ペルソナ迷宮
二日連続ですね。
最早、不定期投稿……。最低、週一投稿で頑張ってみようかな、と考えています。
これからも、どうぞお付き合いのほどよろしくお願い致します。
あ、ちなみに短いですよ?きりのいいところで切ったので。
夢を見た。
地球、日本にいた頃の夢だ。
ひどく朧気で、霧がかかったようだった。
音葉の顔、声。
神崎さんの心配そうな顔。
あの、神社。
そして―――影。
黒ずんだ影が何体もいて、僕を嘲笑っていた。
たくさんの手が伸びる。
そこへ、誰かがやってきた。
影は次々に消えていく。
ああ、これで助かった。
そう思った刹那、僕の中から影が生まれた。
誰かがはっ、と振り向き心配そうな顔を見せる。
心が闇にのまれていく。
視界が見えなくなっていく。
最後に見た誰かの顔は―――
「っ!」
楓は、バッ、とベットから飛び起きた。
「夢、か……。」
意味不明な夢だ。
全く。
「カエデ様~? 朝食ができましたよ~~」
一階からテアラさんの声がする。
「は~い。今行きます。」
というか、こんなに大声を出していいのだろうか。
僕以外にも止まっている人が……いないな。
のそのそと楓は着替え、一階へと向かっていった。
♢
「えっ? 迷宮に行くんですか?」
「あ、はい。」
テアラさんの話だと、迷宮は危険らしく、もし行くならば細心の注意を―――ということらしい。
だが、こちらとしても行かないわけにはいかない。お金の問題、それに力を手に入れなければ。
「お気遣いありがとうございます。でも、僕は迷宮に行きます。別に、夜になったら戻ってくるし。」
楓の決意のこもった眼を見て、テアラは、
「そうですか……。なら、頑張ってください! あ、武器は先に手入れしといたほうがいいですよ。魔物が多いらしいので。」
「ありがとうございます。」
笑顔で背中を押してもらい、楓は出発することにした。
♢
「ん~……。どこだ~?」
楓は、森をぶらぶらと歩きながらあたりを見渡していた。
―――
『多分、迷宮に近づくと人が集まっているからわかると思いますよ。はい、これ地図です。』
『何から何までありがとうございます。』
『いえいえ。それと、これを……。』
―――
というわけで地図を片手に森をさ迷っていたのだった。
ちなみに、最初の森である。
そんなところにあったとは……と、とても驚いた。
意外と楓と縁が深い森である。
「お? あそこか?」
しばらく歩くと、ガヤガヤと人々の喧騒が聞こえてきた。
「よし、行ってみるか!」
楓は声をするほうへと、勇みよく歩を進めた。
♢
迷宮は見た目は洞窟のようだった。
言われなければ迷宮だと気が付かないほどに、自然物だった。
ただ、たくさんの人間がごった返しているが。
「あ、挑戦者ですか?」
受け付けっぽい者の所にいた、男の人に声をかけられた。
「あ、はい。そうです。」
「ようこそ、ペルソナ迷宮へ。
ここからは、死んでも文句が言えません。冒険者に殺されても、合法になります。まあ、暗黙の了解で禁止されていますが。
一階層ごとに転移クリスタルがあり、そこからここに戻ってこれます。
それでは、頑張ってください。」
男の人に促されて、楓はクリスタルにそっと手を触れた。
淡い光が放たれ、楓の姿は消えた。
♢
「っと。ここが迷宮か。」
目の前には、洞窟のような風景が広がっていた。
所々に魔術を使った明かりがあり、辺りを淡く照らしている。
遠くでは何やら人の声が聞こえる。
「よし、いくか!」
楓は不敵に笑いながら歩みだす。
―――楓のペルソナ迷宮攻略が、今始まった。
感想、評価よろしくお願いいたします。