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純情恋模様  作者: karinko
21/78

☆11話 変化☆詩織side

7月になりました。


もうすぐ夏休みです!!


ですけどその前に…


期末テストがあります…


「私、テスト大丈夫でしょうか…??」


今回は中間テストのときと違ってテスト間近ってわけでもないんですけど…


どう勉強すればいいのかわかりませんからねー…


「…オレ、教えてやろうか??」


隣で滝沢サンコンビニのおにぎりの包装をめくりながら言った。


今はお昼休み。


いつの間にか屋上で滝沢サンと昼食を食べることが日常になっている。


「えっ!?いいんですか!?」


「だっておまえ、1人で勉強したら絶対赤点とるだろ?」


そ、それはそうですけど…


そんなにはっきり言わないで欲しいです…


「…そうですけど。私、中学の時は学年でも常に成績上位の方だったんですよ??」


平均も90を下まわったことはなかったんですから!!


「おまえの中学とこの高校は違うんだよ」


そう言って滝沢サンはふふんと笑った。


む………


なんとなく頭にきますね…


でも、滝沢サンの言うとおり私は教えてもらわないと、とても平均分とれないと思いますし…


「…わかりましたよ。教えてもらってあげます」


少し上から目線で言ってみる。


すると滝沢サンは意地悪く笑いながら言った。


「別に教えて欲しくないなら教えなくてもいいんだけど」


「す、すいません!教えてください!」


私はぺこりと頭を下げる。


「仕方ねぇなー。んじゃ、教えてやるよ」


滝沢サンはそう言って笑った。


ドキッと胸が高く鳴る。


滝沢サンとお付き合いしてから2週間程がたつのに、まだこの笑顔になれることはできない。


「それじゃ今回はどこで勉強するんですか??」


「中間のときのとこでいいだろ」


そういうことで、私達はまた駅前のフレンドリーで勉強することにした。




そしてその日の放課後。


「満…席、ですか」


私達はフレンドリーの前でぼうぜんと立ち尽くしていた。


どうやら何かの団体さんがきているらしい。


もし席が開いたとしてもとても勉強できる状態じゃなかった。


「…どうします??」


今日は止めにしてまた別の日にあらためてした方がいいのでしょうか…??


滝沢サンは少し首をかしげた。


そしてふと思い当ったような顔をする。


「そうだ、オレんち来る??」


「え??」


滝沢サンの…家ですか??


「で、でもご両親の方がいるんじゃ…」


「大丈夫だよ。うちの母親、そういうの全然気にしないから」


滝沢サンのお母様は気にしないかもしれませんが…


私が気にしますよ…


だって…


「でも…やっぱり若い男女が一つの部屋の中で2人きりというのは…」


滝沢サンの顔が赤く染まる。


「な、何もしねぇよ!!だいたい親もいることはいるんだからな!?」


「そ、そうですよね!!それじゃそうしましょう!!」


そうして私達はとりあえず滝沢サンのお家に行くことにした。




滝沢サンのお家は私が降りる駅の一つ向こう側の駅のすぐそばだった。


「んじゃ、一応オレ母親に一言言ってくるから」


「は、はい…」


そう言って滝沢サンは先に入って行ってしまった。


心臓がドキドキしてくる。


私…緊張してます。


だって男の子の家に入るのは初めてですから…


しかもそれが好きな人の家だなんて…


…とりあえず滝沢サンのお母様に気にいってもらえるようにがんばりますっ!


「望月、入っていいぞ」


「は、はい!」


滝沢サンに呼ばれて、私は滝沢サンの家に足を踏み入れた。


「お邪魔…します」


一言そう言って玄関にあがる。


すると奥から誰かがでてきた。


「まぁ!すごく可愛い子じゃない!」


その人は私をまじまじと見ながらそう言う。


滝沢サンの…お母様ですよね…??


私はじっとその人を見て見た。


すごく…きれい…


垂れ目で優しそうな目。


筋の通った鼻に小さな口。


美人というより可愛らしい、優しそうな人。


「あ、あの…はじめまして。望月詩織といいます」


私はとりあえずぺこりとお辞儀した。


滝沢サンのお母様は私を見てにっこりと笑う。


「あら、しかも礼儀正しいのね!響、いい彼女じゃない!」


「…望月、オレの部屋上だから」


滝沢サンはお母様を無視して階段を指差す。


お母様は怒ったように腕を組んだ。


「もー、本当に愛想がないんだから!詩織ちゃん、こんな子だけどよろしくね?」


「は、はい…」


私は苦笑いしてお母様に小さく頭を下げる。


そして滝沢サンについて二階へあがった。


「入って」


滝沢サンに言われて私は滝沢サンの部屋のドアをくぐる。


私は普通男の子の部屋はすごく汚いのを想像していたんですけど…


滝沢サンの部屋はとてもきれいに片付いていた。


「わぁ…きれいですね」


思わずそうつぶやく。


「そうか?あっ、適当に座ってていいから」


滝沢サンはそう言って自分の机をさぐりだした。


えっと…


そう言われましても…


どこに座ればいいんでしょうか…??


部屋の中を見回してみると端にベッドがあった。


とりあえずそこに腰をおろす。


それにしても毛布までピシッとのばされていますねー…


滝沢サンはA型なんでしょうか??


私はぼんやりとそんなことを考えていた。


「望月!」


ふいに名前を呼ばれて私は我に帰った。


「は…」


返事をしようとして、思わず息をのむ。


「何ぼーっとしてんだよ」


滝沢サンの顔が目の前にあった。


「た、滝沢サ…!!」


驚いた拍子に体が後ろにのけぞる。


私は思わず滝沢サンの腕を掴んだ。


そしてそのまま背中からベッドに倒れこむ。


痛…


くないですね。


ベッドに座ってて良かったです…


「す、すいません。滝…」


驚きで思わず言葉をのみこむ。


顔が熱くなった。


「へ……??」


滝沢サンの顔がすぐ鼻の先にある。


滝沢サンの目が見開かれ、黒い瞳に私が映る。


滝沢サンの息がかかる。


心臓がドキドキと早鐘のように鳴り響く。


「な……」


滝沢サンの顔がみるみると赤く染まっていく。


そして慌てて私から離れた。


「………」


「………」


沈黙が私達を包む。


心臓がまだドキドキと鳴っていた。


び…


びっくりしました…


滝沢サンの顔があんなすぐ近くに…


顔の熱がなかなか引かない。


沈黙がやけに気まずかった。


「あ、あの…すいません…」


私が小さな声でそれを破ると、滝沢サンはちらっと私の方を見てすぐに視線をそらした。


「別に…それより、準備できたぞ」


へ…??


準備、ですか…??


一瞬頭を悩ませてはっと気がつく。


そ、そうでした。


勉強するつもりだったんですよね…!!


「は、はい!」


私は慌てて返事をした。


滝沢サンにうながされて滝沢サンの勉強机に座る。


私は鞄からシャーペンとノートと教科書を出した。


「んじゃ、一応テスト範囲確認するけど…」


私のすぐそばに滝沢サンがいる。


さっきのこともあってか、それだけで私の心臓はドキドキと鳴り響いていた。


滝沢サンは教科書を指差していろいろと説明してくれているのに、緊張しすぎて全く頭に入らない。


…全然勉強になりません。


滝沢サンはどうしてそんなに淡々と話せるんでしょうか…??


そう思ってちらりと滝沢サンの方を見てみると滝沢サンの頬も赤く染まっていた。


それを見て、なぜか少し安心する。


滝沢サンの心臓も私と同じようになり響いているんでしょうか??


私のように緊張しているんでしょうか??


…それでも、滝沢サンは私に勉強を教えてくれているんですよね。


それなのに私ったら全然集中できていなくて…


…よし!


私も頑張って勉強に集中します!


勉強のことだけを考えていたらこんなにも緊張しませんよね…??


そう思い、集中して滝沢サンの説明に耳を傾ける。


だけど、滝沢サンの声を聞くだけですぐに集中が途切れてしまう。


結局その日は全く教えられたことが頭に残らず終わってしまった。


うちに帰って、滝沢サンに教えてもらったところを復習してみる。


だけど思い出すのは低い、魅力的な声だけ。


私は勉強するのをあきらめてベッドに倒れこんだ。


…魅力的、ですか。


目を閉じると、ほんのすぐ近くで見た滝沢サンの顔が浮かんだ。


心臓の鼓動が速くなり、顔が熱くなる。


…私にとっては滝沢サンの何もかもが魅力的です。


滝沢サンの短い黒髪も、


滝沢サンのきっとした目も、真っ黒な瞳も、


滝沢サンの低い声も、仕草も、行動も、


癖も、話し方も、私に向けてくれる優しい表情も、すごくきれいな笑顔も、


全部全部、魅力的なんです…


そんな滝沢サンが私なんかを好きと言ってくれて、私のために時間をさいて勉強を教えてくださった。


それなのに…


私は何をしているんでしょうか…??


私はベッドから飛び起きた。


そして机に向かう。


…やっぱり、私は自分の力で勉強します!


滝沢サンに教えてもらってたら迷惑ですし、何より余計に集中できません!




私はそれから滝沢サンの力を借りずに勉強してみた。


滝沢サンには絶対に赤点をとると言われましたけど…


私だってやればできますし、何より滝沢サンに教えてもらってた方が赤点をとってしまいます。


私はもう、受験に望むような感じで勉強しました。


もちろん夜は一日おきで徹夜です!!


そしてその結果は…


「平均…75です!」


学年平均が62。


ものすごくいい点数です!


「おまえ…カンニングしたのか…??」


私が自信満々で点数を言うと、滝沢サンは怪訝な顔でそう言った。


な、なんですか!?


その反応は!?


「そんなことするわけないでしょう!?実力です!実力!!」


私がむきになってそう言うと滝沢サンはくっくっと笑った。


「分かってるって。頑張ったな」


最後の一言で、苛立ちが冷水をあびたかのように静まる。


…滝沢サンはずるいです。


優しいこといったらなんでも許されると思ってたら大間違いですよ??


だけど、私はふと思った。


滝沢サン…


少し明るくなった気がします。


入学当初は人を寄せ付けないようなオーラをだしてたのに…


今はからかったりもしてくれるし、よく笑ってくれる。


すごい自惚れかもしれませんが…


それが、私の影響だとしたら…


そう思うと、自然に笑顔になった。

更新遅くなってすいません<m(__)m>

しかもすごく適当な話です;

魅力的って使いたかっただけなんですよねー(-_-;)

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