読書。そして目標
ちょっと短いかな……?
トエルくんの方の作品を書いてて遅れました。すみません。
頑張って書いても、自分のPVは増えないという……。
まあ、しょうがないんですけどね!
「本でも読むか……。暇だし。」
楓は、部屋のベットで横になりながら、ふとつぶやいた。
のそのそと起き上がり、部屋の片隅に置いてあった本を取りに行く。
ちなみに購入した本は、意外と多かったりする。
『マナー入門』
『サーガザナドゥの歴史』
『子どもの学習に! 常識集』
『聖典 ルイン様』
『魔術についての研究』
‥‥‥etc
また、読むのが大変そうである。
「よし! 読んで覚えるか!」
気合は十分だった。
♦ ♦ ♦
三時間後。
ドアがトントン、と叩かれた。
「すみませ~ん。カエデ様、夕食の時間になりましたよ~。」
かちゃ、っとドアが開いた。
「失礼しますカエデ様、カエデさん?」
テアラがのぞき込むと、ベットの上に黒髪の少年が一人。
「ああ、なるほど……。そういうことか。……うん?これは?いや、でもそれじゃ……。あ、そうか!」
なんかブツブツ呟いていた。
「ひゃっ!」
驚いて、声を出すテアラ。
何かを囁きながら、寝転がっている人がいたら当然のリアクションである。
勿論、寝転がっているのではなく本を読んでいる、楓だ。
「あ、あの~……。」
そ~っと声をかけて肩に触れるテアラ。
ちょっとへっぴり腰だ。
触れた瞬間、バッ! と楓が起き上がった。
「うわぁ! すみませんでした!?」
「ん? ああ、テアラさん。どうしたんですか?」
きょとん、としたように答える楓。
状況を全く理解できていなかった。
「ふぇ?」
♢
「あ、すみません。呼んでたんですか……。」
楓がすまなそうな顔をする。
「い、いえいえこちらこそすみません。」
テアラが慌てて首を振る。
つまり、楓はとても集中していて何も気が付いでおらず、やっと内容が理解出来て立ち上がったのと、肩をたたかれたのが奇跡的に一致しただけである。
この、超人的な集中は楓の癖であり某幼馴染の場合、気づかせるために毎回飛び蹴りを食らわせてくる。
全くひどいものだ。
「あ、そういえばご飯とてもおいしかったです。懐かしかったし。」
「懐かしい?」
「あ、いえこちらの話です……。」
そう、なんと夕食に米が出たのだ。
ああ、和食だ~と意外と感激していた。たった数日食べないだけで、こんなに懐かしく感じるとは……。
「じゃあ、僕は部屋に戻りますね。」
ガタッ、と席を立つ楓。
まだ本を読み切ってはいないので、今日中に読んでおきたいのだ。
「はい。また朝食の時間にお呼びしますね。」
「はい。ありがとうございました。」
楓は部屋へとのんびりと歩き始めた。
♢
今日、本を読んでわかったことはとてもある。
いや、もう時間的に日付は変わっているだろうから、昨日というのが正解だろうが。
まず、お金。
お金の単位やどれが何を表しているのかがやっと分かった。
さらに、地名や種族、魔術の詳細もまあまあ知ることができた。
(注;詳しくは設定を参照でお願いします。by作者)
魔術というものは適性が無いと使えない、ただ魔法陣やなんやらを使えばちょっとなら使えると分かったのは僥倖だった。
てっきり全く使えないものかと思っていた楓には嬉しいお知らせだった。
頑張って読んだかいがあったね!
驚かれたり、頭が痛くなったけど。
何より驚いたのは迷宮の存在だった。
まだよく分かっていないみたいで、詳しいことは知らないが、ファンタジーで僕の好奇心を大いにゆすぶった。
冒険者だと、クリアに貢献するとお金が貰えるし、古代の魔術道具であるアーティファクトを発見すれば売れば大金に、使えば強力な魔術を使用できるらしい。
つまり、僕でも魔術師として冒険者としてそれなりになれるわけだ。
そして、異空間転移や、死者蘇生も……。
楓は、一人ベットの上でほくそ笑んだ。
少し、心の中にどす黒いものがゴボゴボ、と浮かび上がってくるのに楓は気が付かない。
明日からは迷宮に行こう。
5階層くらいまでなら僕でもなんとかなるはずだ。
ああ、眠い……。
今日はもう寝よう。
疲れたぁ~……。
楓は不敵な笑みを浮かべた後、糸が切れたようにベットへ倒れた。
―――黒いものが消えることはなかった。
評価、感想よろしくお願いします。
予告。次話、多分迷宮へ。