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第298話 自称勇者現る

 あれから数日。

エルフ達によって懲らしめられた者がちょうど100人の日に、疲れた表情のダンダイルがやって来た。難民が集まる食事場ではなく、太郎の家の食堂の椅子に腰かけると、マナポーションをゴクゴクと飲んでいる。

一息ついたところでアツアツのコーヒーが用意された。


「お忙しそうですね?」

「ん。あぁ・・・太郎君の助けが無かったらもっと悲惨な事になっていたからな、助かる。」


 実際に太郎は収穫の手伝いをしただけで、植物の育成はマナやうどんともりそばの功績である。この村でも難民を無理やり受け入れてもらっているので、ダンダイルとしては太郎に申し訳が無さ過ぎる。


「一応、罪のない人達ばかりですからね・・・一部は違いますけど。」


 太郎の言う一部についてダンダイルは知っている。


「エルフへの偏見は簡単には消えないんでな。」

「適当に処理をして良いのでしたらキラービー達が欲しがっているんですよ。」

「アレは極刑に近い・・・が、処理は自由にしてかまわない。私が言う事ではないからな。」

「でしたら、オリビアさんに確認して、特に悪質なモノを数名送っておきます。」

「残りはこちらで連れて帰るとする。そのうちトヒラも来るはずだし、残った連中はトヒラに引き渡してくれ。」


 当り前だが、ココの住人にとってキラービーの方が犯罪者よりも価値が高く、特に苦しい思いをする事も無いから、雄殺しの異名も太郎達には怖くはない。だが、絞り取られた後は長生きしても一年程度で、無気力に近い状態になってしまう。

 人を殺す事に抵抗がある太郎でさえ、犯罪者には関心を無くす事ができる。強姦されて泣きながら訴えてこられたら、罪悪感よりも怒りが勝る。


「あーゆー人たちにとっては奴隷もエルフも同じなんでしょうね。」

「それは・・・私の耳も痛いぞ。」


 最近は太郎の家の食堂で仕事をする事の多いエカテリーナが、用意したコーヒーを苦そうに飲んでいるダンダイルを見て気持ちを落としているので、そこは太郎がちゃんと説明する。


「ところで、子供の方の受け入れも任せていいのかね?」

「孤児院はまだ余裕があるし、増設できるんで大丈夫ですけど、母子家庭は母親が夜は一緒に居たいと言う人が多くて。父子家庭の方は、なんか我慢してもらっている感じです。どちらにしても、ある程度の家を用意しないとならないんですけど。」

「それなら兵舎の一部を開放しよう。その方が親も安心するだろ。」

「片親家庭ですしね・・・。」

「遊ばれても困るだろうし簡単な仕事もこちらで用意する。」


 二人の会話を暇になったエカテリーナがボーっと見ている。見ているのだが、本人はボーっと見ていたのではなく、目をキラキラとさせていた。


「どしたん?」


 声を掛けられてハッとする。

 少し頬を赤くして応えた。


「太郎様とダンダイル様がお話しするとなんでも決まってしまうのが凄くて。」

「決まるっていうか、決めてるだけなんどね。」

「まぁ・・・なんというか、太郎君がそう決めたといってこちらが困る事が殆ど無いからな。」

「村の中の事なんで、ダメって言われても困りますし。」

「それはそうだ。」


 ダンダイルが苦みを感じつつ笑っていると、ダンダイルがいつもの所にいなくて捜し回っていた兵士が息を切らせて現れた。もちろん、ノックをしてから扉を開いている。


「太郎殿、失礼します。」

「あぁ、ダンダイルさんならここに居るよ。」

「捜させたか。もう準備が出来たのかね?」

「はい。護送準備も完了いたしましたので、出発の許可を頂きたく。」

「まだトヒラが来ていないが構わんだろう。私が伝えておく。」

「ありがとうございます。では、直ぐに発ちますので、失礼いたします。」


 ダンダイルと太郎に敬礼して兵士が去っていくと、扉が閉じられる前にトヒラが入ってきた。


「失礼します。」

「なんだ、お前が慌てて入って来るとは何か有ったのか?」

「はい、なにか、勇者らしい男が周辺をうろついていると報告がありまして。」

「勇者なんてどこにいても不思議ではないが・・・確証は?」

「退治しようとしているキラービーをケルベロスが助けに入って、現在戦闘中です。」


 勇者は独善的で、他人の意見を聴き入れない者が多い。特にこの村は魔物と間違えられそうな事が多く、誤解を解くのに兵士達にも何度か説明するくらいだ。


「エルフ達も集まってる?」


 ダンダイルから言われるのではなく太郎に言われて反応が少し遅れる。


「え、あ、はい。」

「ちょっと行ってくる。」

「はい、お気をつけて。」


 エカテリーナにとってのご主人様であり、家族の一員でもある。ダンダイルもトヒラも、太郎が行けば付いて来るのが当然で、この時の太郎はそこまで考えたわけではないが、二人を無視して部屋を出て行った。


「あれ、この猫は・・・?」


 二人よりも早く太郎の背中にしがみ付いた存在に気が付いた。


「あれって・・・?」

「そう、アレだ。」

「本当に何でもアリな村ですね。」

「それだけに太郎君には頑張ってもらわねばならんのだ。我々はその手伝いをする。それでいこう。」


 ダンダイルの考えに賛同するトヒラは、小さく頷いて、ダンダイルと追いかけた。





 最初に襲われたのはキラービー達で、いつものように太郎の家に蜂蜜を運んでいる途中だった。樽に入れて運ぶのに慣れなかったので今も丸めて固めた蜂蜜を4組で一つ運んでいる。ふわふわと隊列を組んで移動しているところに男がたった一人で現れたのだ。

 突然襲われたのは、雄殺しとの異名を持っているからなのか、大量の蜂蜜を運んでいたからなのか、理由は解らなかったが、先頭集団が一瞬にして切り殺されてしまうと、キラービー達は攻撃に対する反撃行動に出たが、次々とやられてしまい、防御に徹するよりも逃げようとしたところを、逸早く異変に気が付いたケルベロスが駆け付け、兵士達が報告に走った。

 キラービーとその男の間に入って、攻撃を受け止めると力づくで押し返す。


「何をしている?!」


 ワルジャウ語に驚いた男は、最初はこの村が魔物に占領されていると考えた。そして対して強くないと判断すると、睨み返してから魔法で剣を作り出した。


「雑魚が、邪魔をするな!」

「この村で勝手に暴れるな!」

「ワルジャウ語を話すケルベロスなんかがこの村を守護しているつもりか!」


 完全な思い込みで戦闘は続いていて、ケルベロスの方は何度も斬られて血まみれだ。キラービーが防御魔法でケルベロスを守っても、その魔法も切り裂いてくる。


「たぁぁぁっ!」


 突然の攻撃にも瞬時に対処し、一瞬で切り返した剣を避け切れずに剣で止めた。


「猫獣人が魔物を助けるか。」

「話もせずにいきなり退治しようとするのなら私達の敵です。」


 歯を食いしばるスーは完全に力負けしているが、新たな助けが来るまではなんとか耐えた。


「スー殿!」


 魔王国兵士が団体で現れると、明らかに驚いた。この時にはすでにトヒラと偶然出会った事で太郎の所へ行く必要がなくなっていて、予定よりも早く戻ってきている。


「お前達、どっちの味方だ?」

「お前ではない!」

「なら敵だな!」


 スーを片足で蹴り飛ばすと、ポチを中心に突撃してくる兵士達に魔法を放った。


「なっ・・・?!」


 周囲を吹き飛ばす強風と、風の刃が彼らを襲い、兵士達を含めてポチまでも切り刻まれた。


「何です、コイツ・・・無茶苦茶ですね。」


 辛うじて攻撃範囲から逃れたスーだったが、ポチを助けようにも動けなくなった。実力が違い過ぎるのだ。

 直上から飛び込む攻撃にも対応したその男は、小さい身体に不釣り合いな胸を持つ少女を攻撃しようとして躊躇った。


「今度はなんだ?」

「お前の敵だ!」


 容赦なく口から放った炎をまともに喰らい、包み込むように火力を強めたが、突然炎が消えた。


「お前・・・とんでもない奴だな。」


 気が付くと喉元を鷲掴みにされ、言葉を放つのも苦しい。


「とんでもない村なのに放置されているとは、やはりあの世界樹は悪魔を呼ぶか。」


 勝手な妄想を自己完結して納得し、少女を投げ飛ばすと、スーの目の前に転がった。

 そこにフワッとした風が流れる。

 現れた男が周囲を見渡して状況を確認しようとしているところに、猫が飛び出した。


「あっ!」


 太郎が止めようとする前に、その猫は本来の姿を現し、もの凄い威圧と唸り声を上げた。その姿に怯える様子はない。


「くそう、もう太郎が来たのか。」


 何故かグリフォンが悔しそうに言う。


「その前に俺がコイツに礼儀を教えてやる!」


 太郎が来た事で兵士達も安心し、襲われていたキラービーも集まってきた。スーが一撃で倒れたグリフォンを抱きかかえて太郎に近寄るまで、男は観察していたようである。


「こいつは珍しい魔物だな。」


 その間に次々と集まってくる中に、今噂の三姉妹とダンダイルやトヒラもいて、エルフと兵士達に辺りを囲まれていた。

 デカすぎるベヒモスの姿にも好戦的な表情をする。


「さて、こんな腐った村なら良い報酬が貰えそうだな!」


 不敵に叫ぶ男に違和感を感じた太郎がマナを手招きすると、問い質す。


「ねね、もしかして本物の勇者?」

「違うわね、凄い魔力の持ち主だけど、勇者の感じは無いわ。」

「アレは元勇者よ。」


 元勇者とは29歳を過ぎて能力を失った勇者である。それまでの経験は消えないので、生と死を繰り返してきた勇者が生き残ると、予想も出来ない強さを持つ者が現れるのも不思議ではない。


「ベヒモスで勝てる?」

「ん~、見た目以上に何か隠し技が無いならいい勝負ってとこね。」


 いい勝負という事は・・・太郎は考えたが想像がつかない。対峙はした事が有っても直接戦った事は無いからだ。


「あの男、トヒラは憶えてるか?」

「金髪の狼獣人・・・自称勇者の、あのギデオンですか?」

「うむ・・・あいつは面倒だぞ。」


 トヒラとダンダイルの会話に割り込んだのはオリビアだ。


「ギデオンといえば逃亡生活の時でさえ噂を聞いた男だ。正義を語り、いくつもの町を破壊し、国王から無理矢理報奨を受け取るという・・・。」

「半分は嘘だがな。」

「うそ?」

「あいつはそれなりに調べて破壊している。ワンゴの住む町を破壊したのもあいつだ。だが、その所為でワンゴはどこかに雲隠れしてしまって、捜せなくなったのだ。この村の事も調べてから来たのだろうが、その情報源が未だに分からないのだ。」

「当時は魔女だったとの噂もありました。」


 トヒラがそう言うとひらひらと降りてきた魔女が、首をかしげている。


「あんな男見た事無いわ~。」

「もう一人の方の魔女でしょうね。」


 いつの間にか周囲に多くの人が集まっている事に気が付いて、ベヒモスに対する攻撃を強めると、あっさりとひっくり返してしまった。


「なんだと・・・?!」


 驚いたダンダイルが慌てて兵士達にもっと下がるように命じ、ベヒモスは猫の姿に戻って太郎に飛び付いた。


「封印されていた所為で身体が上手く動かない。あんな奴に力負けするなんて。」


 悔しそうに太郎の方にしがみ付いていても、目だけはあの男を睨んでいる。

 ベヒモスの首を持ち上げると、マナの頭に乗せた太郎は、倒れて動かなくなったキラービーを凝視している。ポチもスーも傷付いていて、もりそばの回復魔法で治療を受けていた。


「アンタがやったのか。」


 金髪が揺れた。

 目の前に居た筈の男が、今は真後ろにいる。


「いつの間に・・・?!」


 振り返ると既にいない。

 明らかにスピードで負けているが、太郎はまだ攻撃をしない。


「理由を聞かせてもらおうか?」

「理由など、今お前達がしている事が悪だ・・・?!」


 今度は目の前に同じ男が5人立っている。どう見ても全く同じ顔で、背も服装も、違いが無い。


「幻術か!」


 魔法で作られた剣を大きくすると、横に払った。4人の身体か切り裂かれ、倒れた。


「相変わらず無茶苦茶ねぇ~。」


 マリアがのんびりとした声で欠伸をした。おかげて張りつめていた緊張感が緩まる。


「本物が解るのかね?」

「分る訳ないけど、残ってるのが本体でしょ。」


 男は剣を引き戻す前に何かに纏わり付かれ、不格好な姿で動けなくなっていた。


「俺にこんな事をして許されると思っているのか・・・!」

「ココではアンタの正義は通用させないよ。」


 優しい声には怒りが満ちていて、本気になった時の太郎の恐ろしさを知っているスーとポチが、背筋をゾクゾクさせながらも喜んでいる。


「俺に勝とうなっ・・・がっ・・・?!」


 開いた口の中に水が入って来て、声が出せなくなった。

 苦しがる様子を見て、太郎が言った。


「鼻は塞いでないよ。」


 鼻を膨らませて呼吸をした男は、もがいて振り解こうとしているが、動く事も出来ない。


「そうやって、今まで何人殺してきたか覚えてる?」


 男が初めて青ざめた。

 殺しても殺されることなど考えた事は無い。


「太郎殿はあの男にあそこ迄圧倒的に勝つのか?!」

「そういう男だよ。太郎君は。しかし・・・スーが喜んでいる気持ちが解らない。」

「好意を持つ相手がカッコ良ければ恐怖以上の感情を持つモノです。」


 トヒラの説明に納得はしなかったが理解は示し、トコトコと近づいていく世界樹とベヒモスの後姿を眺めた。


「こいつ勇者じゃないわよ。」

「そうなんだ?」

「でも、魔力が凄いわねぇ。」

「ウンダンヌが本気だすって言ってたから、今も苦労してるんじゃないかな?」


 金髪の上に女性の姿が現れると、うんうんとジェスチャーだけして消えた。


「何今の?」

「太郎様の魔力の減り具合が大変なようですが、大丈夫ですか?」

「大丈夫。それにしてもこんな奴が何処から現れたんだ?」

「彼はギデオンという元勇者だ。」


 すでに解決したとして解散させたダンダイルが心配そうに歩み寄ってくる。横にはトヒラもいた。オリビアはスーとポチの様子を見ていて、マリアはみんなが集まったから来ていただけでもう興味無しとして帰っている。


「ぶはっ・・・。お前達は何を企nd・・・ぐぼっ?!」

「まるで反省していない・・・。」

「無駄だと思うがな。」


 ダンダイルが溜息を吐いた。


「知り合いではあるが、出来れば関わりたくない相手だ。まだ魔王国では被害はないが、国に所属しない民族などはそれなりの被害が有るらしいな。」

「魔王国のみならずどこの国でも最重要危険人物です。」


 ウンダンヌが口に水を入れたり出したりして遊んでいて、そのたびにブフブハしている。だから鼻で息しろって。

 治療を終えたポチが背中にもりそばとスーを乗せてやってきた。


「そいつは世界樹が悪魔を呼ぶと思っているらしい。」

「失礼な話ね、こうしてやるんだから!」


 マナが動けない男の鼻に葉を擦り付けている。


「んなっ、ハックション!」


 今度は鼻水を垂らしていて、一般的にイケメンだと思われるその男はみっともない姿を晒した。


「うわっ、きったなーい。」


 マナがやったんだろ。


「こいつが世界樹だと・・・?」

「二度とこの村に来ない。俺達の前に姿を現さないというのなら見逃すけど?」

「フン、悪魔の手先に・・・ぶほっ、ぶはっ!」

「正直言ってどう思います?」

「存在して欲しくない。」


 ダンダイルがはっきりとそう言うと、激しく暴れ出し、目からビームのようにモノを放った。ビックリはしたが、直ぐにウンダンヌが目を塞いだので被害はなかった。


「なに、いまの・・・。」

「魔力を目に集中して放ったのだろうが、そんな事をしたら視力を失いかねない。」


 ダンダイルの説明をきいて、太郎は昔読んだ漫画の中で、目から怪光線を放っている姿を思い出した。確かに目に悪そうだ。

 そういや口もあったよなあ・・・。


「口も塞いどいて。」


 太郎は口からも何かされるのを警戒してキッチリと塞ぐと、ただの拘束にしか見えない。


「危険人物だからといって殺すのがなあ・・・。」

「あ、大丈夫です。」

「へ?」

「今のギデオンはただの自称勇者で、犯罪の証拠も有るので逮捕出来ます。逮捕状を用意する必要がありますので、少し日数が欲しいですけど。」

「逮捕状なら私が発行しよう。」

「なんじゃ、物騒な話をしとるのう。」


 のっそりと遅れてやってきたナナハルは子供を連れていない。


「子供達は?」

「みんな孤児院じゃ。それでその男は何じゃ?」

「ギデオンという元勇者です。」

「あ~・・・いつだったか、オトロエルのやつから困った奴が居るという話を聞いた事が・・・。」

「天使達も困っているってこと?」

「そうじゃろうな。」

「とんでもない奴ね。」

「そのとんでもない奴を軽く拘束している人がいる訳なんですけど。」


 トヒラが拘束されていて、見る事も喋る事も出来ずに、もがく事も諦めた問題児を見詰めた。


「勇者やドラゴンをも撃退するくらい強いと聞いてはいたがな。」


 ダンダイルも汗を拭っているようだ。


「このまま連れて行っていいかね?」


 ウンダンヌが嫌がっている。


「逮捕状が取れるのならこのまま連れて行けば解決ですか?」


 いつの間にか戻って来たマリアが、拘束されている男の腕や足に何かの輪を付けている。どこかで見た事があるなあ。


「これ、以前私に付けた奴と同じヤツじゃないの?」

「そうなの~?」

「あ~・・・魔法が使えなくなるって?」

「そうなの~。でも作るのにアホみたいに魔石を使うから~。」


 装着が終わると、ウンダンヌが太郎の身体に戻った。


「それ触ると力が抜けるのー。」

「私が作ったからね~。」


 金髪の男はそのまま地面に座り込んで頭も上げられない。

 喋る気力もないようだ。


「どうしました?」


 ダンダイルが唸ってる。


「これが有ればワンゴを逃がす事無かったじゃないか・・・。」

「そうですね・・・。」


 トヒラも力なく俯いていた。






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