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2.5-2:メイド三番勝負、一番目が始まった件について

教授コメント

『私の知るメイドもメイド服は戦闘服だと言ってましたね』


 そんなわけで、セバスちゃんさん主催のメイド三番勝負が始まろうとしていた。

 僕が寝ている客室で。


「キッチンとか、ダイニングとかでやるもんじゃないんですか?」

「メイドとは主人に仕える者。主人が不在の場所で勝負をしたところでそこに意味はないのです」


 セバスちゃんさんがそう言い放つ。

 うーん、正論なのかな?

 そんな僕の前にはメイド服に着替えたアルメルとナディアが立っていた。


「どうかしら」

「似合ってる?」

「うん。二人とも可愛いよ」

「えへへ、そうかしら」

「嬉しい」


 二人が着るのはスタンダードなロングスカートのメイド服。

 やっぱりこれが一番メイドらしくて可愛いよね。

 ミニスカートとか、和メイド服とか、色々バリエーションが増えてきた昨今だけど、この正統派の清楚さには敵わないと、個人的には思うのです。


「メイドの戦闘服に換装を終えましたね」

「戦闘服なんだ」


 何と戦うんだろう。


「一番目の勝負は技術。メイドに必要な技術とはズバリ、いかにして主人のハートを鷲掴みにできるかという、仕草をあざと可愛くする技術なのです」

「絶対違うでしょ!」


 一番目から明後日の方向に行っちゃってるよ。


「なるほど、ハートを鷲掴みね」

「あざと可愛く……確かに」

「なんで納得しちゃうかな」


 アルメルとナディアはどういうわけか乗り気だ。

 え、こんなに頭の弱い子たちだったっけ?


「それで、どうやって勝負するのよ」

「メイドの技術とは普段の給仕の中に見え隠れするものです。なので、わたくしがお題を出すので、その中であざと可愛い仕草を実演してもらって、わたくしとセカイさんが点数を付けます」

「え、僕も?」

「その点数が高い方が勝ちというわけです」

「分かったわ。ナディア、負けないわよ」

「勝つのは、私」


 アルメルとナディアの視線がぶつかり合う。

 今にも火花が散りそうな緊迫感を僕はもはやどうにでもなれという風に諦観していた。


「それでは、お題を出します。お題はずばり、着替えです」

「メイド関係ないよね⁉」

「そんなことはありません。メイド足るもの、メイド服に着られているようでは務まりません。如何にメイド服を着るか、そこにメイドの神髄が詰まっていると言っても過言ではないのです」

「でも、普段の給仕じゃないよね?」

「人の足元ばかり見ていては小銭しか拾えませんよ?」


 セバスちゃんさんは言葉遊びが好きだね。


「メイド服に着られてる……確かにそうかもしれないわ」

「納得しちゃうんだ」

「だって、これセバスちゃんに着せてもらったんだもの」

「私も、一人で着れるかは、分からない」

「あ、そうなんだ」


 うーん、背中のファスナーとかが難しいのかな?

 それか、エプロンの付け方とか?

 確かにアルメルもナディアも袖を通すだけでいい服しか着てないもんね。


「それでは、アルメルさんから始めてもらいましょう」

「わ、分かったわ」


 そう言ってアルメルが服に手を掛ける。

 ん、このままだと僕は二人の着替えを見ることになるってこと?


「あ、ちょっと待って、ストップ」

「ノンストップです」

「いや、止まってよ!」


 セバスちゃんさんは心底嫌そうな顔でこちらを見る。


「なんですか」

「いや、やっぱりおかしいよね。僕が二人の着替えを見て点数を付けるなんて」

「おかしいかどうかはセカイさんが決めることではないですよ?」

「点数は付けるのにそこは決めさせてくれないんだ」


 それならと僕は張本人である二人に尋ねる。


「僕に着替えを見られるなんて、二人ともいやでしょ?」

「嫌じゃ……ないわよ」

「むしろ見て」

「ほら見なさい」

「あれ、僕が間違ってるのかな?」


 なんかもうどうだっていい気がしてきた。

 そうだね。

 本人が良いって言ってるんだから、僕も思う存分見ればいいよね。


「よし分かった。もうどうにでもなれ」

「はい。了解も得たので始めてください」

「は、はい」


 そう言ってアルメルは腰のリボンに手を掛ける。

 そうしてエプロンを解いて脱ぐと、丁寧に畳んで机の上に置く。


「脱いだ服を丁寧に扱うのは高ポイント」

「そうですね」


 あざといかと言うと違うと思うけど、好印象ではあるよね。

 そうして次はワンピースを脱ごうと背中のファスナーに手を掛けようとする。

 が、しかし、アルメル、背中に回した手がファスナーに届かない。


「ん、んんー」


 何とか届かせようと手を伸ばすとはずみで身体が廻り始める。

 猫が自分の尻尾を追い回すようにアルメルはその場でクルクルと回る。


「むー」


 可愛らしい唸り声と共にクルクル回り続けるアルメル。

 これは、あざとい!


「いいですね、これは高あざとポイント」

「唸り声がまたいい味出してるね」


 そのうちアルメルは目を回したようでその場に座り込んだ。

 ロングスカートが捲れて素足が少し見えてる辺りが凄く魅力的だね。


「にゃあぁぁ……」

「ああっと、これはあざと可愛い」

「まさか猫の鳴きまねをするなんて、グッドだね!」


 いやー、脱いでないのにこんなに可愛いなんてずるいね。


「ここで終了のゴングが鳴ります」

「なってないね」

「セカイさんの頭を鳴らしてもいいんですよ?」

「このメイド怖い!」

「それでは、点数出ます」


 そう言えば、点数出すんだったね。


「それでは、オープン」

『セバスちゃん:7点。セカイ:8点』

「合計点数15点。これは高得点ですね」

「そうだね」

「やったわ!」

「くう」


 アルメルは嬉しそうにガッツポーズをし、ナディアは悔しそうに声を漏らした。


「総評はどうです」

「やっぱり、最後の目を回したところかな。素足が見えたのが僕的にはよかったね」

「脚フェチですか」

「否定はしないよ」

「脚……」


 ナディアは何やら思案顔でそう呟く。


「なるほど。では、ナディアさんの番です。準備はどうですか」

「準備、できてる」


 意気込むようにナディアは頷く。

 おお、何故か気合十分だ。


「では、どうぞ」

「行きます」


 そう言うと、ナディアはおもむろにスカートをたくし上げ素足をさらけ出す。


「おおっと、これはセカイさんの脚フェチ発言に対応してきた感じですね」

「いやー、これは魅力的だね。でも、着替えに関係ないから加点になるかはちょっと……」


 しかし、ナディアはそのままスカートの中に手を入れ、するすると何かを足元へと下ろしていく。

 ん、あれは……?


「脱いだ」

「ああっと、脱いでいたのは下着でした」

「アウトっ!」

「そうですね、これには思わずホイッスルが鳴ります」


 強制的に終了され、ナディアは不服そうな顔をする。


「駄目だった?」

「駄目だね。メイド関係ないもんね」

「でも、興奮した?」

「興奮はした」

「なら、よかった」


 ナディアは満足げな顔をする。

 そして、何故かアルメルは悔しそうにするのだった。

 ちなみに、ナディアは審議拒否で点数なし。


「メイド三番勝負、一番目、勝者はアルメル」

「やったわ!」

「むう」


 そうして、着替え勝負はアルメルの勝利で幕が下りたのだった。


 え、これ後二回もするの?


エディルメモ

『マスターのフェチズムは貧乳、痩身、脚の三つです』


読んでいただきありがとうございました!

感想くれてもいいんですよ?|д゜)チラッ

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