第273話 怒りの矛先
窓から家の外を眺めると、魔法で回復した人達が崩れた家屋と遺体を整理している。そこに旅人や村人の区別はなく、兵士と協力して作業を進めていた。親を失った子供達は一時的に孤児院に集められ、子供達が子供達の面倒を見るという珍しい光景が見られた。大人の数が絶対的に足りないのであり、ナナハルの妹のツクモが、子供達の為に料理を作るという、もっと珍しい光景も見られたが、ナナハルに言わせるとあのくらいなら、出来て当り前という事だ。
とか言いつつも、少し嬉しそうで、自分の子供もそこに居るのだから、ナナハルがツクモをどれだけ信用しているか解る。
「それにしても異様な光景ですね。」
「天使と勇者が村人の為に活動するなんてものは二度と見れない気がするな。」
「どういう理由で協力しているのか気に成るトコロだがな。」
「非常時だからな、非常時の行動ってもんがあるんじゃねーのか?」
トヒラとダンダイルの会話と、グルとカールとの会話である。4人は同じ部屋で別の窓から外を眺めているが、会話が混ざりそうなほど近い。こちらも非常時でなければなかなか同席する事の無いメンバーが揃っている。
最初の4人の他にはフーリン、ミカエル、ナナハル、フレアリス、ジェームス、マギ、グレッグ、オリビア、スー、エカテリーナ、ポチ、チーズとその子供。グリフォンとベヒモス、ゴルギャン母娘、マリアとマチルダ。さらに、リファエル、うどんと聖女だ。
これらのメンバーを待たせているのは太郎とマナで、太郎は忘れていた事を恥ずかしさと申し訳なさを覚えて、慌てて走って行った。マナに飛べば良いと言われるまで気が付かなかったくらいだ。
二人はマリアの張った結界のおかげで被害どころか戦闘が起きたのを知らず、いつも通りの作業をしていた。他の兎獣人に抱き付かれる前で素早く移動し、二人を自宅に連れてくる。ついでにキラービーとカラーも付いてきたが、この2匹も事情を全く知らないので、太郎の家に付いてきたコトを後悔していた。
「二人とも大人しくしてろよ?」
首を上下にカクカクと激しく動かして、太郎の頭の上にちょこんと座った。
そこは一番目立つと思うのだが。
ククルとルルクをゴルギャン母娘に任せたのは、二人は別室に居た方が落ち着くだろうというトヒラの助言だ。
「酷い状況ですね。ギンギールの放置された遺跡を見ているようです。」
スーと二人で窓の外を見る。まともに残っている家の殆どはここからかなり離れた村の入口の方で、エルフ達の家も半数が倒壊し、残った半数が燃えて崩れた。兵舎は残っているが、トロッコの方はまだ復旧作業が続き、遺体の下からは生存者が助けを求めていて、運びきれない遺体が街角だった場所に瓦礫と同じように無造作に積み上げられていく。
「魔法が使えてもどうにもならない事ってあるんだよね。」
「作業効率を上げることは可能だけど、死んだ者が生き返るような事は・・・無いわよね?」
太郎を待っている間に回復したフーリンが、こちらもマナポーションを飲んで回復したリファエルを眺めながら呟いた。眺められた方は視線を気にもしていない。
「あなたの料理は美味しいわね。」
エカテリーナが何時でも食べられるように準備していたのはカレーで、ココに居る人数分は無い。そもそもの食材が倉庫ごとバラバラに飛び散ってしまっていて、回収はほぼ不可能で、畑も殆どが焼け焦げていて、復活させるのはマナやうどんがいるから容易いが、収穫する暇がない。
「良い匂いだが流石に食欲がな。」
フーリン、ミカエル、ナナハル、フレアリスの4人だけが食べていて、この辺りは度胸と経験の差だろう。
お皿もスプーンもトレントの木で出来ているので意外なほど静かだ。食べ終えるのを待っている訳では無く、ココに居る全員は太郎の言葉を待っていた。
その太郎はダンダイルに届けられた被害報告書を回し読みしていて、死者数がすでに1000人を超えている事に愕然としていた。今後も増え続けるのは間違いないだろう。
「これが戦争なんだ・・・。」
太郎の呟きは、甘く見ていた事を実感させるもので、太郎以外の者達はこの程度で済んでいる事に驚いている。震災の被害にも似ている部分はあるが、人災と天災はまるで違うのだ。
「それにしたって、太郎殿の働きが無ければ全滅していただろう。」
その声が耳に入ると、フーリンは少しだけ眉をしかめる。何も出来なかった事が悔しいのだ。同時に魔女二人も窓の外から睨み付けるように視線を空へ向ける。
「私の活躍はー?」
リファエルは図々しく言ったが、確かに彼女の魔法が無ければ死者数はもっと増えていただろう。それに対する返答はダンダイルからだ。
「部下から助かった者が多いと報告を受けている。今は感謝しか言えないがいずれ礼をさせてもらいたい。」
「あら、そんなの良いのよ。気にしないで。」
「ゴリテアが村に来るかもしれないという予測が全く無かったワケじゃないから、防げたかもしれない被害かと思うと気が重くなるよ。」
太郎の呟く声は非常に重く、溜息をつきながら数字をじっと見つめる太郎の後ろから声がする。
「復活させてあげましょうか?」
それは聖女の声で、しがみ付くように寝ていたうどんから離れ、気配も感じさせずに太郎の肩に手をのせた。
「出来るの?」
肩に乗った手を払い除けたが、もう一度のせられる。
「あなたの所為で帰る可能性がほぼなくなったのだから責任は取ってもらいたいわ。」
「ほぼ?帰る方法あったんだ?」
「身体が吸い込まれてこちらの世界に呼ばれる前に結界を置いてきたのだけど、今は髪の毛より細い魔力で繋がっているわ。これを辿って戻るには膨大な魔力が必要でね。ずっと集めてたのだけど、あのコルドーに邪魔されて、ゴリテアにも邪魔されて、最後はアナタにとどめを刺されたのよ。」
口を挟もうとする者はおらず、場の空気は太郎の心よりも重く、キラービーとカラーが太郎の髪の毛の中に隠れようと必死だ。
聖女の態度をまるで無視しているかのように、上半身だけを少しひねって後ろに向け、視線を聖女に向ける。フーリンやダンダイルどころか、リファエルも身体を僅かに震わせるほどの鋭い光がそこに有った。
「魔力が有っても復活させるのは無理だと思うけど?」
「一人くらいなら出来るかもね。」
それは太郎の保有可能な膨大な魔力をすべて使っても、人一人を生き返らせる事が可能になるかどうかわからないレベルであったが、太郎も聖女の方も、必要な魔力量を正確に把握している訳ではない。
「死んだ人には申し訳ないけど、生き返ってもらっても困る。」
一人助かれば、もう一人。さらに求めに応じるようになればこの村だけではなく、他所にも噂は広まり、世界を巻き込む大騒動になるのは間違いない。生き返るというのはそれだけ大変な出来事なのだ。それが100年後でも1000年後の話だとしても、戦争の引き金にもなりかねない。
「意外に慎重ね。無茶苦茶な魔力で魔法を使っている時と同一人物には見えないわ。」
「お互い様じゃないかな。」
「私には困っている人を見ると助けたくなるっていう呪いが有るのよ。わかる?自分の事を蔑ろにしてしまうくらい強い呪いよ。」
「分からない事もないけど、それじゃあ納得しないでしょ。」
「えぇ、何か証明は有る?」
「俺はこの世界で一度死んだ。そして生き返った。」
太郎がサラッと答えたので、言葉を飲み込むのに少し時間が必要だった。
「それ、本気で言っているの?」
「うん。」
「それが事実ならとんでもないことよ。自分は神だと言っている事になるけど?」
「それなら、復活できると言ったのは嘘だって事になるよね。」
「あら、必ずできるなんて言ってないわ。」
このような時の太郎の言動に、ダンダイルはいつも驚かされている。洞察力もさることながら、情報を引き出そうとしてくる相手から逆に情報を引き出すのだ。
「この世界に神が居るというのなら会ってみたいモノね。」
「多分、ガッカリするからやめた方がいいよ。」
フーリンはあの日の事を少し思い出して身を震わせた。
「まるで知っているみたいな言い方ね。」
「神様が居なかったら私達の存在が無いもの。」
「このちんちくりんが?」
マナが言い返さなかったのは、太郎が先に反応したからだ。
「世界樹は神が用意した木だからね。」
この話を知っていたスズキタ一族は存在していない。その為、伝承としても残らず、フーリンとマナだけが証人だった。それで納得はしないだろうと思っていたのだが、目をぱちくりさせ、周囲を見渡し、リファエルを見ても何も反応せず、一人で思考の海に沈んでいく。
太郎は視線を聖女から報告書に戻し、壊れた家屋に必要な資材を頭の中で計算すると、こちらも思考に沼に沈んでいく。いつまでも追加される報告書に太郎の計算はその都度変更されるので、このままでは埒があかない。そしてその問題を引き起こした根源はまだ存在しているのだ。
「このままじゃダメか・・・。」
「太郎は本気であれを壊すの?」
「壊すって言うのなら手伝ってあげるわヨ。」
リファエルはゴリテアに怨みがたっぷり有り、脱出間際に残した言葉では罵っていたくらいである。コルドーに騙されたワケではないだろうが、利用されていたのは間違いなく、聞きたくもない行為を聞かされたし、楽しくもない日々を過ごしている。それも数万年近い年月を、独人で動く事も出来ずに。
ここから先の話は個人的に能力の高い人物ではなく、権力者として能力の高い人物が必要だった。そしてその人物がこの場に居るのだから、太郎だけではなくその部下達からも、視線を向けられる事となる。
溜息を吐き出して笑顔で応じる。
「では太郎君の案を聴こうじゃないか。」
ゴリテア対策の話し合いの後、村の様子を見るのと、必要な資材を集める為、太郎はスーとポチを連れて家を出た。勇者達と天使達が共同で作業をしているという珍しい光景らしいが、太郎にはよくわからない。それよりも、助けられた人達に生きている気力が感じられない方が気がかりだった。
「敵だと思うトコロの方が多い者達じゃが、これほどまで変わるモノなんじゃな。」
ナナハルは孤児院に向かうという事で付いてきていて、失念していた太郎は照れながら一緒に行くと伝えると、笑顔で背中を二回、軽く叩かれた。ポチの背にはマナがいて、太郎の右肩にカラーが、左肩にキラービーがいて、棲みかに戻れば良いのだろうに、翼や羽を動かす事もなく太郎にしがみ付いている。
太郎達が歩く周囲では、運良く被害を受けずに生き残った人達がいて、仲間や家族を求めて捜し回っている。大声で名を呼び再会を喜ぶ姿よりも、泣き崩れる者の方が多かったのは胸に苦しいものを覚え、特に子供の泣き叫ぶ声は太郎の胸に深く突き刺さる。
母親を失い、父親を失い、恋人を失い、それでも生きなければならない者達の、悲しみと怒りの入り混じった負の感情が一帯を支配していた。
「嫌な匂いですねー。」
「血とは少し違うな・・・。」
「人が焼け焦げた匂いなんて初めてだよ。」
「初めてなんですか?」
「・・・初めてだと思うぞ。」
伐採所に向かうのを後にして孤児院の少し手前に来ると、門の前を塞ぐ一団に遭遇した。武器を手に持つ者もいれば、怒鳴り散らしている者もいる。その向こうではツクモが険しい表情で立っていて、太郎とナナハルの子供達がその後ろに控えるように集まっている。もう少し近寄ればハッキリと聞こえるようになった。
「俺達を見殺しにする気か!」
「ここは子供の為の施設だ。子供であるのなら仕方がなく受け入れているが、余裕など無い。」
「食糧を隠し持っているだろ、よこせ!」
「今夜と明日の分しかない。それも子供達だけで大人には分配されない。」
ツクモは冷静に対応しているようだが、いつもの何倍も大きな声だ。普段のだらしがない姿からは想像もできない、凛々しさも感じられる声量だった。しかし、あまりの人数に気圧されているようで、戦って負けるような相手ではないが、村を訪れた旅人や冒険者達であり、太郎の意見も聞かずに殴り倒す訳にもいかない。
自分の責任で済むのであれば「ウルサイ黙れ。」で一蹴するような内容である。
「困っているようじゃの。」
ナナハルが群集を威圧だけで圧し退け、門の向こうにいる妹と子供達に歩み寄る。太郎達も後に続こうとすると、長槍や長棒が太郎の鼻先に向けられた。
「貴様らは何だ?!」
彼らは太郎の顔を知らない。
冒険者でベテランの中にはスーを知っている者が一歩下がり、ケルベロスを見て数人が後退りした。
この態度にスーの怒りやポチの唸り声よりも早く、苛立ちを募らせて耐えていたツクモが爆発した。
ナナハルを迎え入れるよりも早く、門の前から飛び出し、武器を構える数人を両手で左右に吹飛ばした。吹飛ばされた者は他の群衆の中に飛び込み、巻き込まれた者達の悲痛な声が聞こえる。
「やっぱり早いし強いですねー。」
「バカ者どもに口は無用だと理解したんでな。」
この場合は太郎に刃を向けた事が言い訳になるし、理由としても十分な価値があった。なにしろ、この村の責任者であり、村長である太郎に反抗の態度を示したのだから、吹飛ばされる程度で済んだことを喜ぶべきである。
当然、喜ぶ者などいなかったが。
「なにをするかっ!」
初動の一撃を運よく避けた者からの反撃は、届く前に叩き潰された。本当にただ運が良かっただけで、実力で避けれるほどの能力はない。
「ぐぇっ・・・。」
倒れた者の頭を手で押さえつけるのを見て、太郎は困った表情をしている。助けられたことを感謝しているとは思えない。
「そのくらいにしておけ。」
「でも!」
「太郎は喜ばぬぞ。」
姉の声で妹らしさが戻る。
「う、うん・・・わかってる。」
手を離し、太郎に対して小さく、ほんの僅かに、頭を下げる動作を見せると、門の内側に戻る。今度はツクモの後に続き、太郎達が門をくぐると、子供達が駆け寄ってきた。無事な顔を見る事で少し安心する。
安心とはほど遠い者が叫ぶ。
「お前達はそれだけの力があって、何故俺達を助けなかった?!」
懇願と罵倒が混じった妙な言葉だ。
「あり得ない数の天使とあり得ない数の勇者。お前は誰の味方なんだ?!」
「敵じゃないけど・・・。」
太郎が言葉に詰まりつつも、続けて何かを言おうとしたが、ナナハルが先に太郎の心情を察して言い放った。
「おぬしらの態度次第じゃ。」
「なん・・・だと?」
「助けて欲しいのなら懇願すればよい。味方になってほしいのなら協力すればよい。敵になりたいのなら・・・そこで吠えておればよい。」
威勢が良いだけの若者達が、投げ棄てられたような物言いに反発の態度を示した。傷付いた事も忘れ、助けられた事も忘れ、仲間を失い、家族を失い、明日の予定すら立てられない自分の不幸だけが最重要なのだ。
太郎はそれが理解出来たから、最後まで言えずに言葉を詰まらせたのだが、ナナハルはあっさりと言い捨てたのだ。
「ここに居る全員が敵となるのか?」
戦って勝てる相手かどうか、彼らは経験も浅く、ナナハルをただの狐獣人だと思っているのなら、勝機は有ると安易に考えてしまうだろう。それに、彼等と同じ思いをしている者達がここ以外にも数百人以上は居るのだ。
自分達が優位に立っていると思った者達が、鼻息を荒くして要求を叩きつける。
「お前達が隠し持っている食糧をよこせ、命ぐらいは助けてやってもいいぞ?」
「要求する相手を間違っているな。」
「何がだ?!」
「ここは魔王国領だ。兵士も責任者もおる。そちらに言うがよい。」
「兵士なんかアテになるワケないだろ。」
太郎が思い浮かべた責任者というと、ダンダイルである。ダンダイルが責任者として不適合かと考えれば、あの人以上の人はいないと思う。それ以前に、魔王国の人材についてあまり詳しい訳でもないが、現魔王を思い浮かべないのは他の者と共通しているかもしれない。
「軍人が信用できないって、冒険者や旅人って軍人嫌いな人が多いのかな?」
太郎の素朴な疑問はスーが耳打ちして教える。
「冒険者の成りそこないが兵士だと思っているのが一般的なんですよー。」
「腕に自信が有るからか・・・。」
「まあ、喧嘩を売る相手を間違えているとしか思えませんけどー・・・。意外と真面目なんですねー。」
ナナハルが対応をしているのでスーは傍観していて、ポチとマナも暇そうだ。ハッキリ言えば興味がない。
「殴っちゃえば終わるのにー。」
と、スーが呟いたのを太郎は聞き逃さない。
ナナハルは聞こえていたとしても、無視して話を進める。
「なら自分達で何とかするのだな。我らはこの村で必要な物を自分達で揃えてきた。お前達は何をしたのだ?」
「は?」
「村の為なら何とかしよう。だが、おぬしらは村人ではない。更に言えばただの通りすがり。何事も無ければ明日にもこの村から去る存在じゃ。」
「無責任な事を言うな、お前達が何をしたんだ?そんなに村の為とか言うのならあの爆発を止めればよかっただろ!」
あんな爆発が起きるかどうかなんて予想できた者はいない。破壊力のある何かを放っている事は解っていても、攻撃に対して受け止めるなどという発想は、余裕があるか、全くないか、そのどちらかで、普通の判断としては逃げる事を選択するだろう。
あえて可能だった者が存在するか考えれば鈴木太郎しかいないというのが、太郎を知る者達の共通認識だ。
「あえてもう一度言うが、お前達は村人ではない。腹を空かせた旅人がお主の家を訪れ、食べ物をよこさないと暴れると言われて素直に渡すのか?」
言葉が詰まった。だが、それが引き金となったのは言うまでもない。無慈悲にも感じる扱いを受け、怒りの矛先はナナハルに集中した。一人が叫び、一人が武器を掲げ、一人が飛び掛かると、一気に暴動へと変わった。
門に向かって突撃してくる群衆に立ちはだかるのはナナハル一人だが、誰も心配はしていない。むしろやり過ぎないかの方に重きを置いている。
ナナハルの身体が突然膨らみ、巨大なキツネの姿に変わると、群衆の先頭は恐怖を全身で感じて足を止めようとするが、後ろから圧されて止まらない。
とてつもない咆哮が響く。
それは以前に太郎がフーリンとミカエルを止める時に放った超音波に似ていて、意識とは無関係に身体中が震え、群衆を圧し返した。ナナハルの足元に辿り着けた者は一人もおらず、周囲に響き渡った事で、多くの者がナナハルの姿を視認した。それがダンダイルの耳にまで届いた事で、トヒラの腕を掴んで飛び出した。そのトヒラは、急だったとはいえ、ダンダイルに腕を掴まれて少し頬を赤くしていた。
※普通の後書き※
人は集まるとグループを作る
気の合う仲間が集まるのが普通だけど
集められたグループが大きくなると
更に細分化する
グループの中のグループから外れた時
孤独を感じるだけならいいけど
それが怒りに向く人もいる
そういう世の中




