もう一つの出会い 前編
ごめんなさい!
弁解の余地もありません。普通に書くのが遅すぎました。
いや、結構文字数があるんですよ。変なところで切りたくなかったし。
ただ、それでも微妙な位置なので、今週中に続きを投稿します。
毎度毎度すみません。
「行ってきま〜す!」
そう言って、冬城音葉は家を出た。
今日は、月曜日。小学校へ行くのだった。
数日ぶりに学校に行けるのだから、足取りも軽く楽しそうにーーということはなかった。
「あ〜、憂鬱だなぁ......」
はあ、と溜息をつき歩いて行く。
しかし、音葉がそう思うのにもちゃんとした理由があった。
いつの間にかついていた学校に入り、教室へ、歩を進める。
自分のクラスの扉を、気付かれないようにそ〜っと開け、自分の机にそそくさと向かう。
だが、それを阻む者がいた。
同じクラスの女子3人。ニヤニヤと口元を歪ませている。
避けて通ろうとするかまたしても妨害される。
「……どいて」
「えぇ~? ちょっと遊ぼうよぉ~」
「……絶対遊ぶ気ないでしょ」
ジト~っとした目で見て、ため息をつく音葉。
周りを囲まれる。
これが、憂鬱な理由だった。
まぁ所謂、「いじめ」みたいなやつだ。
嫌がらせのレベルでとどまってはいるが、憂鬱になるには十分だった。
♦ ♦ ♦
「はぁ~……」
一人、空を見上げ、息を吐く。
始めた来たところだった。
人気のない神社で、来る途中には花が咲き乱れていた。
学校が終わり、なんとなくここに来ていたのだった。
「なにか、悩みでもあるのかね? そこのお嬢さん?」
唐突に後ろから声がかかる。
ビクッとして振り返ると、音葉と同じくらいの年の少女がいた。
「……なんで、お嬢さん?」
とりあえず思ったことを聞いてみる。
「だって、その方がかっこよさそうでしょっ!? ……でしょっ、楓!」
「いや、別にかっこよくはないと思うな……」
いつの間にか、隣に立っていた少年が、ダメだこいつ……みたいな感じで頭を押さえている。
ポカン、と呆然とする音葉。
「で、なんか困ったことでもあるのかな?」
今度は少年が尋ねてくる。
流れのまま、音葉は、こくんと頷いた。
途端、少年は笑顔になり、
「なら、僕たちが解決しよう。僕たちは、ヒーローだからね」
「そうだよっ、なんでも相談してみなさい! あ、私は夢咲燈。よろしくっ!」
元気いっぱいの少女が。
「僕は七星楓。よろしく。」
大人しそうな少年が。
そう挨拶した。
音葉は久しぶりに触れるやさしさに、目頭が熱くなるのを感じながら、それに答えた。
「……私は、冬城音葉。……よろしく。」
無論、少年少女は燈と楓。
3人の出会いだった。
「なるほど……。クラスの子から、いじめを受けているということか。」
状況を説明すると、楓はそう言って腕を組んだ。
真似して、燈も腕を組む。
「あ、いや、そんなたいそうなものじゃなくて、ものを隠されたり、無視されたり、悪口を言われたり……」
「結構、たいそうなものじゃない!?」
思わず、楓は声を上げた。
燈も真似して、ええっ!…と声を上げる。
「……燈、ちょっとは働いたら?」
「頭脳担当、楓! 物理担当、燈!」
ビシッと、なぜか決めポーズをとる燈。
すっと燈から目を逸らし、音葉の方へ向き直る。
「で、原因は?」
ええっ、無視!?……とかいう声が聞こえたがスルーだ。
「元々、いじめられている子がいて、我慢できなくて抗議したら、標的になった。結局、いじめられていた子も、まだいじめられてる……」
悔しそうに項垂れる。
大丈夫、君は間違っていない、そういって楓は音葉を励ます。
「そうだよっ! 困ってる子を助けようとするなんてヒーローみたいじゃん!」
立ち上がって、力説する燈。
思わず、音葉の顔にも笑顔が戻る。
「……そう言ってくれると、嬉しいな」
にっと燈も笑う。
そして、真面目な顔になり宣言した。
「よし、音ちゃんといじめられていた子も合わせて、二人を私たちが救います!」
ビシッと、またまた決めポーズ。
そこに、ジト目の楓が一言。
「……で、作戦は?」
「楓、任せた!」
キラッとサムズアップ!
大きなため息が、楓の口から漏れ出した。
「って言ってもなぁ……難しいんだよな、原因の解決は……」
うーん、と腕を組んで考え込んでしまう。
燈も、少し下を向いて考えこみ――あ!…と声を上げた。
「とりあえずさ! いい方法が思いつくまで、ここで遊ぼうよ! もう一人の虐められている子も呼んでさ、遊んでいれば寂しくないでしょ?」
ふふん、と鼻を鳴らす。
楓は、ぽかんと口を開ける。音葉はどこか困惑の表情を浮かべている。
「え……? いい、の?」
「うん!別にダメな理由なんてないし! そのうち、きっといじめも終わるよ! いいでしょ?楓!」
「あ、うん。僕は構わないけど……」
急な流れに、辛うじて追いついてきている楓。
そして、燈は何かを思い出したように、あ、と声を出すと
「ごめん! 今日、お母さんに早く帰ってきなさい、て言われてた! じゃあね~、楓、音ちゃん! 明日は、もう一人の子もつれておいでね!」
そう言い残してピュ~っと走り去っていってしまった。
残ったのは、呆気にとられて固まる二人。
「あ、あはは……ごめんね、燈はいつもこうなんだ。すぐ、頭より体が先に動いちゃうんだよ、まったく……」
そう愚痴をこぼしながらも、楓の口元は緩んでおり、その表情には微かな尊敬の色も見えた。
音葉も、苦笑いしながらも、なんかすごい子だなぁ……と自分に足りない勇気を持っている、彼女を尊敬してみたりするのだった。
「……ところで、話は変わるんだけど、本当に大丈夫?」
「えっ?」
突然、真面目そうな表情に戻った楓はそう切り出した。
音葉は困惑するばかり。思い当たる節は、ある。
「学校でのこと。なんか、色々我慢している気がしたからさ。僕でよければ話を聞くよ?」
あって十数分の人に言うつもりなんてなかった。
弱いところを見せるつもりなんてなかった。
ただ、悲鳴を上げていた心が、そんな小さなプライドなんて越えてしまった。
「ぅ、あ……ぐすっ……うぅ……ぐすっ」
ただただ、嗚咽を漏らした。
そして語った。
親ですら気が付かなかった、音葉の小さな変化を感じ取った少年に。
強がっていても、傷ついていること。
友達だった子にも、そんな過去はなかったように笑って虐められていること。
先生も、少し異変を感じても子供のじゃれ合いだと、解決してくれないこと。
たくさんのことを話し、ひたすら泣いた。
その間、ただ心優しい少年は、聞いてくれていた。
そして、しばらくした後。
「……ありがとう、少し楽になった」
頬を微かに赤く染め、ぶっきらぼうに音葉が言った。
その態度に、眉をしかめることなく楓は微笑む。
「たまには吐き出さないと、人の心は脆いから壊れてしまう。どうしても、辛くなったらいつでも頼ってくれていいからね。燈と違って、元気にはできないかもしれないけど、楽にはできると思うから。」
「……うん、ありがと」
そう言って、照れ臭くなったのか、音葉は手を振り、帰っていった。
そんな姿を見届けた後、楓は
「少しは、僕もヒーローになれたかな」
そう呟くと、同じく山を下り、帰路を辿った。
――そんなわけがないだろ。お前はヒーローじゃない
ちょっと、休むのが多すぎますね。
この話の続きは投稿するのですが、そのあと、正式に3週間の休暇を貰っていいですか?
ちょっと、書き溜めも作りたいですし、あんまり過去の話を長くし過ぎたくないんですよね。
なので、まとめて書いてバッと投稿できたらと考えております。
まだ、どうするか決まってませんが、そうなった場合は、しばしお待ちください。
こんなグダグダな作者ですが、どうかお付き合いください。
よろしくお願いします。




