宝くじに当たったある男の物語
松本「おお・・」
PC画面前。
松本「あ・・当たってる」
どうやら宝くじに当たったらしい。
松本「やった・・やたあ!これでこんな生活とも、おさらばだあ!」
ボロいアパート。
散らかった部屋。
松本「よ、ようし!まずは落ち着け~・・ふう・・ふう・・よし・・よしよし・・ええっと・・まずはみずほ銀行に行かないと、近場の駅は・・ふうん・・ここか・・ようし・・どうせ引っ越すからな・・近場で良いや・・電車の時間は・・っと・・おお・・ばっちしか・・」
早速着替え、出発。
〈ガタンゴトン、ガタンゴトン〉
着いた。
みずほ銀行員「はい、少々お待ちください」
意外に落ち着いた対応だ。
スーツ姿の禿げたおっさん達1人がやってきた。
おっさん1「お待たせしました、どうぞ・・ささこちらへ」
会議室?応接室?みたいな所へ通された。
そこであらかた説明を受けた。
まず結論から言えば直ぐには受け取れない。
2週間から3週間かかるとの事。
確認や、準備が終わり次第、連絡してくれるとの事。
そしてその際に、みずほに口座を作るか、他口座に振り込むか、一括引き出しかを選べるとの事。
みずほ銀行を選択した際にのみ、月にいくらを振り込むという風に、月額制に出来るとの事。
松本「・・分かりました」
一旦帰る。
そして銀行を出た瞬間。
〈ふわああああ〉
風が・・心地いい。
世界が・・輝いて見える。
松本「・・おお・・ああ・・・・これが自由・・俺は自由・・」
ダンスを踊りたい。
歌を歌いたい。
恋をしまくりたい。
豪華な食事をーーーーー。
松本「・・いやあ・・キリがないな・・一旦落ち着こう」
ファーストフード店に入り、少しだけ高いモノを3つ頼んだ。
松本「(いいか・・まずは・・落ち着こう・・〈モグモグ〉・・まずは・・増やすか、少しずつ使うのかを決めないと・・う~ん・・〈モグモグ〉」
暫く食べる事に集中。
コーンを箸で遊ぶ。
松本「・・そうだなあ・・〈コツコツ〉」
松本「・・どっちも・・かな・・まずは・・少額から始めて・・徐々に増やす・・残りは・・貯金を崩しながら生活・・して・・仕事は・・う~ん・・どうしよ・・やめよっかな・・今の仕事面白くないし」
コーンスープを飲みながら。
松本「〈ズズ〉・・っふう・・とにかく・・引越し先を決めないと・・あのアパートには彼女は呼べない」
まだ居ない彼女の心配をしている。
松本「・・ふう・・ごちそうさま」
会計を済まし、出た。
図書館に着いた。
宝くじに当たった経験者達、老後の為の資産運用等などの本を読みあさる。
松本「・・やっぱり・・そうだよなあ・・最初の計画通りに・・徐々に資産運用の道に入っていった方がよさそうだなあ・・」
図書館を出た。
家に帰ってきた。
PCをつけた。
松本「・・さあって・・引越し先を決めよう・・まずは・・空気と、水が綺麗で・・静かで、治安が・」
風俗が少ない方が治安が良い事に気がついた。
長崎県が一番風俗が厳しい。
長崎県、大村市。
松本「・・ここかなあ・・〈カチカチ〉」
アパートか・・マンションか・・そもそも賃貸か・・購入か・・。
松本「・・迷うなあ・・どうしよう・・図書館である程度は調べたけど・・賃貸がやっぱりよさそうだよなあ・・その土地に縛られるし・・家は資産にならないって言ってたし・・月に・・いやいや・・そもそも彼女を堂々と呼べる物件じゃないと駄目だし・・女が喜びそうな・・う~ん・・」
綺麗なアパートで、お風呂が広く、キッチンが広く、家賃が4万まで・・。
検索。
松本「・・一件もない・・くっそ・・俺の常識じゃ家賃は4万までなんだよ」
譲歩し、また検索。
あった・・が・・。
松本「・・う~ん・・古い・・お風呂も・・ああ・・駄目だな・・くっそおお!!分かった、分かったよ・・8万からしかないんだもんなあ・・8万から検索するよ、しますよ!〈カチカチ〉」
25件ヒット。
8万台 4件
9万台 3件
11万台以上はその他。
松本「8万円台は・・駄目だな・・何でお風呂に力入れないんだ?くっそ!風呂に力入れろよ!馬鹿!」
一人で怒る。
松本「・・はあ・・うう・・・・9万・・月に・・9万・・うう・・まじか・・9万・・まじか・・」
暫く悩む。
松本「・・資産運用が上手く行かなかったら・・引っ越すか・・うん・・そうしよう・・まずは・・行動が大事だ!うん、きっとそうだ・・きっとこの場所は、俺の人生を変えてくれる筈だ!」
コミコミで月、9万2千円支払いのメゾネットアパートに決めた。
松本「後は・・少しずつ・・片付けて・・3週間後には・・直ぐに出発出来るようにしておくか」
片付けを開始。
毎日、仕事から帰ったら片付け。
仕事も積極的になり、笑顔も増えた。
上司の評判が上がってきたのは・・なんという皮肉か。
だが・・それらを考慮しても・・やはり・・この仕事は好きになれない。
3週間後。
スマホに電話。
銀行員1「・・はい・・はい・・それでは・・はい・・お待ちしております・・はい・・失礼します」
見事に通過。
松本「いよっしゃあああ!!引越しだあ!!」
意味不明なダンスを部屋の中でやる。
4日後の水曜日に、仕事で休みを貰った。
水曜日。
スーツ姿。
松本「っはあ・・っふう・・っふうう・・はあ・・っよし・・行くか」
風呂場の鏡に向かって・・拳をコツンと付き合わせる。
着いた。
またあの応接室に通される。
銀行員「お待たせしました・・まずは・・こちらを・・」
例の本を渡された。
銀行員「・・ところで・・お仕事は・・お辞めになられますか?」
松本「・・ええ・・まあ・・考えた結果です」
銀行員「・・そうですか・・ですが・・私個人といたしましては・・あまり・・お勧めしない選択です」
松本「・・でしょうね・・これでも図書館で勉強しました・・けれど・・やっぱり・・今の仕事は・・」
銀行員「・・そうですか・・分かりました・・他の銀行に一括振込みで宜しいんですね?」
松本「・・はい」
銀行員「分かりました・・ではそのようにいたします・・」
様々な書類を松本と、銀行員が取り出す。
住民票、免許証、印鑑証明。
銀行員「それでは・・始めましょう」
松本「はい」
諸々を済ませ、銀行を出た。
太陽が眩しい。
風が・・気持ちい・・。
と思って外に出た。
が。
松本「・・え・・」
〈オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ〉
道行く人々が・・。
何もかもが・・。
怖い。
皆が敵に見える。
皆が泥棒に見える。
皆が自分を狙っている。
そんな錯覚が襲ってきた。
〈オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ〉
松本「・・これは・・何だ・・何だ・・何だこれ・・」
冷や汗が・・・・出てくる。
駅に向かい歩く。
松本「お金持ちは・・こんな感覚を毎日浴びてるのか?・・こんな・・貧乏人達がこんなに怖いだなんて・・」
街を歩くのが怖い。
横断歩道が怖い。
電車乗り場の一番前が怖い。
死ぬのが怖い。
使うお金を使わずに・・快楽を知る前に・・贅沢を知る前に・・幸せを知る前に死ぬのが・・こんなに・・こんなに怖いモノだなんて・・。
得られる筈だったモノがあれば、ある程に・・恐怖は増す。
死への恐怖。
松本「(・・これは・・やばい・・何だ・・何だコレ・・やばい・・人混みを歩けない・・何だコレ)」
プラベートジェット機、プライベートビーチ、プライベート、プライベート・・。
金持ち達が何故そんなにプライベートが大事なのか・・分かった気がした。
松本「怖いからだ・・怖いからだったんだ・・コレは・・やばい・・やばすぎ・・うっぷ」
公衆トイレに駆け込んだ。
〈ジャアアアアアアア〉
個室に入って吐き終わった。
松本「はあ・・はあ・・くそ・・大丈夫だ・・金持ちってバレなきゃいいんだ・・俺は・・引っ越すんだ・・だから・・ゴホゴホ・・大丈夫・・大丈夫・・」
落ち着き、出た。
業者に1週間前に連絡は入れておいた。
当日に支払い、引っ越した。
新しい家は広かった。
お風呂も広い。
松本「・・いい・・うんうん・・いい・・いいぞ・・うんうん・・ようし・・いいぞお・・いやっほお」
全てを見渡した後・・新しい家具位置を想像し、図面に正確に記入していく。
配置すべき家具の長さ、高さなどを決めて行く。
暫くは・・コンビニ弁当になりそうだ。
松本「・・〈モグモグ〉・・高い弁当も・・何か・・不味いな・・こんなモンか・・はあ・・奥さんの手作り料理が食べたいなあ・・」
ぼやく。
ネットもまだ引いてない。
退屈だ。
スマホでのYouTube、ゲームしかない。
松本「・・明日から・・一気に買物か・・気力使うかもな・・高い買物は自重しないと・・俺に資産運用の才能がない可能性もお考えた場合・・贅沢は出来ないからな・・とにかく・・最初は・・中くらいのレベルの家具・・を・・スウウ・・スウウ・・」
翌日。
家具家電巡り。
後で配達してくれるらしい。
車も買うか迷った。
買うことにした。
自身は車に興味なかったが、彼女の為に買うことにした。
ネットで女ウケが良い車を調べた。
女性もあまり興味がある訳ではない事が分かった。
だが・・軽はダメらしい。
松本「・・以前から格好良いって思ってた車はあるんだが・・う~ん・・高い・・う~ん・・高いなあ」
アウディだった。
松本「・・う~ん・・アウディ・・はあ・・やっぱり格好良い・・う~ん・・高い・・でも格好良い」
2時間。
4時間。
8時間。
12時間。
アウディの動画や、機能説明等を検索しまくった。
松本「・・買う?・・・・買う?・・う~ん・・買う?・・買っちゃう?・・買う?・・買う?」
まだ見ぬ彼女の笑顔が浮かぶ。
松本「・・俺も欲しい・・彼女も喜ぶ・・一石二鳥・・だよな・・よし・・〈ドックンドックン〉明日・・お店に行こう」
安いスーツ姿で行った。
意外に丁寧に接客された。
車の事は良く分からなかった為、一番高いアウディを購入した。
一番高いオプションセットも付けた。
後悔だけはしたくなかった。
3000万だった。
明らかに店員達の様子が変わった。
高いお菓子や、紅茶が出てきた。
美人のお姉さんが隣に座って来た。
しかし、何か説明をする訳でもない。
ただの紅茶作り係りのようだ。
お洒落なスーツの頭が良さそうな男が接客してきた。
真っ白な歯だった。
スーツ「では・・こちらにサインを・・はい・・少々お待ちください・・」
暫く、適当に美人とお話。
戻ってきた。
スーツ「お待たせしました・・では・・お受け取りは一ヶ月後になります、宜しいですか?」
松本「はい」
店員達の盛大なお見送り『有難うございましたあ』
家具、家電が届いてきた。
次々に届いてくる。
2階がダンボールの山になった。
松本「・・ふう・・こんなモンかな・・」
終わったようだ。
一ヶ月後。
自宅にアウディが運ばれて来た。
〈ウイイイイイイイイイイイイイイガタン〉
降ろされる。
真っ白なアウディ。
松本「おお・・やばいな・・格好良すぎ・・」
業者「有難うございましたあ」
松本「ありがとうございました」
早速乗り込む。
松本「おお・・臭い・・新車の匂い・・おお・・やばい・・いいなあ・・うおお」
色々触る。
松本「うおお・・〈カチカチ・・ピピ・・ヴン〉・・やっべえ・・うおお・・」
1時間後。
ようやく降りた。
トイレに入って。
また乗り込む。
また1時間後、降りた。
松本「・・ふおおお・・ようやく・・何か・・実感が湧いてきた・・ふふふふ」
にやける。
手で顔を直すが・・収まらない。
松本「・・ごほん・・とにかく・・・・・写メを・・〈カシャ、カシャ〉」
その夜。
松本「よおし・・贅沢は車だけだ・・後は・・趣味だけど・・出会いがある趣味・・ネットはもう引いたし・・FX口座はまだ業者待ちだし・・う~ん・・そうだ、ゴルフなんかどうかな?・・検索してみよう!確か大村ってゴルフ場が」
検索。
ゴルフ場。
大村カントリー。
松本「おお・・あった・・ここだ・・う~ん・・ゴルフってどんなルールで、どんなモノが要るのかな?」
検索。
松本「なる程・・セットがあるのか・・うっわ!たっか!何コレ!?・・たっけええ」
暫く調べる。
松本「・・ゴルフはないな・・違う趣味にしよう、うん、何でこんなに初期費用がかかるんだ、馬鹿か?」
違う趣味にしようと・・するが・・。
松本「・・ない」
いくらでも趣味は作れるが・・。
出会いがありそうな・・趣味・・それも教養がありそうな・・つまり馬鹿ギャルがいない趣味となれば・・限られる。
松本「・・ないよう・・くそ・・くっそ・・何でゴルフってこんなにかかるんだ?・ぼったくりだろ!?」
暫く検索するが・・やはり・・。
松本「・・う~ん・・やっぱりないか~・・まあ・・いいか・・仕方ない・・出会いの為だ!やる・・やる・・やる・・やる・・うう・・・・・・・・・・あ”あ”もおう!!〈カチカチ〉」
ネットでセットを購入した。
一番安物から5番目に高いモノを選んだ。
松本「・・やってしまった・・金持ちって・・普通の暮らしに金かけ過ぎだろ・・これじゃいくらお金あっても足りないよ・・トホホホ」
暫くはコンビニ弁当は安いモノを買った。
引っ越してから1ヶ月と8日が過ぎた。
ゴルフセットが前日に届いた。
松本「さあ・・行くか!」
アウディに乗り、出発。
意外に入りやすかった。
プレイ時間等を聞かれ、初めてだと恥ずかしながら言った。
丁寧に教えてくれた。
本もくれた。
優しかった。
いよいよ試し打ち。
松本「・・こうやって・・こう?〈ブン!〉」
?「ああ・・違う違う」
知らないおじさまが話しかけて来た。
松本「ああ・・ええっと」
おじさま「初めてだろはははは、どれ、手本を見せよう」
松本「あ・・はい・・すいません」
おじさま「いいさ・・見てな・・こうやって・・こう!〈パキュ〉」
ナイスショット。
松本「おお~・・凄い!」
おじさま「はははは、こんなのたいした事じゃないよ、ほれやってみ」
松本「あ、はい」
結構丁寧に教えて貰った。
結局名前もお互い聞かず、別れた。
翌日も、その翌日も通った。
おじさまは毎日居た。
徐々に打ち解けていった。
おじさまの友人達とも仲良くなっていった。
おじさま1「では結婚してないし、彼女も居ないの?」
おじさま2「そりゃ勿体無い」
おじさま3「紹介しようか?ははは」
おじさま4「別れた女房をか?」
おじさま3「うっせ」
おじさま4「はははは」
おじさま5「いい子がいるよ・・あの・・ほら・・あの子」
おじさま5が指差す方向を見ると、可愛い女性が若い男性達と打っている。
ハーフ?なようだ。
金髪で、瞳は緑?・・かなり・・いや・・超絶美人だ。
松本「・・いやあ・・俺英語話せないし・・」
おじさま5「はあ?何言ってる、あの子日本語ペラペラだぞ?」
松本「え・・そうなんですか?え?日本人?」
おじさま5「いやいや・・生まれはロシアだと言ってたよ、まだ結婚も、彼氏もいないだとさ」
松本「・・へえ・・そうなんですかあ・・それなのに日本語ペラペラって凄いっすね」
おじさま5「ああ・・本当にいい子だよ、少し話しただけだがね、今は休暇で日本に来てるらしい」
松本「ええっと・・じゃあ・・一緒にプレーしてる人達は?」
おじさま5「ははは、ハイエナ共さ、よく居るだろ?どこにでもな」
松本「・・そうなんですか」
おじさま1「さ、君の番だよ」
松本「あ、はい」
片付けをし・・車に戻ろうと・・。
ロシア女性「いい加減にしてください!」
男性「何だよ、あんなに楽しく一緒にプレーしたじゃないか!」
ロシア女性「それはそれ、これはこれです、つきまとうのはよして」
男性「何だよ・・一回くらいいいじゃないか食事くらい!」
ロシア女性「嫌!離して!」
周りの男性達も止める。
男性「くそ!お高く止まりやがって!もういい!二度とお前なんか相手にしない!後悔するんだな!」
去っていった。
松本「・・(モテるのも大変なんだなあ・・)」
自分には関係ないと、車に向かうーー。
その前に急にトイレに行きたくなった。
松本「〈ジャアアア〉・・ふう・・美人だもんなあ・・色々・・あるんだろうな」
ハンカチでふきながら出ると・・ばったり。
松本「あ」
ロシア女性「!?」
トイレの影で泣いていた。
2人『・・・・』
松本「ああ・・っと・・す・・すいません・・見なかった事に・・」
ロシア女性「・・」
すごすご去った。
ロシア女性「・・」
翌日。
いつもの時間におじさま達と打っていた。
ロシア女性が近づいてくる。
松本「・・(まさかね・・)」
ロシア女性「あの・・」
松本「(俺じゃない俺じゃない)」
おじさま達『ごほん、ごほんさて・・わしらはこのへんで』
松本「え?え?〈ドン〉いっつ?」
おじさま5「しっかりな、ははははは」
松本「・・」
ロシア女性「あの・・聞いたんです、初心者ですか?」
松本「あ、ええっと・・ま、まあ・・はい・・すいません」
ロシア女性「クス・・クスクス・・なぜ謝るですか?おかしいですクスクス」
松本「あ・・はは・・い、いやあ・・ははは」
ロシア女性「私結構上手です、教えたい、駄目です?」
松本「え?」
ロシア女性「・・駄目ですか?」
松本「・・ああっと・・そのう・・ええっと・・あの・・は、はい・・嬉しいです」
ロシア女性「〈パアア〉そう!なら、これ持って〈グイ〉」
クラブバッグをからわせる。
松本「え?」
ロシア女性「レッツプレイ!ゴーゴー」
松本「・・(あれえ?元気いいなあ?)」
その日は楽しかった。
下手くそな自分で笑ってくれる。
嬉しかった。
ロシア女性「全く、まだまだですね、明日も来る、いいですか?」
松本「あ、はい」
ロシア女性「クスクス」
松本「(可愛い)」
次の日も、その次の日も、丁寧に教えて貰った。
時には顔を真っ赤にしながら、密着して教えてくれた。
2週間後。
一人でトイレに居たら、おじさま5が話しかけてきた。
おじさま5「おう、どうだい?調子は?」
松本「ああ、いや・・はいお陰様で」
おじさま5「連絡先とか聞いたかい?」
松本「え?」
おじさま5「え?じゃねえだろう・・やっぱりまだなのかい?」
松本「・・まあ・・はい」
おじさま5「今日聞けよ」
松本「え」
おじさま5「今日聞かなかったら・・お前さん・・ここの男達全てに喧嘩売る事になる、あの子を遊んでるってな・・あの子はいい子なんだ・・皆が幸せになって欲しいと願ってる・・いいか?今日、聞くんだ」
松本「・・」
おじさま5「お前さんになら・・いいと思ってる・・皆な・・〈ジャアアア〉」
去った。
松本「・・大事に・・されてるんだな・・責任重大ってやつか・・そうだよな・・何で気づかなかったんだろう・・皆から愛される人と一緒になるって事は・・大きな責任が伴うって事なんだ・・」
暫く鏡と睨み合う。
松本「・・遊んでるってな・・か・・そうだよな・・聞かないとな・・」
お昼後。
ロシア女性「さ、回りましょうか」
松本「・・あ・・あの・・」
ロシア女性「?はい?」
松本「・・連絡先って・・聞いても・・良いですか?」
ロシア女性「何で?」
周囲の皆『・・〈ゴクリ〉』
松本「え・・なんでって・・」
ロシア女性「だから、何で?」
松本「・・い、いやあ・・えっと・・」
ロシア女性「何で?答えてください」
松本「あの、いやご迷惑だったら・・」
ロシア女性「迷惑だって言いました?」
松本「??????」
ロシア女性「理由は?」
松本「あのう・・」 泣きそうだ。
ロシア女性「ハッキリしなさい!」
松本「・・あ・・貴方が好きだからですうう・・うう・・」
ロシア女性「・・」
周囲『「言ったよ」「言ったな」「言っちゃったよ」「うわあ」「言っちゃった」』
松本「・・」
ロシア女性「もう一回やり直しです、もっと堂々と言って?・・ほら」
周囲『ざわざわ』
松本「・・(ええ・・)」
ロシア女性「ほら!もう一回!」
松本「・・貴女が・・好きです、連絡先を教えてくださいませんか」
ロシア女性「〈ゴソゴソ〉」
ロシア女性「・・はい」
名刺。
用意していたようだ。
周囲『ふうううううううううううううはははははははははは、良かったなあはははは』
松本「あ、有難うございます、ありがとうございます」
ロシア女性「・・・・」 顔が赤い。
ロシア女性「私も好きだった・・です〈ガバア〉」 抱きつかれた。
松本「おおうう!?」
付き合いが始まった。
2人で一番最初に性病検査を受けた。
何もかも陰性。
名前はイロナ。
イロナ「この車乗ってみたかったの、うわあ、凄いね」
松本「そ、そう?」
格好つける。
アパートに彼女がやってきた。
いきなり隅々までチェックされた。
イロナ「結構・・綺麗にしてるのね」
松本「ありがとう、お茶入れるよ」
イロナ「あたし手伝う」
松本「いいよ座ってて」
イロナ「いや、手伝うの」
松本「はい」
イロナ「ああ!ココアがある、これ飲みたい」
松本「うん、分かった」
イロナ「日本のココアは本当に美味しいよね」
松本「そ、そうなんだ」
イロナ「ふんふ~ん」
見回す。
イロナ「・・〈ガチャ〉」
PCの部屋に入る。
松本「あ」
イロナ「こっちの部屋は?わお、パソコンだ、ねね、パソコンで何すんの?」
松本「何って・・別に・・」
FXを練習しているとは・・言えなかった。
イロナ「・・ああそう・・やらしい事?うふふ」
松本「・・あ・・いや・・」
もちろんそれもある。
イロナ「大丈夫、分かってるから、男の人は大変だもんね・・ココアまだ?」
松本「ああ・・出来たよ」
イロナ「このお湯沸かし器速いのね、なんていう機械?」
松本「ティファール」
イロナ「ティファール!へ~・・ティファール・・日本の家電は凄いから好き」
松本「そうらしいね」
イロナと共に過ごす時間は穏やかだった。
時々凄い行動力や、ハキハキしすぎる態度に冷や汗をかくこともあったが・・それを除けば、美しい女性だ。
付き合い始めて3ヶ月が過ぎた。
また2人で性病検査を受けた。
何もかも陰性だった。
イロナは毎日遊びに来た。
ゴルフが終わって、遊びにきて、必ず夜は帰っていった。
そんな関係が一ヶ月も続けば流石に松本は焦ってきた。
まるで老夫婦。
お互いのスペースを確保しつつも・・自然に暮らす。
松本「(いやいや・・悪くないよ?悪くないんだけどお・・うおおおお・・どうしよおおお)」
トイレでうずくまり、考え込む。
イロナ「・・」
どうやら今日も帰る様子。
イロナ「じゃあ・・また明日」
松本「・・はい」
イロナ「・・明日」
松本「え?」
イロナ「明日・・夜・・出かけましょう?」
松本「・・え・・あ!?は、はい!」
イロナ「ディナーね」
松本「はい!」
イロナ「じゃあ〈バタン〉」
松本「いよっしゃああああああああ!!」
外玄関前。
イロナ「・・クスクス」
翌日。
ゴルフが終わって・・アパートで待ち合わせ。
タクシーでやってきた。
松本は一応ホテルも予約しておいた。
今日はそこのホテルでディナーだ。
慣れないタキシード姿。
この日の為にオーダーメイドしておいた。
イロナも赤いドレス姿。
金髪が映える。
美しさの中に、無邪気さが漂う。
2人アウディに乗り込む。
出発。
中々弾まない会話。
ホテルに着いた。
テーブルに座る前に、先に女性の椅子を引く。
イロナ「ありがとう」
松本「いいんだ」
運ばれてくる料理。
舌包み。
美味しい。
イロナ「う~ん♡・・んん”~~♡」
松本「美味しいね」
イロナ「最高です~♡」
松本「〈ドッキン〉・・うん」
2時間後。
イロナ「うふふ~・・んでね?あたしに何で声かけないんだろうって思ったの」
松本が初めて近くで見た日の事だ。
イロナ「それでえ、よくよく見たら何かいい人っぽいかなあって」
松本「・・」
イロナ「それで声をかけたのよ、でも、やっぱりいい人で良かったあ」
松本「(結構酔うと喋るなあ)」
イロナ「ちょっと聞いてんれふか?」
松本「ああはい、聞いてます」
イロナ「うふふ・・それでえ・・こうやって美味しい料理とか・・もう・・いいれふね~」
松本「はい、そうですね」
イロナ「泊まれふの?泊まる?帰る?ろっちれふか?」
松本「一応・・泊まれますはい」
イロナ「じゃあ・・部屋にいくら」
松本「はいはい」
イロナ「ふんふん」
部屋まで肩を貸した。
〈バタン〉
翌朝。
シャワーを浴びるイロナ。
テレビを見る松本。
バスローブ姿で現れた。
イロナ「あなたも浴びれば?」
松本「・・うん」
その後2人で朝食に下に降りた。
松本「・・」
イロナ「朝食も美味しいわね、ふふ」
松本「・・うん」
イロナ「・・何?」
松本「え?」
イロナ「元気ないよ?」
松本「・・うん、大丈夫・・」
イロナ「・・勃たなかった事まだ気にしてるの?」
松本「・・・・ごめん」
イロナ「・・はあ・・いいって言ってるのに」
松本「・・ごめん」
イロナ「いいのよ・・初めてだったんだし、緊張しちゃうのも無理ないわ」
松本「・・」
イロナ「分かってるって言ったでしょ?大丈夫よ、男の人は大変よね」
松本「・・イロナ・・」
イロナ「ささ、食べましょ?美味しいわ」
松本「・・うん・・ありがとう・・頂きます」
半年後。
イロナ「休暇が終わってしまいました」
松本「え」
イロナ「シンガポールに戻らないと」
松本「え・・し・・シンガポールって」
イロナ「遠距離恋愛だね・・耐えられる?」
松本「いや・・耐えられますけど・・」
イロナ「けれど?」
松本「その・・え?・・お別れ?」
イロナ「ん~・・来年?」
松本「ええ・・そんなあ」
イロナ「淋しい?」
松本「・・〈コクン〉」
イロナ「ふふ、私も〈ガバア、ギュウウウ〉」
松本「・・」
その日はそれで別れた。
翌日。
空港で見送った。
松本「・・パスポート・・取得しないと・・」
ずっと、傍にいると・・思ってた。
役に立たなかった自分なんかを見捨てずにまだ付き合ってくれている。
あんな女性は2度と現れない。
絶対に。
松本「・・パスポート・・取ろう」
その足で手続きに向かった。
イロナ「え?コッチ来るの?」
松本「・・うん・・行きたい・・ダメかな?」
イロナ「いや、う~ん・・駄目じゃないけど・・大丈夫?・・そうね・・空港に迎えに行くわ・・いつ?」
松本「1週間後」
イロナ「一週間後・・21日?」
松本「20日」
イロナ「20日ね・・分かった、楽しみね」
松本「うん、ありがとう」
イロナ「・・そんなにあたしに会いたかった?」
松本「・・はい」
イロナ「ふふ」
松本「はは」
イロナ「・・実家・・案内するね」
松本「え!?」
イロナ「嫌?」
松本「ううん、嬉しいよ」
イロナ「良かった・・じゃあ、19日に時間連絡して?」
松本「はい」
イロナ「じゃ」
松本「はい」
イロナ「・・じゃね」
松本「・・はい」
どっちも切らない。
イロナ「・・」
松本「・・」
イロナ「・・〈プツ〉」
松本「〈ツーツー〉」
女秘書「社長?どうしました?泣いてるんですか?」
イロナ「グス・・いいえ・・嬉し泣きだから・・気にしないで」
女秘書「そうですか・・お相手は?どんな人か聞いても?」
イロナ「日本人よ・・すっごく・・なんていうか・・しっとりした人なの」
女秘書「しっとり?・・日本的表現ですか?」
イロナ「ああ・・そうね・・ええっと・・そう・・凄く優しい人よ、傷つきやすくて、切なくて・・壊れそうな人なの、でも・・何ていうか・・落ち着くの、凄く」
女秘書「・・素敵な方なんですね、それで?20日に来られるんですか?」
イロナ「やだ、聞いてた?そうなの、私に会いたいって」
女秘書「社長・・その・・お相手は社長の仕事をご存知で?」
イロナ「ううん、そんな事に微塵も興味ない人なの、バレてない」 舌を出す。
女秘書「宜しいので?」
イロナ「何が?」
女秘書「年収20億ドルも稼ぐ会社の社長ですよ?大抵の男は尻込みしますよ、もしバレたりしたら・・」
イロナ「・・そうね・・別れを切り出されるかも」
女秘書「戒厳令を敷きますか?」
イロナ「うふふ大袈裟ね、いいわよ、そんなの」
女秘書「しかし」
イロナ「マリーン・・」
マリーン「・・はい」
イロナ「いいの・・それにー・・多分・・大丈夫」
マリーン「・・分かりました、それでは重役会議が2分後に迫っています、必要なモノはここに」
イロナ「OK・・では行きましょうか」 ピシっと社長の顔になる。
20日。
午前10時。
シンガポール空港。
松本「・・」
彷徨う男。
イロナ「お客様どうされました?」
松本「あ・・いや・・」
イロナ「はあい」
松本「あ・・もう」
イロナ「久ぶり」
松本「はい」
イロナ「元気だった?」
松本「はい」
イロナ「・・ん」 キス。
松本「んむ」
イロナ「行きましょう」
松本「はい」
タクシー。
イロナ「両親に会って?」
松本「・・こんな格好でいいの?」
ラフな格好。
イロナ「・・う~ん・・まあ、いいでしょう」
空高いビル。
ホテルらしい。
松本「・・」
イロナ「こっち」
松本「う、うん」
緊張してきた。
両親「・・」
母親はロシア人。
父親は日本人とロシア人のハーフ。
以下英語。
母親「あらあ、よく来てくれましたどうぞどうぞ」
松本「あ・・はい・・どうも・・ええっと・・I can not speak english 」
両親「!?・・、・・・・・」
顔を見合わせる。
松本「・・」 気まずい。
松本「〈ゴソゴソ〉」 カバンから翻訳機を取り出した。
松本「あの・・これで・・その」
両親はイロナを呼び、少し離れた。
両親「ヒソヒソ」
イロナ「%$#$#$#%$%$%?&%$%$#$#$#$%$」
何か怒っている。
松本「・・〈カチ〉」翻訳機のスイッチを入れる。
その場の会話を自動で音を拾い、日本語へ翻訳。
母「こんな低脳な日本人連れて来て!何考えてるの?」
父「そうだ、何考えてる」
イロナ「私の好みに口出ししないって言ってくれたじゃない!優秀さで人は決まらない、私が安心出来るかどうかでしょ、違う?」
母「とにかく、この人は・・その・・モノ目当てじゃないにしても!有り余ります!認めません」
父「そうだ、認めん」
イロナ「こうやって、翻訳機も買ってきてくれてるじゃない!何が不満なの?彼が頼りなさそうに見えるから?」
母「・・」
父「・・」
イロナ「彼は確かに頼りないわ、すぐへこむし・・でも!素晴らしい人なの!優しいの!日本人らしさを彼から感じられるの!」
母「・・」
父「・・もし・・あの日本人と一緒になるつもりなら・・立場を降りて貰う」
イロナ「え・・そんな!?」
父「いいか、立場を考えなさい、彼みたいな人と付き合って、部下がついて来てくれると思うか?」
母「考え直して」
父「ただでさえ体がチビな上に・・無能とは・・悪いことは言わない・・考えろ」
イロナ「・・」
母「・・」
父「・・」
イロナ「分かった」
両親「ホオ・・」
イロナ「駆け落ちする」
両親「!?」
イロナ「彼と・・何処か・・平和に暮らす、反対されたらそうしようって思ってた」
母「ああ〈クラア〉」
父「お前・・なんだってあんな・・そんなに好きなのか?何処が?何処がだ?」
イロナ「魂よ」
父「た・・魂?」
イロナ「そう、魂、彼からは欲望を感じないの、私をアクセサリーとして見ないの、性的な道具としても見ない」
両親「・・」
イロナ「彼は・・私が・・唯一、心を預けられる人なの!他の男とは違うの!」
遠くで話している為、全く音を拾わない。
松本「(何話してるんだろう?・・まあ・・反対されてるのは・・分かるけど・・どうしよう)」
父「・・彼は・・お前の仕事を知らないんだろう?知ったらきっと別れを切り出されるか、利用される」
母「もう知ってるのかも」
イロナ「いいわ、なら、実験しましょう!」
戻ってきた。
松本「(おお・・戻って来た・・でも、何か・・険悪な雰囲気)」
イロナ「私、社長なの」
両親「・・?」 両親は日本語は少し、しか分からない。
イロナ「・・」 翻訳機をいじくる。
設定を日本語から英語へ。
両親へ画面を見せる。
イロナ「わたし、社長なの」
両親「!?」
父「何言ってー」
イロナ「借金がいっぱいあるの、今会社潰れかかってるの、大変なの、さっきの言い争いはその件なの」
松本「・・はあ」
イロナ「それでも・・私と・・結婚してくれる?」
睨らまれる。
松本「え?するよ、もちろん」
両親「!?」
イロナ「私が社長だって知って・・驚いた?」
松本「え?ううん?別に?」
イロナ「じゃあ・・借金がいっぱいあるけど・・貴方も働いてくれる?」
松本「うん、いいよ、働く、でも・・何したらいいんだろう?分からないな」
両親「・・」
イロナ「私の何処が好き?」
松本「え・・」
イロナ「答えて」
松本「ええ・・ここで?〈チラチラ〉」 両親を見る。
イロナ「答えなさい」
松本「・・うう・・ええっと・・」
両親「〈ゴクリ〉」
松本「・・美人で・・優しくて・・気が大きくて・・でも・・何より・・」
イロナ「・・」
両親「・・」
松本「一緒にいて・・安心出来る事かな・・何でかは・・分からないけど・・安心出来るんだ一緒だと」
イロナ「~~〈ガバギュウウウウ〉」
松本「うっぷ!?」
両親「・・」
父「・・ムスメヲ・・ヨロシク」 頭を下げる。
母「ヨロシクオネガイシマス」 頭を下げる。
松本「あ・・」
イロナ「・・〈コクン〉」
松本「は、はい!、こちらこそ、よ、宜しくお願いします!」
その後は、驚きの連続だった。
イロナは化粧品や、SEXに使うローション等を制作する会社の社長で、年収は日本円で2000億。
イロナ「・・騙してごめんなさい・・借金とか・・全部嘘なの・・本当にごめんなさい、試したりして」
松本「え?・・いや・・いいよ・・お金持ちにはお金持ちの不安や悩みがある事は・・分かるから・・だから・・分かってるから・・大丈夫だよ〈ニコ〉大変だね」
イロナ「・・」
松本「・・」
キス。
14日後。
帰国。
2ヶ月後。
松本「ええ?今度はそっち?」
イロナ「ええ、駄目?」
松本「いや・・駄目じゃないけど・・いつ?待って・・メモとるから・・はい・・いいよ、いつ?」
イロナ「ふふ〈プツ〉」
松本「え〈ツーツー〉」
松本「・・何?」
〈ピンポーン♪〉
松本「・・うそ」
〈ピンポーン♪〉
松本「まじで?」
急いで玄関へ降りる。
〈ガチャン〉
イロナ「はあい♡」
松本「イロナああ?どうしたの!?ビックリしたあ」
イロナ「ドッキリで~す、ひゅうう~」
松本「ああ、入って入って、うわ、何それ?」
イロナ「日本の伝統的茶碗と、扇子ですネ!美しいから買いました!」
松本「・・いやいや・・安物だからそれ・・」
イロナ「おう?・・まあ、まあ、気にしない気にしない」
松本「あははは、ココア入れるよ」
イロナ「お~♡、ココア、ココア♡」
その後、日本で正式にプロポーズ。
忙しい日々。
あれよあれよという間に、出会いから2年。
ペナン島。
神父「健やかなる時も、病める時も、共に支え合い、励ましあい、生きていくと誓いますか?」
イロナ「・・誓います」 お腹が大きい。
松本「・・」
神父「?・・誓いますか?」
イロナ「・・?」
松本「・・君が・・」
松本「君が・・例え寝たきりになっても・・君だけを愛し続ける事を今、この時だけじゃない・・永遠に誓うよ」
神父「・・では誓いのー」
松本「ん〈チュ〉」
イロナ「ん〈チュ〉」
神父「・・・・キスを・・アーメン」
〈ガラアン、ガラアアン、ガラアアン、ガラアアン〉
Fine。