうですよね。


「でも…………」


最後の言葉はほんの小さな声だった。


思わず、目を見開く。


「…もー、いいだろ!」


滝沢サンはそう言うと屋上の扉をあけてでていってしまった。


誰もいない屋上で一人たたずむ。


「一番はおまえだから…」


私はさっきの滝沢サンの言葉をくりかえした。


一番って…


どういうことですか…??


……滝沢サン。


私さっき『滝沢サンは…私の大好きなお友達ですから…』って言いましたよね??


実はあれ、私の本当の気持ちがばれないように、言葉をつけたしたんです。


…私は、滝沢さんのことを『お友達として好き』なんじゃないんですよ?


さっき、なぜか涙がでてしまったときに気づいたんです。


私は滝沢サンが…


「好き、なんですよ…??」


私はさっきまで滝沢サンが立っていたところに向かってぽつりとつぶやいた。

かなり急展開です…

しかも最後の場面が少し適当に…

…すいません<m(__)m>

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