それから
竜一に全てをぶちまけた俺は、紅刃に見られても恥ずかしく無い様に生きる事を決めた。
折角守ってくれた命。紅刃が羨ましがる位、精一杯生きてやるんだ。
「竜一。今度一緒に俺が生まれた街に行かね?」
「いいぜ」
他人を、友達を自分から誘うなんて何年振りだろ。
「んでさ、サッカーするんに凄ぇ良いトコがあるんさ」
「いいぜ。やるからには負けねぇぞ?」
サッカーも久々にやりたいと思った。ってか無性にやりたい。
「俺、強ぇぜ?」
「何言ってんだよ。さっきは弱いだの何だの言ってたくせに」
ブランクがどうって不安は無く、竜一には勝てる気がした。
とは言え、紅刃の時はそれで負けてたけど。
「五月蝿ぇ!もう今までの俺と思うなよ?」
「望むところだ!」
何かこんなやり取りも懐かしい。
でも、新鮮に感じて清々しかった。
「ありがと・・・」
俺はボソッと呟いた。竜一に聞こえて欲しいけど、照れ臭くて聞こえて欲しくないと思いながら。
「・・・・」
竜一は何も言わず笑みを向けてくる。
聞こえたんだろうなと思い、照れる。
けど、何だか安心した。
グウゥ〜・・・
俺の腹が鳴った。
途端に、竜一がプッと吹き出して笑う。
「・・・腹減ってんの?」
「・・・何かスッキリしたから・・・かな?」
最近飯なんてロクに食ってなかったしな。
「んじゃぁ菓子食うべぇや。俺も腹減った」
「そうだな」
その日以来、俺は竜一の助けを借りながら、学校でも他の奴と喋る様になった。
初めは皆驚いていたけど、意外とすんなり俺を受け入れてくれた。
そして自然と増えていく友達。
懐かしく、そして暖かい。
なぁ紅刃・・・俺、一生懸命生きるから見ててくれ。必ず後悔はさせないから・・・そして、俺が死んだらちゃんと迎えに来いよな!
終わり
終わりです。最初考えていた終わりとは違う終わり方になってしまいましたが、これはこれでありだと思い、こういった終わり方にしてみました。文章力に乏しく、纏まりの無い様な物になってしまいましたが、此処まで読んで頂き、有難うございました。またネタが浮かびましたら書くかもしれないですが、その時はまた読んでやって下さい。読んで頂き、誠に有難うございました。