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ずぼらな悪役令嬢×空から降って来たヒロイン=溺愛ルート??  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編完全完結】

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破廉恥なうえに●●憑き!?

「何!? グロリアがミネルヴァ語を忘れた??」

「まあ、そんなことが!」


 エルクと入れ替わるように帰宅した両親は、ヘッドバトラーから私の様子を聞き、驚愕することになった。そしてまだ応接室へ残っていた私のところへ来て、「なんてことだ!」「信じられないわ!」と悲嘆にくれる。


「文字も……文字も読めないのか!?」


 父親であるウォルトン公爵が涙目で尋ねる。

 両親を泣かせるのは心苦しい。

 そこで文字は分かることにした。


「なるほど! 発音を忘れたのか。だがそれなら筆談ができるだろう。発音は少しずつ覚えて行くしかないな」


 父親はそう言うと、ヘッドバトラーに命じる。私が持ち歩けるような、小型のノートと羽根ペンを用意するようにと。


「我が屋敷に現れた破廉恥女は、大神殿で矯正することになった。どうやら悪魔憑きのようだ。ロイが悪魔祓いを今晩から行うと言っていた」


 バトラーが、父親の言うことを急いで書き取り、私に見せてくれるが……。


 それを見る前から私は驚きを隠せない。

 だって!

 ヒロインなのに!

 リコはついには悪魔憑きとされてしまった!

 しかも攻略対象の一人であり、グロリアの幼なじみ、そして神官のロイから悪魔祓いを受けるというのだから……。


「ともかく悪魔憑きのことは忘れるがいい。今日はお前が好きな料理を夕食で用意させる。それを食べ、ゆっくり休みなさい。幸い、学院を卒業し、花嫁修業の身。社交はしばらく控えればいい。それに家庭教師を雇おう。なに、文字は理解できるんだ。発音もすぐ覚えられるだろう。恐れる必要はない。大丈夫だ」


 父親の言葉はバトラーが急ぎ書き取り、見せてくれたので、なんとか会話は成立。私は自室へ戻り、夕食のために着替えることになった。


 モスリンのエンパイアドレスとは違い、イブニングドレスはスカートが膨らむように、胸が盛れる様に、下着をいろいろ身に着ける。これは夢で見た記憶では理解していたが、実際着用すると大変……!


 それでもシルクのロイヤルパープルのドレスに着替え、ダイニングルームへ向かおうとすると、「お嬢様、アレクシスお坊ちゃまが、顔を見せたいそうです」とメイドに言われる。


 これには「!」と胸が高鳴る。


 悪役令嬢の兄であり、騎士団の副団長であるアレクシス。これまた攻略対象の一人であり、一押しのキャラである。


 しかし今回、兄としてアレクシスに会うのは少し複雑な心境。


 なぜならその実物を見たら、涎を垂らしそうになるだろうが、それをやったら私まで変態認定されてしまう。しかも実の兄に欲情しているのか!?と思われたら大変なことになる。それこそヒロイン同様の悪魔憑きとされかねない。よってそこはかなり注意が必要だ。


 ということで前室のソファに座り、神妙な面持ちでアレクシスの登場を待つと……。


「グロリア!」


 ノックと名前を呼ぶのと同時で扉が開き、眼福な姿が目に飛び込んでくる。


 グロリアと同じブロンドに碧眼であるが、身長はグロリアよりうんと高く、かつ胸板も厚い。肩も首も騎士をしているだけあり、しっかりしているが、ゴリマッチョというわけではなかった。


 いわゆるアスリート体型で、騎士団の白の隊服も実にスマートに着こなしていた。二歳上とは思えない程、その肉体は完璧に仕上がっている。そのまま彫像にして部屋に飾り、日がな一日眺めたくなるアレクシスに、目が釘付けになってしまう。


 そんな私を見たアレクシスはフッと口元に笑みを浮かべる。


「……珍しいな。グロリアのその表情。まるで幼い頃に戻ったようだ」


 この言葉に私は「ああ、やはりそうなんですね」と思ってしまう。


 両親は割と普通だったが、メイドやエルクの反応を見るに、乙女ゲームで描かれていない私が覚醒する前のグロリアは、ツンとすました令嬢だったようだ。


 でもまあ、公爵令嬢なのだし。

 ツンとすましていても……と思うものの。

 この兄を前にしてツンとできるグロリアは、パネェよ、とラノベ風に思ってしまう。


 私がそんなことを思っている間にアレクシスは、トコトコとこちらへ来ると、いたわるように優しく頭を撫でてくれる。こんなことをされると、心境としては子猫や子犬になってしまう。ご主人様、もっと撫でてください……となりそうになるが、我慢する。


 その代わりで上目遣いでアレクシスを見上げると……。


 やはり一押しキャラなだけある。

 くすみのない肌、血色のいい頬と唇。

 その美貌にノックアウトされそうになる。


 クラッとする私を気遣い、アレクシスはこんなことを言う。


「グロリア。可哀そうに。父上から聞いたよ。ミネルヴァ語の発音を忘れてしまったと。書かれた文字は理解できても、言っていることは理解できないと。なんてことだ……。この屋敷の警備に不備がなかったか。兄さんも再確認しておく。もう二度と悪魔憑き女が入り込めないようにするから、安心するといい」


 グロリアはツンとすました態度をアレクシスにとっていたようだが、彼の方は違う。兄としてグロリアには優しくしていたようだ。


 そのアレクシスがゲームでは匙を投げるのだから、グロリアのヒロインへの悪口は……。


 うん。ゲームプレイ中も「うわぁ、すごい毒舌キャラ」と感じていたのだ。つまりは相当辛辣! ミネルヴァ語を話せないことにして正解だと思う。


 そんな振り返りをしていると、従者が兄の言葉を必死にメモにとっていた。私は理解できているので申し訳ないなと思いつつ、でも言葉を分からないフリをしているので、目をパチクリさせ、ひとまず待機。


 そうしながらも思ってしまう。

 ついぞアレクシスからも、ヒロインは悪魔憑き女と言われている。ロイは直接まだ会っていないが、悪祓いを行うのだ。ヒロインを悪魔憑きと認定しているからこそ、祓うわけで……。


 これでヒロインは、攻略対象全員から最悪な印象をもたれている状態になる。乙女ゲームのヒロインとして、これ、大丈夫なのかしら……?


 従者がメモを見せ、私が「うん、うん」と頷くと、アレクシスが次の言葉を口にする。


「グロリア。余計なことは考えず、今日は夕食を摂り、ゆっくり休むといい。……もう支度は整っているようだな。わたしがダイニングルームまでエスコートしよう」


 これにはもうビックリ!


 記憶の中ではエスコート体験は勿論ある。

 だが前世記憶覚醒後、これが初のリアルなエスコートになる。しかも一押しキャラであるアレクシスにしてもらえるなんて……。


 悪役令嬢への転生、最悪……と思ったが。そうでもないことにウキウキしながらエスコートされ、ダイニングルームへ向かった。

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は21時頃に公開します~

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