園田修斗
昨日更新できず、申し訳ありませんでした。理由はありますが、皆様にご迷惑をおかけしたことに変わりはなく、今後、このような事がないよう努力してまいります。
今後とも本作をよろしくお願い致します。
「失礼します」
扉を叩いて入ってきた秘書を
「おお、来たか」
と迎えた男。
彼こそロシア帝国皇帝、ニコライ二世である。柔和な笑みを浮かべてはいるが、瞳の奥では臆病な光が見え隠れする。
「鉄道のダイヤに大幅な遅れはなし。各隊、無事に国境までたどり着けそうです」
「そうか、それでイギリスはなんと?」
「それなのですが…、まだ動く様子はありません。どうやらドイツがベルギーの国境を越えるのを待っているようです」
イギリスはドイツと並んで強い影響力を持っている。ここ最近、ややドイツと対立しているとはいえ、決して油断はならない。
大儀であった、と秘書を下がらせたニコライ二世は
「ふむ…、イギリスのことどう思う?」
本棚の影に隠れて先ほどのやりとりを眺めていた俺、園田修斗は
「安心しろ、イギリスは裏切らない」
最早、ロシア帝国の実権を握る皇帝を抱き込んだ。
本当か?となおも不安げな皇帝に、
「俺がついてる」
と言ってあげれば、すぐに落ち着く。
そして、俺はやる気だ。何故なら…
「こんなに面白い遊戯はないだろう?」