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星に願いを~虹の錬金術師の異世界冒険記~  作者: 神無月歌零
一章 冒険者編
21/46

もう一つの出会い 前編

ごめんなさい!

弁解の余地もありません。普通に書くのが遅すぎました。

いや、結構文字数があるんですよ。変なところで切りたくなかったし。

ただ、それでも微妙な位置なので、今週中に続きを投稿します。

毎度毎度すみません。


「行ってきま〜す!」


そう言って、冬城音葉(ふゆしろおとは)は家を出た。

今日は、月曜日。小学校へ行くのだった。

数日ぶりに学校に行けるのだから、足取りも軽く楽しそうにーーということはなかった。


「あ〜、憂鬱だなぁ......」


はあ、と溜息をつき歩いて行く。

しかし、音葉がそう思うのにもちゃんとした理由があった。

いつの間にかついていた学校に入り、教室へ、歩を進める。

自分のクラスの扉を、気付かれないようにそ〜っと開け、自分の机にそそくさと向かう。

だが、それを阻む者がいた。

同じクラスの女子3人。ニヤニヤと口元を歪ませている。

避けて通ろうとするかまたしても妨害される。


「……どいて」

「えぇ~? ちょっと遊ぼうよぉ~」

「……絶対遊ぶ気ないでしょ」


ジト~っとした目で見て、ため息をつく音葉。

周りを囲まれる。

これが、憂鬱な理由だった。

まぁ所謂(いわゆる)、「いじめ」みたいなやつだ。

嫌がらせのレベルでとどまってはいるが、憂鬱になるには十分だった。





♦ ♦ ♦


「はぁ~……」


一人、空を見上げ、息を吐く。

始めた来たところだった。

人気のない神社で、来る途中には花が咲き乱れていた。

学校が終わり、なんとなくここに来ていたのだった。


「なにか、悩みでもあるのかね? そこのお嬢さん?」


唐突に後ろから声がかかる。

ビクッとして振り返ると、音葉と同じくらいの年の少女がいた。


「……なんで、お嬢さん?」


とりあえず思ったことを聞いてみる。


「だって、その方がかっこよさそうでしょっ!? ……でしょっ、楓!」

「いや、別にかっこよくはないと思うな……」


いつの間にか、隣に立っていた少年が、ダメだこいつ……みたいな感じで頭を押さえている。

ポカン、と呆然とする音葉。


「で、なんか困ったことでもあるのかな?」


今度は少年が尋ねてくる。

流れのまま、音葉は、こくんと頷いた。

途端、少年は笑顔になり、


「なら、僕たちが解決しよう。僕たちは、ヒーローだからね」

「そうだよっ、なんでも相談してみなさい! あ、私は夢咲燈。よろしくっ!」


元気いっぱいの少女が。


「僕は七星楓。よろしく。」


大人しそうな少年が。

そう挨拶した。

音葉は久しぶりに触れるやさしさに、目頭が熱くなるのを感じながら、それに答えた。


「……私は、冬城音葉。……よろしく。」


無論、少年少女は燈と楓。

3人の出会いだった。










「なるほど……。クラスの子から、いじめを受けているということか。」


状況を説明すると、楓はそう言って腕を組んだ。

真似して、燈も腕を組む。


「あ、いや、そんなたいそうなものじゃなくて、ものを隠されたり、無視されたり、悪口を言われたり……」

「結構、たいそうなものじゃない!?」


思わず、楓は声を上げた。

燈も真似して、ええっ!…と声を上げる。


「……燈、ちょっとは働いたら?」

「頭脳担当、楓! 物理担当、燈!」


ビシッと、なぜか決めポーズをとる燈。

すっと燈から目を逸らし、音葉の方へ向き直る。


「で、原因は?」


ええっ、無視!?……とかいう声が聞こえたがスルーだ。


「元々、いじめられている子がいて、我慢できなくて抗議したら、標的になった。結局、いじめられていた子も、まだいじめられてる……」


悔しそうに項垂れる。

大丈夫、君は間違っていない、そういって楓は音葉を励ます。


「そうだよっ! 困ってる子を助けようとするなんてヒーローみたいじゃん!」


立ち上がって、力説する燈。

思わず、音葉の顔にも笑顔が戻る。


「……そう言ってくれると、嬉しいな」


にっと燈も笑う。

そして、真面目な顔になり宣言した。


「よし、音ちゃんといじめられていた子も合わせて、二人を私たちが救います!」


ビシッと、またまた決めポーズ。

そこに、ジト目の楓が一言。


「……で、作戦は?」

「楓、任せた!」


キラッとサムズアップ!

大きなため息が、楓の口から漏れ出した。


「って言ってもなぁ……難しいんだよな、原因の解決は……」


うーん、と腕を組んで考え込んでしまう。

燈も、少し下を向いて考えこみ――あ!…と声を上げた。


「とりあえずさ! いい方法が思いつくまで、ここで遊ぼうよ! もう一人の虐められている子も呼んでさ、遊んでいれば寂しくないでしょ?」


ふふん、と鼻を鳴らす。

楓は、ぽかんと口を開ける。音葉はどこか困惑の表情を浮かべている。


「え……? いい、の?」

「うん!別にダメな理由なんてないし! そのうち、きっといじめも終わるよ! いいでしょ?楓!」

「あ、うん。僕は構わないけど……」


急な流れに、辛うじて追いついてきている楓。

そして、燈は何かを思い出したように、あ、と声を出すと


「ごめん! 今日、お母さんに早く帰ってきなさい、て言われてた! じゃあね~、楓、音ちゃん! 明日は、もう一人の子もつれておいでね!」


そう言い残してピュ~っと走り去っていってしまった。

残ったのは、呆気にとられて固まる二人。


「あ、あはは……ごめんね、燈はいつもこうなんだ。すぐ、頭より体が先に動いちゃうんだよ、まったく……」


そう愚痴をこぼしながらも、楓の口元は緩んでおり、その表情には微かな尊敬の色も見えた。

音葉も、苦笑いしながらも、なんかすごい子だなぁ……と自分に足りない勇気を持っている、彼女を尊敬してみたりするのだった。


「……ところで、話は変わるんだけど、本当に大丈夫?」

「えっ?」


突然、真面目そうな表情に戻った楓はそう切り出した。

音葉は困惑するばかり。思い当たる節は、ある。


「学校でのこと。なんか、色々我慢している気がしたからさ。僕でよければ話を聞くよ?」


あって十数分の人に言うつもりなんてなかった。

弱いところを見せるつもりなんてなかった。

ただ、悲鳴を上げていた心が、そんな小さなプライドなんて越えてしまった。


「ぅ、あ……ぐすっ……うぅ……ぐすっ」


ただただ、嗚咽を漏らした。

そして語った。

親ですら気が付かなかった、音葉の小さな変化を感じ取った少年に。


強がっていても、傷ついていること。

友達だった子にも、そんな過去はなかったように笑って虐められていること。

先生も、少し異変を感じても子供のじゃれ合いだと、解決してくれないこと。


たくさんのことを話し、ひたすら泣いた。

その間、ただ心優しい少年は、聞いてくれていた。


そして、しばらくした後。


「……ありがとう、少し楽になった」


頬を微かに赤く染め、ぶっきらぼうに音葉が言った。

その態度に、眉をしかめることなく楓は微笑む。


「たまには吐き出さないと、人の心は脆いから壊れてしまう。どうしても、辛くなったらいつでも頼ってくれていいからね。燈と違って、元気にはできないかもしれないけど、楽にはできると思うから。」

「……うん、ありがと」


そう言って、照れ臭くなったのか、音葉は手を振り、帰っていった。

そんな姿を見届けた後、楓は


「少しは、僕もヒーローになれたかな」


そう呟くと、同じく山を下り、帰路を辿った。











――そんなわけがないだろ。お前はヒーローじゃない







ちょっと、休むのが多すぎますね。

この話の続きは投稿するのですが、そのあと、正式に3週間の休暇を貰っていいですか?

ちょっと、書き溜めも作りたいですし、あんまり過去の話を長くし過ぎたくないんですよね。

なので、まとめて書いてバッと投稿できたらと考えております。

まだ、どうするか決まってませんが、そうなった場合は、しばしお待ちください。



こんなグダグダな作者ですが、どうかお付き合いください。

よろしくお願いします。


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