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バグ取り日和(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
6/25

6.

「あの堅物が出てくるときは、いっつもみんなが言うの。『また、ごり押しの仕様変更かよ』って」


「あの部長が仕様の決定権を握っていらっしゃるのですか?」


「ううん。あれはね、あっちの魔除けなの」


「魔除け?」


「どんな反論でも言おうものなら、『おたくらは、やる気あるのか!?』の一言で黙らせるのよ。恫喝部長とも異名があるの」


「ホントですか?」


「あー、今度、マリアちゃんに出席してもらって、『うちはもう、仕様変更は無理ですぅ!』って身もだえして反論してもらいたいわ」


「いやです」


「あの堅物部長、鼻の下をながーく伸ばして『かーわいー、許しちゃおっかなぁ。よっしゃー、ええでー』って――」


「なりません」


「あら、そう? マリアちゃん、魔除け対策に適任だと思うけど」


「私はお札ではありません」


「あらまあ」


「先輩。プログラム開発って、こうやって進めるのですか?」


「こうとは?」


「会議室で決まるというか――」


「恫喝外交で決まるとか? ……そうねぇ。そういう側面はゼロじゃないわよ」


「それって、おかしくないですか?」


「完璧な仕様が存在して、それに従って開発するのが正しいって?」


「ええ」


「そんな理想的な仕様なんかないわよ。仕様はお金を持っている人が決めるから、最後は力関係で決まるの。残念だけどね」

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