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第二部「破滅を照らす者:魂を映す鏡」その3

目次


第6章「不殺の彗星」

第7章「イカサマ」

第8章「戦闘終了!」

あとがき


第6章「不殺の彗星」


「今の音…ジョゼフィーヌさん達がいた場所から聞こえませんでしたか!?」

し…しかも…銃声だよね!?

「あぁ…そうだな…」

「何かあったんですかね…」

「まぁ、このマヌケ野郎の通信相手でもぶち抜いたんだろ。確かコイツが『お前も見張ってろ』ってたからな…んな事より構えろ…何人か来るぜ!」

「えっ!なんで分かるんですか!?」

「勘だよ、死にたくねぇならとっとと構えろ!」

「ハイッ!こ…来い!」

【彼は動揺しながらも手を前に出し、『彗星(Comet)』を取り出した。】

な…何がどうなってるんですかぁー!?

星次さんは急に人を殴り倒して凡人に理解できない名推理してるし!

ジョゼフィーヌさんは誰か撃ったみたいだし!

…ってか撃ったってことは殺ったって事じゃないよね!?

「囲まれたら面倒だ、あいつらのところに行くぞ!着いて来い!」

「はい!」

【星次は彼にそう告げるとジャケットのフードを被って走り出した。その時、フードの内側が淡く緑色に光った様に見えた。】

あれ…?

何でフード被ったんだろ?

しかもあの光って…

「チッ…あの坂は走って登るには角度がきついな…」

「ど…どうするんですか?少しまわり道でも…」

「そうだな。そういや、足はどうなんだ?」

「少し痛いんですけど何とか走れます!」

いや、本当はめちゃくちゃ痛いんですけどね?

でも走れない訳じゃないし…1人で取り残されるのだけは嫌だし気合で走るしかないし!

「そうか。それじゃあ…」

【星次が何か言いかけたとき、ナイフを持った教団員とハンドガンを持った教団員が左右の茂みから飛び出し、彼を取り抑えようとした。】

「えっ?」

「マジか…!!」

どうしようどうしようどうしようどうしよう!

考えろ!考えろ!!

あの2人は俺のことは後回しにしようとしてる。

多分、星次さんがあの人を殴ったのを見てたから先に星次さんを倒そうとしてるんだ!

どっちから止めればいい!?

いや…片方は止められてももう1人は!?

……そうだ!!

「行け!」

【彼はそう言うと同時に、手に持っていた『彗星(Comet)』を星次の頭上へと投げた。】

「星次さん!目を!!」

【彼は言われた意味を悟ったのか、片手でフードをしっかり掴みながらその場でしゃがんだ。その時、彼の頭上を通り過ぎると思われていた『彗星(Comet)』が空中で急停止すると、垂直に急降下を始めた。】

「はっ?」

「何だッ!?」

【教団員が『彗星(Comet)』に注目していると、『彗星(Comet)』は彼らの目と同じ高さの位置まで降下した瞬間にその場で停止した。】

「『星影(Starlight)』!」

【流輝がそう叫ぶと、『彗星(Comet)』から白い閃光が放たれた。】

「うおあっ!?」

「クソっ!」

「や…やった!」

上手くいった!!

これで2人とも止められたぞ!

とりあえず…帰ってこい!『彗星(Comet)』!!

【彼がそう『彗星(Comet)』に命令していると星次が勢いよく立ち上がり、ハンドガンを持った教団員の方へと距離を詰めた。】

「ぶっ飛べ!」

【彼は大声を出しながら教団員の顎を下から上へと殴りつけ、全力のアッパーカットを命中させた。】

「グゴッ…」

【教団員は小さなうめき声を出しながら頭を大きく後ろへ仰け反らせ、そのまま気絶して倒れた。】

「うわぁっ…」

痛ったそう…!

「よし…これでハンドガンは俺の物だな。」

【星次はそう言いながら地面に落ちたハンドガンを手に取った。】


第7章「イカサマ」


「さて…お前の仲間にはコレを譲ってもらった上にお昼寝してもらった訳だが…あんたはどうする?あんたがそれを捨てて大人しくしてくれんなら命は取らねぇが…俺達とまだやり合うってんなら。」

【彼はそこで言葉をきると、ハンドガンのトリガーを引き、ナイフを持った教団員の足元を撃った。】

「あんたにはここで…ずっと『お昼寝』してもらうことになるが…どうする?」

おぉ…怖っ!?

俺なら速攻で土下座して切腹するよ!?

「あぁ…分かった。命は助けてくれるんだろ?」

「二言はねぇ。さっさとそれを捨てろ。」

「OKだ…捨てるよ…!!」

【教団員はナイフを捨てるふりをして、星次の胴体をめがけてナイフを投げた。】

「星次さん!」

ダメだ!避けられない!

彗星(Comet)』でナイフを弾くのは…時間が足りない!

「星次さん!!」

「ハッ!馬鹿が!!死ぬのはてめぇだよ!!!」

【投げられたナイフは空を切る音を立てながら真っ直ぐと星次の元へと向かっていき、彼の服を貫いた。】

「嘘…だ…」

「よし…後はお前だけ…」

「『後はお前だけ』?」

「へ?」

「はァ!?」

「馬鹿はてめぇだよ!」

【星次はそういうとハンドガンを教団員に投げつけ、教団員が怯んでいる隙にナイフの持ち手で側頭部を殴りつけた。すると教団員は声を出すことも無くその場に倒れた。】

「はっ…情けねぇ奴らだな。」

「せ…せせせ…星次さん!?な…なななな…」

「落ち着け!俺は幽霊でもソンビでもねぇよ!」

「何で無傷なんですか!?」

「コレだよ。」

【彼はそう言うと、ジャケットの内側や肌着の内側をまくって見せた。】

「…ん?…コレって……なるほど!!」

服の内側に星次さんの『|天国と地獄《Eden&Hell》』がびっしり!

「俺のカードを内側に貼り付けておいたんだよ。ただのナイフが『祝福』に…『魔道具』に勝てるわけねぇだろ?まぁ、最大で54枚しか出せねぇがそんだけ守れれば十分だろ。」

「天才すぎません…?あっ…もしかしてフードの内側も?」

「ご名答だ。」

だからあの時にちょっとだけ光ったんだ!

「にしても…お前、やっぱりピンチになると強いタイプじゃねぇか?あの時は助かったぜ。」

「えっ!?いやいや…皆さんに比べたらまだまだですって…でも役に立てて良かったです…!」

「さて…こっからどうするか…」

【彼らが考えていると、坂の上から『死神の薔薇《Reaper Rose》』を持ったジョゼフィーヌと『先立つ者《Predecessor》』を持った春喜が2人に声をかけた。】

「流輝さん!星次さん!ご無事ですか!!」

「大丈夫っすか。」

「あの声は…ジョゼフィーヌさ〜ん!春喜さ〜ん!」

「あいつらも大丈夫そうだな。まぁ、アイツがいるんだから当たり前か…」

「今そちらに向かいますね!行きましょう、春喜さん!」

「OKっす。」


第8章「戦闘終了!」


「お二人がご無事で良かったです!」

「そっちもな。」

「ところで流輝さん!足の調子はどうですか?」

「実は…まだ痛くって…」

「なるほど…少し足を診せてもらってもよろしいでしょうか?」

「えっ?あっ…はい…お願いします!」

「では、1度そこに座って頂いて…それでは失礼しますね…」

…足首が腫れ上がり炎症を起こしている!

これは明らかに重度の捻挫だ。

いや…レントゲンを撮らなければ断言は出来ないが軽傷ではないだろう。

この状態では歩く度に激痛が走っていたはずだ…

「ど…どうなってますか?」

「あまり良いとは…いえ、重症です。本来ならばアイスパックや包帯などで応急処置をし、病院に行かなければ行けないレベルのものですね…」

「えっ!?どうしよう…ってか急に足が痛くなってきたァ!?」

「恐らく…戦闘時のアドレナリンが切れたことや、患部の具合を直視してしまったからかと…」

「ここには氷なんてねぇし病院もねぇぞ?」

「…私にお任せ下さい!」

「えっ!?治せるんですか?」

「はい!試してはいないのではっきりとは言えませんが…少なくとも痛みは治まるかと思います!」

「よ…良かった!ぜひお願いします!」

「わかりました!では…『深淵の夜《Night of the Abyss》』!」

【彼女がそう言いながら『死神の薔薇《Reaper Rose》』を回転させると、『死神の薔薇《Reaper Rose》』が青色の光と黒煙となって散った。すると銀色の光と黒煙が現れ、狙撃銃の形へと変形し『深淵の夜《Night of the Abyss》』になった。】

「えっ?何でそれを…?」

「『深淵の夜《Night of the Abyss》』の魔弾を使います!」

「確か怪我治せる弾があったよな?」

「はい!」

「良かったっすね。」

「い…いや!良くないですよ!!怖いですって!」

「確かに怖いかもしれませんが…今ここで治療しなければ、足が動かなくなるかもしれませんよ?ただの捻挫だと思って放置していると、それが骨折だったり、神経を痛めている場合があります。それに…今は時間がありませんし…」

「く…ひ…一思いに…!」

「いや死ぬわけじゃねぇだろ…」

「では足を動かさないでくださいね?」

「はい!」

「では…『血の施し(Blood Alms)』!」

【彼女が魔弾の名を呼ぶと、手の平から赤い血が溢れ出した。するとその血が1つの塊となり、弾丸を形作った。】


挿絵(By みてみん)


「うっ…」

確かこの魔弾の代償は生命力だったはずだ…

生命力を消費した為に急激に疲労感と目眩が…?

「どうした?」

「いえ、何でもありませんよ!ではいきますね…」

この魔弾を装填して…

「3…2…1…!」

【カウントが終わると同時に引き金を引くと、小さなポンッという音と共に『血の施し(Blood Alms)』が発射された。『血の施し(Blood Alms)』が流輝の足首に命中すると、カラーボールのように『血の施し(Blood Alms)』が破裂して血に変化した。】

「うわっ!?」

【皆が見守っていると彼の足に付着したその血は、彼の足に完全に浸透して消えていった。すると、徐々に彼の足首の腫れと炎症が治まっていった。】

「す…凄い!完全に元通りです!!」

「は…?もう治ったのか?」

「はい!むしろいつもより調子が良い感じがします!」

「……すげぇな。」

「便利っすね。」

「流輝さんの怪我が治って良かったです!」

「ところで、そっちは何があったんだ?」

「まず、星次さん達が敵兵の無力化に成功したのを確認した際に、森の奥の方から狙撃手がお二人を狙っていたのでそちらを阻止しました。殺害はしていませんので安心して下さいね!」

「星次さんの予想通りだ…」

「敵兵の注目を集めプレッシャーをかける為にサプレッサーを解除しましたが、思った通りになったのか敵兵が4人ほど現れました。」

「なるほどな…ってことは俺達の方に2人しか敵が来なかったのはあんたのお陰か。」

「いえ!春喜さんも良く頑張ってくれていましたし、流輝さんと星次さんも良く耐えていたかと思います!これは私達ひとりひとりの働きによる勝利です!」

「まぁ…そうだな。で…その4人だが…」

「もちろん気絶して頂きました!ちなみに狙撃手も回収済みです!」

「ジョゼさんはやっぱ強かったっすね。」

「あんたが仲間で良かったよ…こっちも全員気絶させてる。起きる前に1箇所にまとめて…色んなことを聞かせてもらおうぜ。」

「はい!そうしましょう!」


あとがき


ここまで読んで頂きありがとうございました!


個人的には星次のカードの使い方と流輝のダガーの使い方をいい感じに考えられていたかなと思っていますがどうでしたか?


コメント・感想もお待ちしております!


それでは次回もお楽しみに!

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