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純情恋模様  作者: karinko
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☆7話 笑顔☆詩織side

「そういえば、滝沢クンって全然笑わないよね」


合宿の係や予定を決めた後の休み時間、楓ちゃんがふとそう言った。


「えっ、そうですか…??」


最近、ほんのたまになら笑ってくださいますけど…


「そうだよね。いつも仏頂面でさ、せっかくすごいかっこいいのにもったいないよ」


「せっかく合宿で同じ班になったんだから、せめて合宿のときくらいは機嫌よくしてて欲しいよね」


「はぁ…」


…そんなに、滝沢サンっていつも仏頂面してますか…??


私はそうは思いませんけど…


私がうつむいていると優香ちゃんと楓ちゃんは慌てたように顔を見合わせた。


「い、いや、別に滝沢クンと一緒の班が嫌って言ってるんじゃないよ!?私らもあんなかっこいい人と同じ班になれるなんてむしろうれしいし!」


「そ、そうだよ!あ、別に狙ってるとかそういうわけでもないから!」


…お2人とも、何を慌てていられるのやら…


よくわかりませんが。


「分かってますよ。それに大丈夫です。滝沢サンはそんな人の楽しみを壊してしまうような人ではありませんから」


私は笑ってそう言った。


そして次の時間。


国語のノートをとりながらぼんやりと考える。


でも…


本当に滝沢サンって、ほんのたまにしか笑ってくださいませんよね…?


笑ったらあんなにきれいですのに…


私はほんのたまに見せてくれる滝沢サンの笑顔を頭にうかべてみた。


少し、顔が熱くなる。


…なんだか、また見たくなってきました…


私はちらりと隣の滝沢サンを盗み見た。


滝沢サンはあいかわらずの仏頂面。


…うーん。


優香ちゃんと楓ちゃんが言うことも、少しわかる気がします。


そういえば、滝沢サンってどんな時に笑ってくださるんでしたっけ…??


急に気になって、私はその時間中ずっとそのことを考えてきた。




「あの…滝沢サンってどんなときに笑うんですか??」


「はぁ??」


滝沢サンは思いきり怪訝な顔をした。


「なんだよ。急に」


「いや…ちょっと気になりましてですね…」


そのせいでさっきの授業はまったく集中できませんでしたよ…


「…そりゃぁ、笑うって言ったらおもしろいことがあったときだろ」


滝沢サンは以外と真剣に答えてくれた。


なるほど…


おもしろいことですか…


「…それじゃ私、今からおもしろいこと言います!」


私はコホンと軽く咳ばらいをした。


やっぱりおもしろいことの定番と言えばギャグですよね?


ギャグと言えばやっぱり…


「ふとんが…ふっとんだ!!」


さぁ、どうですか!


この私のスーパーギャグで笑ってください!!


だけど滝沢サンはまったく反応ナシ。


…あれ?


おかしいですねー…??


「…えっと、今のは冗談です」


私はまたコホンと咳ばらいをした。


えっと…


それでは…


これならどうですか!?


「猫が、寝ころんだ!」


…………


あれれ?


また、反応ナシです…


滝沢サンにはギャグが通じないんでしょうか??


「…あの、滝沢サンはギャグが分からないのですか??」


「少なくともおまえのは分からない」


えっ、私が言ったことの意味が分からなかったんですか?


「えっと、今のは『ねこ』と『ねこ』ろんだをかけててですね…」


「いや、そういう問題じゃなくて…」


そう言う問題じゃないってどういう問題ですか…??


…まぁ、いいです。


とりあえずギャグ作戦はあきらめます…


「…それじゃぁ、滝沢サンにとって私が今までしたことで何が一番おもしろかったですか??」


滝沢サンは少し考えるように黙り、ふと言った。


「…あの、おまえが一回派手にこけたときの。あれ、かなりおもしろかったぞ」


派手にこけた??


そんなことありましたっけ…??


記憶をたどってみる。


すると、たしかに思い当たることがあったような気がした。


…あっ、そ、そういえばそんなことありましたね…


あれはかなり恥ずかしかったです…


「そ、それが滝沢サンにとって一番おもしろかったんですか??」


「んー…まぁ、なぁ…」


そ、そうですか…


滝沢サンがそう言うなら…


仕方がありません。


「滝沢サン!見ていてください!」


今から、あのときのこけ方を表現して見せます!!


よーし!


行きますよー!!


私はその場であのこけ方を精一杯表現してみた。


さ、さぁ!


今度こそは笑ってくださいますよね!?


私は期待たっぷりに滝沢サンを見た。


そして息をのむ。


…本当に滝沢サンが笑ってくれている。


「おまえ…それ、わざとらしすぎだろ…」


私は返事もせず、ただ滝沢サンの笑顔に見とれていた。


本当に…


本当に、きれいな笑顔…


私はふとまわりを見てみた。


教室にいた女の子達、


いや、男の子まで、みんなが滝沢サンの笑顔を見ている気がした。


そして、それがたまらなく嫌だった。


「滝沢サン!ちょっときてください!」


「はっ?」


私は滝沢サンをひっぱって廊下に連れ出した。


「なんだよ?」


滝沢サンは怪訝な顔をする。


「ダメです…!」


「何が??」


…他の人は滝沢サンの笑顔を見ちゃいけないんです…!!


そう、言いたかった。


だけど、言えるわけ…ないです。


私は滝沢サンの、ただのお友達なんですから…


ただのお友達がこんなこと言ったらおかしいですから…


「…いえ、なんでもありません」


私はなんとか笑顔を作ってそう言った。


「ただ、教室って熱がこもってて暑いなぁーと思いまして…」


適当な理由をつくる。


「ああ…たしかにな」


滝沢サンは納得してくれたようなのでほっとした。


私の気持ち…


ばれてないですよね…??


私は滝沢サンの顔をうかがってみた。


いつもと同じ表情。


私に向けてくれる、ほんの少し優しい表情。


この表情も…


きれいな笑顔も…


誰にも見せたくない。


滝沢サンを私1人だけのものにしてしまいたい。


そう思ってしまう私はすごく悪い人間ですよね…??


それでも…


そんな思いがあふれだして止まらない…


こんな汚い私、


絶対に滝沢サンに知られたくありません…

おもしろ&ほのぼのに見せかけて実はシリアスに…!!

…すいません。

詩織がかなり独占欲が強い人になってしまいました…

しかもおとなしい性格のはずが結構積極的ですよね…

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