12話 帰還
大都市シーアから来ていたギルド協会の面々は、パジャン村を後にした。
フランの復帰によって、ギルド閉鎖はひとまず回避された。
フランはギルドマスターと共に会議室へ向かっていく。
今後の打ち合わせだろう。
その背中を見送っていると――
「……クソガキ」
振り返ると、フィートに肩を借りたベルゼが立っていた。
「なんです、弱い剣士さん」
「口の減らねぇガキだな……」
フィートが、苦笑いを浮かべる。
「フランはな。強すぎたんだ」
ベルゼは、吐き捨てるように言った。
「強い奴ほど、重いもんを背負わされる。17歳だぞ……まだガキだ」
「……好きなの?」
「ぶっ殺すぞ」
即ギレだった。
「いいか、ロッキ」
ベルゼは、真剣な目になる。
「Aランクが隊長のチームは、同行者を自由に選べる。お前は――無理やりにでも付いて行け」
「……命令?」
「忠告だ」
ベルゼは、かすかに笑った。
「お前は15歳なんかじゃねぇ。戦い方がSランク級の老獪な魔法使いだ」
「褒め過ぎだよ」
「嫌味で言ってんだよ」
――真顔だった。
「フランが崩れりゃ、またギルド閉鎖だ。守ってやれ」
それだけ言うとベルゼは去って行った。
――――――
「ロッキ君!」
ミラの声に呼び止められる。
「マスターが、会議室に来てほしいって」
――――――
会議室には、ギルドマスターのカフザとフランがいた。
「早速だが話を進めるぞ」
カフザが切り出す。
「フランが復帰した以上、Aランクの依頼を3ヶ月に1度は受けねばならん」
重い空気が流れる。
「いきなりAランクは無理だ。
だから当面は――Cランク、Dランクの依頼にフランを同行させる」
フランが、静かに頷く。
「ごめんね……みんな」
必死に笑おうとしている姿が、痛々しかった。
「……ロッキ」
カフザが、真っ直ぐに見る。
「お前は、フランの出動には全て同行しろ」
「マスター、ロキ坊はEランクですよ」
「承知の上だ」
カフザは言い切った。
「力は本物だ。お前の力が必要だ」
「……承知しました」
ロッキは即答した。
フランの顔が、わずかに曇る。
「危ないことは、絶対にさせないからね」
フランはロッキに言った。
「……うん」
気丈に振る舞う彼女の手は、わずかに震えていた。
――――――
翌日。
新体制で初のCランク依頼に出動する。
そこでメンバー全員が知ることになる。
――閃光のフラン、その名が生まれた理由を。




