表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグ取り日和(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
24/25

24.

 カンナの指示で、完全に作業が分業化した。


 机上でバグを見つけるのに専念するマリア中心のチーム、試験を実行してOK/NGを判定するチーム。そして、設計書とプログラムと試験項目の修正はカンナ一人。


 抜けていた設計書の異常系の記述は、全てカンナが行った。それに従って、新しくプログラムを組むのもカンナ一人だ。


 分業された作業の担当決めは、おそらくBの情報を元に行ったものだろうが、得意分野が配慮されていて誰もが納得いくものだった。最初から「ハズレを引いた」と嘆く者はおらず、カンナへ少しずつ信頼を寄せた。



 こうして、カンナ丸は魔物が潜むプログラム開発の大海原へ出港した。



 仕上がった設計書が社員に回覧レビューのために共有されると、誰もが増えた分量とそれを書く速さに驚愕した。


 異常処理はこう書けというお手本のようなもので、おかしなところが見つからない。レビュー記録表での指摘は、若干のタイプミス程度だった。


 その設計書の顧客承認は別のメンバーが行ったが、顧客からは今更こんなに処理抜けが見つかって何をやっていたんだと大いに呆れられ皮肉られた。


 仕上がるプログラムのコードもほぼ完璧。


 読みやすく、適度なコメントが入り、拡張性まで考えられていて「増設されたらこの箇所のこの変数の値を変えること」まで書かれている。


 さすがにいくつかタイプミスと思われる箇所がマリアたちによって発見されたが、「やはりカンナさんは人間なんだ」と彼女たちはホッとした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ