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男とS
家に帰った俺はSを座らせて茶を沸かした。
もう3時だ。
いろいろありすぎて頭の整理が追い付かない。
あのお化け(人間)は誰だったんだ?何をしていた?あの杖はなんだ?Tはどこへいった?あいつは無事なのか?
クソッ俺はこれからどうすりゃいいんだ。
頭を抱えているとSが口を開いた。
「すみません。」
謝るな。今はとにかく情報が欲しい。
目に光が戻ってきている。やっと正気に戻り始めたか。
「私がちゃんとしないばっかりに…」
「もういい。それよりもTがあの杖に吸い込まれた。あれはいったいなんなんだ?」
「ごめんなさい…」
涙目になっている。こいつも頭の整理が追い付いていないんだろう。
「S、今日はもう休め。明日ゆっくり聞くから」
ベッドにSを寝かした後俺は床に寝転んだ。
いったいどうなってやがる。昨日まで平和な日常を謳歌していたってのに…
Tよ、あいつは無事なんだろうな…
そして俺もいつのまにか寝ていた。