表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
処刑された最強呪術師、魔法世界でただ1人の禁忌となる  作者: 鬼喜怪快
2章 イルジョン島編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/55

28話 おびき寄せられた者たち



 


 鬱蒼とする森を、

 魔物を避けながら進んでいく。

 


 ――大きくそびえ立つ、岩山を目指す。


 ミラの水晶玉が、はっきりと反応を掴んでいる。


 

 「……人の気配が4つ……それと、複数の魔物の気配」



 行方不明の監視部隊を発見した。

 ――しかし素直に喜べなかった。


 岩山の麓。

 洞窟の前で、それは見えたのだ。


 3人の監視部隊の隊員が、十字に組まれた木に磔にされている。

 身体は血に染まり、意識はない。


 そして――アイナの姿はそこにはない。

 

 その前で、

 モンスター共の笑い声。


 ゴブリン。

 トロール。

 オーク。


 10数体の魔物が、輪になっていた。


 中心では、両脚を失った人間が、腕だけで地面を這っている。

 島に上陸した民間人だろう。

 逃げているのではない。

 逃がされている。


 ――ドスン。


 大きな岩が投げられ、

 次の瞬間、湿った音が響いた。


 潰れた人間を見て、

 魔物たちは腹を抱えて笑った。


 

 「……クソが、どうしてアイナはいないんだ?」


 ベルゼが剣を抜く。


 「待って!」


 シルドが即座に制止した。


 「ここで暴れれば、探索が難しくなります」


 

 その時だった。

 ゴブリンの数匹が、磔にされている冒険者へと向かう。


 そして木枠ごと、洞窟へ引きずり始めた。


 「……何をするつもり?」


 ミラの声が、震える。


 「洞窟に入れられたら、終わりだ」


 「……救出作戦Bパターンに移る」


 シルドは、即断した。


 「私が引き付ける。合図するので彼らの救出を――」


 言い終えると、彼は飛び出していった。

 魔力を全身から爆発的に放つ。


 

 「――モンスターよ! こっちだ!」


 

 魔物たちが、一斉に振り向く。


 だが。


 動いたのは、トロールとオークだけだった。


 ゴブリンは――

 笑いながら、洞窟へ走り続けている。


 「……っ!」


 フランの足が、地を蹴った。

 光が走る。


 ――ズバッ!


 ゴブリンが、血を撒いて倒れる。

 止まらない。


 ――ズバババッ!


 1人目、2人目。


 磔の冒険者が、地面に崩れ落ちる。


 「あと1人……!」


 フランは、さらに加速した。


 ――だが。


 その背を追っていた小角の胸に、言葉にならない違和感が走った。


 ――おかしい。


 ゴブリンたちは、逃げていない。

 誘っている。


 

 洞窟の奥から、

 何かが、こちらを見ている気がした。





 

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。


イルジョン島は、フランを語る上で切っても切り離せない場所です。

「最も重い過去との対峙」、

そして「変わろうと懸命にもがく彼女」を描いた章になります。


フランは、強い剣士です。

ただ――強さだけでは、前に進めない場所に、彼女は再び立っています。


次話から、彼女は

“失ったもの”と、

“それを奪った者”と、

再び正面から向き合うことになります。


よろしければ、もうしばらく

フランの物語にお付き合いください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ