プロローグ
更新は不定期になると思います。
誤字脱字がありましたらご指摘お願いします。
あまりに酷いミスがあった場合は多分うちのペットのせいうわなにをするやめ
その日、世界は真っ黒な渦に飲み込まれた。
数分前までの日常はまるで同じ世界とは思えない程に変わり果て、周囲は瓦礫と化していく建物が崩れる音と人々の悲鳴に溢れ、あちこちで火の手が上がり息を吸うだけで肺が焼けてしまいそうな熱に包まれているのに空は星一つ見えない闇に包まれ、まるで地上の光景とは無縁だとばかりに燃え盛る炎に照らされる事もなく絶望に飲み込まれていく人々を無慈悲に見下ろしていた。
(あ・・・・・・)
十数年住んでいた家が見る影もない残骸になり、手を伸ばせば届く距離にまで炎が迫っている。
既にシャツの裾は燃え始めている。火の近さに既に皮膚がジワジワと焼け始めている。あまりの熱に気付いていなかったが腕からも頭からも既にかなりの血が流れているらしい。
今にも炎に包まれ俺もここで死ぬんだな、なんて思っていたときに不意に「それ」に気付いた。
ついさっきまで漆黒に包まれていた空が、開いた。
雲が晴れて日が差すような誰もが知る光景ではなく、小さな穴のようなものが開き、そこを中心に水に浮いた油のような不快な輝きを帯びてどんどん、ぐるぐると気味の悪い渦を描いて広がっていく。
焼け死ぬ寸前なのに、あまりに突拍子も無い光景のお陰で恐怖心より好奇心が勝ってしまう。
だけど残念ながら、俺にはもう時間が無いらしい。
どうしてこんな事になったのか
あの空は何なのか
どうして俺だけが……
何一つ疑問が晴れないまま、意識が遠のいていく。怪我の痛みと炎の熱に抗う事もできずに自然に瞼が閉じていく。
そして、そこで俺の「世界」は無くなった。
これが物語の「終わり」。感動もドラマも無い、淡々とした結果。世界の終末。
誰も知らないプロローグはこれでオシマイ。ここからがメインストーリー。
この「終わり」から始まった本当の「始まり」。
プロローグの始まりだ。
本編は次回からです。とりあえず「こういう書き方するやつなんだな、ふーん」
と認識していただけたら。