思い出
私は痛みを理解して欲しかった。
人間は同じ痛みを感じれば苛めたりしないと。
その時の私はそう考えていたから…
私が考えたのは半分くらい間違っていなかった。
私を理解してくれた後、主は私を苛めたりしなかったから。
そして半分は間違っていた。
私の痛みを理解した主は動けなくなったから…
自分の目の前で他の人が目を大きく開いたまま
死にいたるスガタはとても特別な感情の揺れだった。
正確には『同じく痛みを経験した』っと言うべきだが
もうそんなことはどうでもいい事だ。
今は静かな町で静かな生活をしているのだから。
「人は他の人の痛みを完全に理解する事は不可能だ
己の痛みを押えて活きて行く事でもせいっぱいだから」
-ciovius-
これは私の作品「私が覚えていない間に」
での主人公の思い出です
前に何があったのかを少しだけ予想が出来るように
しておきました