第5遊 『大菊 鷹乃』
今回は大菊 鷹乃と言うキャラを大まかに説明する感じとなります。
少し天然さが混じっていたり何となくほんわか系の大菊 鷹乃ですが意外な一面も割とあったりしますのでどうぞ!
弓矢を持った兎(狩兎)との戦闘が開始される。匹数は8匹と少し多めに感じるが不意打ちさえなければ脅威な的では無い。
「や〜!塵と化せ〜」
俺はこの世界では戦士と言う役割だから近距離で間合いを詰めながら戦う中、魔法使いである大菊は容赦無く兎を遠距離火魔法で焼いていく。良い子は決して見てはいけない図だ。にして魔法使いって少し大胆な衣装してるよね。今装備してる魔法効果増大のも……いや、今はそんな事を考えるな、俺。
そして、他の2人の職業も南がモンクで京介がクリエイターと言う基本近距離戦なのでどんどん間合いを詰めて行く……ていうか南は仮にもお嬢様なのに回し蹴りで兎を倒すとか何かシュールな画だな、おい。
「やぁ!……えぇ、この調子なら後少しで終わりますわね!」
「うおりゃあ!……ふっ、楽勝だぜ!」
「良し……!」
2人がそう言いながら残り一匹になった狩兎に特攻したので俺も行こうと足を踏み出すと
「あっ!駄目っ!」
「うぐっ」
「きゃあっ!?」
「うわっ!?」
そう言いながら俺の肩を掴みながら南と京介の足元に強烈な火の弾を放った……2人共動きは止まったが顔は真っ青だ。外したらどうするつもりだったんだよ。
「ど、どうしたのですか?鷹乃さん?」
「どうしたんですか?鷹乃先輩」
俺はその目の前の残虐光景一歩手前と言う大菊の行為に少し呆然としている中、早く冷静さを取り戻した南と京介が大菊に汗を掛けながらも話かけた……大丈夫かよ、お前ら。
「お、おい?大菊?」
中々、質問に応えてくれない大菊はただ狩兎に焦点を合わせていた。俺達もそれに視線を向け少しの間見ていると
ゴポポ……ゴポポ……ブシュッ!……ジュー……
『……!!』
敵は紫色の液体へと形状変化をしその直後、爆発するかのように液体を撒き散らすと姿と共に付着した部分が溶けて消失していた。
「こ、これは……」
その目の前の光景に驚愕しながらも漸く言葉を発する事が出来た。
「毒だよ〜」
「ど、毒ですの?」
「うん〜、しかもその中でも即死性が強い猛毒なんだよね〜」
「た、確かにその様ですね……」
溶けた地面を見れば誰でも分かる。あんなの喰らったら即教会送りだ。
にしても……
「良く、分かったな」
「ん〜?だって昔やってたじゃん〜」
「いや、そりゃあそうだけどさ……」
「これやったのは、確か何年も前のはずですしその間にも結構なゲームしてますから忘れていましたわよ……」
その通りだ。このゲームをプレイしたのは何年も前の上に、その上俺達は沢山のゲームをしてるせいか細かい敵設定は忘れたりしていた。
だが、
「ん〜?でも、私は全部のゲーム設定をほぼ覚えてるよ〜」
「あぁ、まぁ大菊ならそうか……」
そう言えば、大菊は根っからの成績優秀で何より記憶力が抜群に良い。俺達は何回も見ないと分からないのを1回見たら暗記してしまうと言う羨ましい記憶力の持ち主だ。
「流石、鷹乃さんですわ……!」
「流石、大菊先輩ですね!」
他2人も改めて感心している……まぁ、俺も何時もこの記憶力には助けられてる訳で……
『遊(神無月さん)とは大違いです(わ)!!』
「いや、お前らも変わんねぇから」
他3人は対した記憶力は変わらない。悪くも無く良くも無く極普通な感じだ。
「あはは〜そんな照れるよ〜」
そう言いながら俺にぴとっとくっ付き始めた……って何でくっ付く!
「うおっ!?……お、おい。大菊」
「ん〜?何?」
「何でいきなりくっ付く!離れろ!」
「え〜、だって他の2人は素直に褒めてくれたのにゆゆっちだけは褒めてくれなかったよ〜」
「い、いや!俺は心の中で褒めるタイプだから!お願いだから離れて!」
胸が当たってる!前聞いた話ではFぐらいはあるって言ってた自称巨乳が当たってる!しかもゲームの世界の筈なのに銀髪からはミルクみたいな良い匂いがするし!
「じゃあ、褒めて〜」
「わ、分かったから!大菊は凄い!天才!マジで天才!ひゃっほぉ!!」
テンパる挙句最後は良く分からない奇声を上げてしまった……我ながら恥ずかしいがまぁ仕方が無い事だ。
「う、うん〜。ありがとう〜」
「ふ、ふぅ…………」
すると大菊は少し照れくさそうに頬を掻きながらも漸く離れてくれる……がまぁ確かに凄い事は凄いのだ。しかも
「まぁ大菊はその記憶力だけが良い所だしな」
「酷いよっ!?」
俺がそんな事を言うと、大菊LOVEの南が俺に突っかかってくる。
「そうですわよ、神無月さん!鷹乃さんには…………鷹乃さんには他にも可愛いってあるではないですか!」
そんな事を言ってくる。まぁ、確かに青い瞳にミルクの匂いがする銀長髪……それに巨乳。これは否定は誰にも出来ないし素直に認める事に。すると
「う、うん?まぁ確かに……可愛いな」
「…………えっ?」
あれ?大菊がまた頬が赤くして今度は俯いてしまった。しかも
「か、神無月さん?」
「お、おい?遊?」
「はい?」
「いや、はい?って神無月さん……」
他の2人も少し驚いた表情を浮かべてるし。南に関しては少し呆れ気味だ。でも、その前に大菊が気になるし聞いてみるか。
「どうした?大菊。調子でも悪くしたか?」
「い、いや〜……そう言う事では無いよ〜」
「そうか?もし調子悪くなったならすぐ言えよ?」
「う、うん。ありがとう〜」
まぁ、フラフラしている様子は無いし少し顔が赤いけど回復薬飲めば何とかなるだろうし良いか……ってそんな事を考えていると
『…………じー』
「うおっ」
南と京介に睨まれていた。いや、怖くは無いけど……何故か睨まれていた。
『…………じー』
「み、南に京介もどうした?」
「ん?いやぁ…………ねぇ?」
「はい……遊って普段冷たいくせに」
「無意識にジゴロですわよね〜」
「はぁ?」
意味が分からん。ただ、俺は可愛い事に肯定しただけだぞ。そんなの友達でも普通だろ。
「意味が分からん事言うなよ」
「ギャップ萌の存在が意味が分からない貴方に言われたくないですわね」
「同感です」
「いや、何だそれ!」
「そう言う事ですわよ……まぁ、分からなければ良いですわ」
「はぁ……さいですか」
何か溜息を付かれてしまった。てか意味が分からないがとりあえず馬鹿にされてるって事は分かるんだが何が言いたいんだ?
「ね〜もう良いから行こうよ〜日が暮れちゃうよ〜?」
俺達が会話している間に冷静さを取り戻した大菊が俺達の間に入りながらそんな事を言う。まぁ確かに時間的に進めないと不味いしな。
「そうだな、行くか」
「そうですわね、仕事時間が終わってしまいますわね」
「そうですね」
そう言いながら南も京介も再び歩み始めた。
「さて、大菊も行くぞ」
「は〜い」
俺達もその後ろについて歩き始める。
大菊 鷹乃。賢く外見も可愛いし少しゆったり気味な女性。俺達の間では密かに『天使の頭脳』何て言われている。主に南が付けたのだが。