表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
純情恋模様  作者: karinko
47/78

☆23話 バレンタイデー☆詩織side

「ねぇ、詩織ちゃん!今週の土曜日暇ー??」


突然笹川サンに話しかけられた。


「え、ええ…特に用事はありませんけど…」


「なら一緒にチョコ作らない!?」


「チョコ、ですか…??いいですけど…」


また、どうしてチョコなんか作るんでしょうか??


私が首をかしげていると笹川サンは笑いながら言った。


「あれ?詩織ちゃんたら忘れてる?もうすぐバレンタイデーだよー♪」


へっ…??


バレンタイデーって…


……!!


そ、そうでした!!


もうすぐ2月14日です!!


良かった…


笹川サンに言われなければ忘れるところでした……


「私も大河においしそうなの作りたいし、詩織ちゃんって料理うまそうだからさっ!」


「いや、そんなことないですよ……」


「そんな謙遜しちゃってー!とりあえず、私土曜日に材料とか買って詩織ちゃんのうちに行くねー!!」


「ええ!?私のうちですか!?」


「うん!それじゃまた土曜日ねー!!」


笹川サンは私に反論する間を与えずに帰っていってしまった。


私、ちょっと笹川サンって苦手です……


「何話してたんだ?詩織」


響くんが顔をしかめて笹川サンの後ろ姿を見ながら言った。


思わずびくっと震える。


えっと…


一応響くんには内緒の方がいいですよね?


「いえ、なんでもないですよ!さぁ帰りましょう!」


私は慌てて教科書やらノートやらを鞄に詰め込んだ。


響くんは怪訝な顔をしていたが、それ以上深く聞こうとはしなかった。


…よし、


私も響くんのためにおいしいチョコを作って、響くんのハートをつかんじゃいます!


そしてあわよくば、またキスしてみたいなぁーなんて…


よーし!待っていてください、響くん!




「お邪魔しまーす♪」


土曜日。


笹川サンはたくさんのチョコの材料を買いこんでうちにきた。


「詩織ちゃん!いろいろ買ってきたよー!」


「こ、こんなにたくさん…よろしいのですか…??」


「うん!使えそうなのいっぱい買ってきたんだ♪」


使えそうなのって…


それはいいですけど、少し買いすぎじゃありませんか…??


まぁいいですけど…


「それでは作りはじめましょうか」


「うん!!で、何作るの??」


何作るって…


何も考えずにこんなにいろいろと買ってきたのですか…??


…まぁ、私も何を作ろうか考えていたから別にいいですけど……


「えっと…あんまりこりすぎても失敗する確率が高まるので…普通のシンプルなチョコでいいんじゃないですか?」


「シンプルなチョコ??うん、いいよ!!」


笹川サンはそう言ってにっこりと笑った。


よーし!


それじゃがんばって作りますよー!!


作り方は簡単です!


まず、板チョコを切り刻みます。


そしてそれを50度程度のお湯で湯煎して溶かします。


溶かしたチョコを型に流し込みます。


あとは冷蔵庫に入れて待つだけ…


「待って!!」


私が湯煎で溶かしたチョコを型に流し込もうとしたとき、不意に笹川サンに止められた。


「どうしたんですか??」


「これいれなくちゃ!」


そう言って笹川サンが取り出したのは料理酒。


…??


チョコ作りに料理酒なんて使いましたっけ…??


「あのねー?大河ってちょっとしたお酒でもすぐ酔うんだぁ!だからこれをたっぷりいれたら絶対に酔うはずだよ!」


「はぁ…」


料理酒で酔うものなのですかね…??


「でも、酔ったからって何があるんですか??」


私が訪ねてみると、笹川サンはにっと笑った。


「大河はね、酔ったらおもしろいの。いろんなことしてくれるんだぁ。だから、ね?」


……笹川サン、ちょっと怖いです。


「もしかしたら滝沢クンも同じかもしれないよ?だから詩織ちゃんも一応いれときなよ!」


「は、はぁ…」


いろんなことって…なんでしょうか…??


それに普通は料理酒で人は酔わないと思いますが…


しかもチョコに料理酒って入れていいんですか??


そう思いながらも私はほんの少しだけチョコの中に料理酒を混ぜた。


(隣では笹川サンがどぼどぼとたくさんいれてますが…)


そしてあらためてチョコをハート型の型に流し込む。


あとは冷蔵庫で30分くらい冷やすだけです!


そして30分後…


「できました!」


「かんせーい♪」


あとはラッピングして渡すだけです!


「明日が楽しみだね!詩織ちゃん!」


笹川サンはそう言ってにこっと私に笑いかけた。


「そうですね!」


さっき味見してみてもおいしかったですし!


さぁ、響くんは喜んでくれるでしょうか??




そして月曜日。


私は鞄の中に昨日作ったチョコを忍ばせて学校にいった。


「おはようございます!響くん!」


「ああ、おはよう」


響くんは笑顔であいさつを返してくれる。


ええと…


もう今渡しちゃいましょうかね??


そう思い、鞄からチョコをとりだそうとしたとき…


「あ、あの!滝沢クン!」


数人の女の子が響くんのところにきた。


その手には可愛らしく包装された袋を持っている。


え…??


もしかして響くんにチョコを…??


「これ、受け取ってください…!!」


1人の女の子が響くんにチョコを差し出した。


少し胸が締め付けられる。


嫌…


受け取らないでください…!


響くん…!!


響くんは顔をしかめて言った。


「えっと…悪いけど、オレ甘い物嫌いだから」


……へ?


そうだったんですか??


「え…?で、でも…!!」


女の子達はショックを受けたようにおろおろとうろたえている。


その隣で私もさりげなくショックを受けた。


そ、そんな…


私、思い切り甘く作っちゃいました…


糖分多めなんですけど…


響くん、もしかしたら私のも受け取ってくれないかも……


だけど少しだけほっとした。


でも、たとえ響くんが私のチョコも受け取ってくれなくても…


他の誰のチョコも受け取らないってことですよね??


少し安心です…


……けど、やっぱりショックです。


私は大きなため息をついた。


そして昼休み。


私は一応お弁当箱と一緒にチョコを持って、響くんと屋上に行った。


ええと…


どうしましょう…


やっぱり受け取ってもらえないでしょうかね?


でも…


もしかしたら受け取ってもらえるかもしれませんし…


…一応、渡してみましょう!!


「あ、あの!わ、私もチョコ作ってきたんですけど!」


そう言って響くんにチョコを差し出す。


「えっと…受け取って、いただけますか…??」


響くんは少し驚いたような顔をして、そして私に微笑みかけた。


「ありがとう」


一言そう言って、チョコを受け取る。


え…??


受け取ってくださるんですか??


…良かったです。


「あの、良かったら今食べてみてください」


ふと、笹川サンが言っていた『酔ったら面白い』という言葉が頭にうかんできた。


料理酒で酔うなんて思えませんが、響くんは酔ったらどうなるんでしょうか…??


「ああ」


響くんは袋の中から一粒チョコを取り出して、口に運んだ。


私はわくわくしながらその様子を見守る。


だけど響くんは別にどうにかなるわけでもなく、にこっと私に微笑みかけた。


「うん、うまいよ…ちょっと甘いけどな」


…別に、何もなりませんよ?


まぁ、喜んでいただけたのはうれしいですけど…


私はがっくりと肩を落として大きなため息をついた。


「…??なんだよ、ため息なんかついて…」


響くんはそんな私を怪訝そうに見る。


「いえ…別にたいしたことではないのですが……そのチョコに、料理酒を入れてみたんです」


「料理酒??」


私はこくっとうなずいた。


「笹川サンが、滝沢クンも酔ったらおもしろいことになるかもよ?って言ってましたから…」


結局、おもしろいことってなんだったんでしょうか??


響くんはなぜか黙ってしまった。


…??


どうしたんでしょうか?


「響くん?どうしたんですか??」


私が尋ねてみると、響くんは小さな声で言った。


「おまえもちょっとこれ食べろよ」


「??」


不思議に思いながらも、袋から一粒チョコをとって口に入れる。


甘い味が口の中に広がった時…


「んっ!」


突然響くんの唇が私の唇に触れた。


な、なんですか!?急に!!


響くんは私のあいた口に舌をいれて、私の口の中のチョコをからめとった。


そして自分の口に運ぶ。


顔が燃えるように熱くなって、熱で頭がぼんやりとしてきた。


響くんは一度唇を離すと、また角度を変えてキスしてきた。


そして今度はまだ口内に残っていたチョコをなめとる。


響くんの熱がたまらなく心地よかった。


口の中にチョコがなくなって、響くんは唇を離した。


「響、くん…??」


響くんの顔は真っ赤になっていて、視線を私からそらしていた。


「ホントにこのチョコ…甘いな…」


照れ隠しをするようにそう言う響くん。


私はそんな響くんを見てくすっと笑った。


「ずるいですよ。私にも食べさせてください」


私はそう言って響くんの口にチョコを運んだ。


響くんは驚いたように目を見開く。


私はそんな響くんにキスした。


そしてさっきの響くんと同じように、響くんの口の中のチョコをからめとる。


もともと甘いチョコがさらに甘く感じた。


響くんの口の中のチョコを全部食べ終えて、私は唇をはなした。


お互い真っ赤になった顔を見合わせて、恥ずかしくなってうつむく。


わ、私ったらなんて大胆なことをしたんでしょうか…??


でも…


私はそっと自分の唇に触れた。


とっても甘くて、おいしかったです……

最後、2人ともかなり積極的に…

途中で詩織が積極的すぎるだろ!と思って慌てて変な終わり方になりました(-_-;)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ