触れた禁忌、孕んだ絶望
エピローグ
拝啓 お母さん、お父さん。
お元気ですか?私は元気にしています。
あれから一年経ちましたね――
今は南の島で、ハンモックに身を任せ、潮風に揺られながら穏やかな日々を過ごしています。
お兄ちゃんの愛は衰えることを知らず、日に日に笑顔が増えて、まるで子供のように無邪気に過ごしています。
そして、お母さん……私ね、あなたのお腹の中にいた命が今、新しい命を宿しているの。
双子だって言われたの。わかるよ。
まず男の子が生まれて、お兄ちゃんになる。次に女の子がお腹の中から顔を出すの。
きっと二人はこれから、苦難の道を歩むんだと思う。
でも大丈夫。だって、あの人の子どもなんだから。
路頭に迷うことなんてない。
今、私のお腹の中には、絶望の未来が宿っていることもわかっています。
だけど、それでもいいんだ。
これが、なるべくしてなった運命。
赤い血に繋がれた小指の糸のような、切れない絆なんだよ。
お母さん、お父さん、いろいろありがとう。
―――
最後に、お兄ちゃんから一言。
「最高のお宝をありがたく頂戴した!」
〜Fin〜
もしかしたら双子ものを書くかもしれない。
評判が良ければ番外編とかもあるかも……