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ずぼらな悪役令嬢×空から降って来たヒロイン=溺愛ルート??  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編完全完結】

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19/27

愛の力!

「グロリア、お前はわたしの妹なんだ。ピンチの妹を助けるのは、兄として当然のこと。そんなに御礼を言う必要はない」


 アレクシスの男前な発言に私は胸キュンになり、非常に怖い思いをしたが、なんとか気持ちを立て直すことができた。


 それにしても、と思う。


 犯人は実に理不尽な人間だった。

 そんな人間の魂がこの世界に紛れ込むことになったのは……。

 ここからは私の想像だが、第一の要因はこれ。

 事故の現場に居合わせていたから!

 かつ第二の要因として、死の瞬間に私の近くにいたから!

 私の魂と一緒に、殺人犯の魂も、この乙女ゲームの世界に向かうことになったのだと思う。


 乙女ゲームのこの世界に魂は向かい、私は悪役令嬢であるグロリアに転生できた。だが殺人犯は転生できていない。


 ヒロインが空から落ちる時に見た通りで、私のそばに黒い靄という姿で漂っていたのだから、転生できていないと思うのだ。


 なぜ殺人犯は転生できなかったのか……それは。

 これこそ分かりやすい。

 殺人犯だからだ。


 やはり罪を犯すと輪廻転生できないというのは、本当だと思う。

 だからこそずっと私に付きまとっていたのだ。

 でもきっと魂の時の記憶が、殺人犯にはなかったのだろう。

 私が前世記憶を覚醒することになった、ヒロイン激突事件。

 この時に殺人犯はヒロインに憑りつき、そこで私と同じように、前世記憶も蘇ったのではないか。殺人犯自身は、人身事故直後にこの世界へやってきた、転生したと思っていたが、そうではない。殺人犯の魂は十八年間、私の周囲を彷徨っていたのだ。


 ここで不思議なのは、転生した私に付きまとっていたが、憑りつくことはなかった点。私だけではない。私の両親や兄にも憑りつかなかったのだ。そこはなぜなのだろうと考え、こう結論付けた。


 殺人犯の魂が、異質だったからかもしれない。

 この世界ではない場所から現れた、殺人犯の魂。

 水と油が交われないように。

 その魂はこの世界の人間に、憑りつくことができなかった。


 しかしそこへ転生ではなく、転移でヒロインが現れた。

 殺人犯と同じ世界から転移してきたヒロイン。その魂はやはりこの世界では異質。でも殺人犯とは同じ世界にルーツを持つ。だからこそヒロインには、憑りつくことができたのではないか。


 憑りつくことができないのに、殺人犯の魂が、私にしつこくつきまとっていた理由。それはどこかで、元いた世界につながる何かを感じていたからでは――そんな風に推測することになった。そして今回の件を受け、気付くことになった記憶がある。


 グロリアがツンとすましていたのにも、理由があった。


 私が覚醒する前、グロリアは殺人犯の魂に、十八年間つきまとわれていたのだ。何かしら気配を感じ、でもその正体が分からない。分からないが、分かることが怖くも感じられていた。


 よって気配は感じる。でも気づいていないフリをする――それが「ツンとすました」につながっていたようなのだ。


 これを思い出すと、前世の殺人犯につきまとわれ、非常に迷惑だった!ということ。


 とはいえアレクシスにより、その悪しき魂は抹消された。

 既にこの世界にはないのだ。

 これを機に綺麗さっぱり忘れることにしようと思えた。


 ということで。


 私は前世知識と、ここが乙女ゲームの世界であると分かるから、こんな推理を働かせることができる。だがアレクシスはそんな前提を知らないから、こう結論付けた。


「悪魔の正体が、別次元の元は人間だった。殺人犯だった……そんな話、聞いたことがない。それでもリコは神の御前の審判でそれを話し、生きている。ゆえに本当に信じがたいが、これが事実なのだろう。なぜその悪魔がグロリアにつきまとっていたのか。またグロリアに憑りつかず、リコの方に憑りついたのか。それは分からない。だがグロリアはわたしを含め、皆に愛されている。その愛の力で守られたのだろうと思うよ」


 この言葉に、私を抱きしめるエルクが腕に力を込め、アレクシスは再び額へキスをしてくれる。婚約者と兄の溺愛に、私は涎が垂れそうになるが。


 そうか。

 愛の力!

 悪役令嬢であるグロリアは、両親と兄、婚約者に愛されていた。

 ヒロインの登場で状況が変わり、グロリアの性格は歪んでしまうが、そうなる以前。間違いなく、グロリアは皆から愛されていたのだ!


 その愛の力により、殺人犯の魂は私に、グロリアに憑りつくことができなかった――そう思う方が、とっても幸せだ。


「グロリア、大丈夫か!」

「グロリア、心配したわよ!」


 カーテンがシャーッと開いたと思ったら。

 私を心配し、愛してくれる人達――両親も駆けつけてくれた!

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は12時頃に公開します~

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