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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

駐輪場

作者: ふゆっころ




「お疲れっしたー」



ひー寒い


16:00までの飲食店のバイトも終わり、チャリを取りに駐輪場へ向かう。


お。ラッキー。

マフラーでぐるぐるまきのあいつがバイト先近くのコンビニから出てくるのが見える。あいつも確か16:00あがりだったもんな。


こちらに気づいたようで、俺が手を振ると

軽く会釈をされた。


今日のバイトは忙しくてあまり話せなかった。


原付で帰るあいつとは駐輪場が同じだ。


小走りで横に並ぶ







こいつは今恋人はいないはずだ

ものすっごくモコモコしたこの物体を抱きしめたい。

もしくはぎゅーっと抱きつかれたい。


そんな欲望を持ってしまう俺はクリスマス2週間前である今行動を移さなければならないと思う。


こんな何気なくとなりに並んだが、

実はずっとシュミレーションだってしてた。

シフトだって確認済み。

こいつのシフトと被るのは、一週間後。


今しかない。

駐輪場だってあと5分もしないうちについてしまう。



「あのさ、


俺とケーキ食べに行ってよ」



このモコモコは何も言わず青信号を進む。


え?


あれ


聞こえなかった?




確かに時間帯的に人通りが多く周りはざわざわしている。



「あのさ、」

早歩きでまた追いつきちらっと顔色を伺う



するとものすごく、、




鼻が赤らんでいる



かわいい



寒いときってなんだか人の目がくっきり見える気がする



くりくりしててかわいいなぁ


ってそんなことより、




喋りかけられたとは思えないほど真顔だ



こいつは、確かに喋り出すまではあまり自分からは喋らない性分だが



こんな真顔なことあったか



俺嫌われてたのか?



いやいや、何だかんだバイトメンバーの中でも気を許してもらえてる気がする


気がしてたんだけどな?





そうこうしてるうちに駐輪場の看板が見えてきた


やばい




意を決して腕を掴んだ




「え?」


振り返ったこいつは驚いた顔をしている



「あれ?こうたまた会ったね!」


そう言ってにっこり笑う



か、可愛い




いや、そうじゃなくて



「これね、今マイブームの曲なんだ〜!

聴く???」



そう言ってイヤホンを片方差し出す




なるほどね





寒さではなく赤くなったであろう



あつくなった耳を隠すようにイヤホンを受け取った




こいつの左側を歩いてる俺に、

カップルのように左耳のイヤホンを貸されたわけではない


決して近い方のイヤホンではない



それでも




「結構良くない??

こうたも好きだと思うんだよ」


そう言ってにかっと笑うこいつに




安堵とともに






なんだかものすごく嬉しくなった










帰宅後



「あ!ケーキ誘うの忘れてた!!!!!!」






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