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純情恋模様  作者: karinko
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★1話 入学式★響side

オレは滝沢響。


今日からこの学校に入学することになった。


ここはこのへんじゃぁ一番有名な高校らしいんだが…


オレはこの学校でなんとトップ合格だったようだ。


…いや、自慢じゃないけど。


まぁそういうことでなぜかオレが新入生代表で挨拶することになったんだが…


…正直、気がのらない。


オレはあまりしゃべるのが好きな方ではないし、大勢の前で話すなんてできるわけがない。


だが、何度断ってもオレが話さなければいけないらしい。


なんでもトップ合格者が代表となるのがこの学校の伝統だからだそうだ。


というわけでオレはなんとも気がのらないまま入学式の会場である体育館に足を運んだ。


オレのクラスは1-Dらしい。


ざっとまわりの人間を見回してみる。


…まぁ普通のやつらばかりだな。


ここで変に不良っぽいやつがいても困る。


なぜかオレはそういうやつに絡まれることが多いのだ。


別にオレは気にさわることやってるつもりはないが…


「それでは新入生代表からの挨拶です」


ぼーっとしている間に、いつの間にか式は進行していた。


もうオレの出番かよ!?


どうするか…


なーんも言うこと考えてねぇぞ…


「新入生代表、滝沢響くん」


教頭がオレの名前を呼ぶ。


オレは慌てて立ち上がり壇上に上がった。


体育館中の視線がオレに集まる。


…やべぇ。


何言ったらいいんだ??


…とりあえず、


「…よろしく」


オレは一言そう言った。


空気がこおる。


…………


…ダメだ。


もうこれ以上言うこともみつからねぇし、これ以上ここにいたくない。


さっさとこの場から逃げよう。


オレはすばやく壇上を降りて自分の席に戻った。


隣のやつがひそひそと話ながらオレを見る。


…オレだって言いたくて言ったわけじゃねぇんだ。


文句あんならお前らが言えよな…??


「静かに!…えっと、し、新入生代表からのあいさつでした」


教頭がなんとか式を続行させる。


新入生達も少し静けさを取り戻す。


…なんだよ?これ。


なんかオレが悪いみたいになってるじゃねぇか…


…まぁ悪いのはオレじゃねぇけどな。


悪いのはあれだ。


オレに無理やり言わせた校長だ。


だからオレは関係ないんだ…


…………


オレは大きなため息をついた。





式が終わり、教室へと入る。


緊張しているせいか教室の中は静まりかえっていてオレもぼんやりと黒板を見ていた。


…何か、視線を感じる。


誰かがさっきのオレのうわさでもしているのだろうか。


こっちだって頑張ったのだからそんなに掘り返さないで欲しい。


別に挨拶なんてどうだっていいじゃないか。


…すっげぇ視線感じるぞ?


どんだけ見てんだよ…??


なんか隣から感じる気がすんだけど…


オレは隣を見た。


隣は髪を耳の上で二つに縛ってる女子だ。


やっぱりじーっとオレを見ている。


「…何??」


そいつはびくっと体を震わせ、急に目に涙をためた。


は?なんだよこいつ。


なんで急に涙目になってんの??


「い、いえ。…な、なんでもありません」


そいつは涙声で一言そう言った。


「…そう」


なら見んなよな。


それにしてもオレ見て涙目になられても…


なんか罪悪感感じる…


オレはそいつから視線をはずし、また前を見た。


オレ、そんなに泣きたくなるほど怖い顔してるか??


まぁなぜか普通のやつはあんまりよってこないけど…


でもオレ見て涙目になられるとちょっと傷つくじゃねぇか…


はぁ…と軽いため息をつく。


まぁ、中学んときもずっと1人だったんだ。


高校でもどーせ同じだよな。


多分オレの高校生活はまた、ずっと1人なんだろうな。


そう思って、またため息をついた。

この人、自分目つき悪いって気づいてません。

どうでもいいことですが、詩織sideより響sideの方が書きやすいです(;一_一)

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