2-26:俺たちの亜人調査は始まったばかりな件について
教授コメント
『打ち切りのような纏め方ですが、調査は続けてください』
身体が動くようになるまで数日かかった。
その間は、アルメルとナディアが甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれて、僕はなんて幸せ者なんだろうと噛み締める毎日でした。
まあ、なんだか二人が僕の世話をどっちがするかで揉めたりしてアルヴェルさん家のメイドさんに叱られたりしてたけど、僕的には悪い気がしなかったね。
後、今回のドラゴン討伐のお礼として、特別に教会の人がナディアの首輪を外してくれたんだよね。
アルヴェルさんに連れられて教会に行ったらめちゃくちゃ嫌そうな顔をされたけど、一先ず、ナディアの奴隷の件は解決したわけだ。
そうして、旅立つ準備が整った僕らは火山で助けた、ドラゴニュートの少女、フレデリクの少女と共にドラゴンの住まう地、アルベスの山を目指すことになったのである。
「英雄の凱旋は……ないみたいだね」
みんなと共にアルヴェルさんの屋敷から出るも、町は僕らを見向きもせず、何食わぬ顔で日常を送っていた。
「いやあ、感謝はしているですがね、結局のところ、噴火はしたわけですから、町の皆としても祝うに祝えないわけですよ」
アルヴェルさんは申し訳なさそうな顔を……全くしてないね。
当然の結果だろうと、悪びれもせずに言ってるね。
別にいいけどね。
皆に褒めて欲しくてやったわけじゃないし。
「私が褒めてやろうか?」
「うん、気を遣わなくていいよ、エル」
「そうか」
エルは僕の頭に伸ばそうとした手を引っ込めた。
この歳で頭を撫でられるのはちょっと恥ずかしいかな。
「あ、なに? セカイ、頭を撫でて欲しいの? しょうがないわね。私が撫でてあげるわ!」
「いや、いいよ、アルメル。届かなさそうだし」
「じゃあ、私が」
「うん、届くだろうけど、遠慮しとくよ、ナディア」
「仲が良いことで」
じゃれ合う僕らをアルヴェルさんはどこか呆れ顔で眺めていた。
さっさと行けって顔だね。
町を救った英雄になんて仕打ちさ。
「じゃあ、行こうか」
そう皆に声をかけ、歩き出す。
人間の喧騒から遠ざかりつつ、僕らは北へと進んでいく。
世界に異世界特区を理解してもらうため、世界に亜人を認めてもらうため。
僕はこれからも、異世界亜人レポートを書き続ける。
「次はドラゴニュートかあ」
どんな文化が待っているのか、楽しみでもあり、怖くもある。
そんな、旅路を進んでいくのだった。
エディルメモ
『スキルInsensitive LvEXの発動を確認。警告。セカイの認識が変わり始めています』
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これにて第二節完結です。
第三節は少し時間を頂けると幸いです。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
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