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ずぼらな悪役令嬢×空から降って来たヒロイン=溺愛ルート??  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編完全完結】

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悪魔の正体?

 シャーッと音がして、ベッドを囲むカーテンが開いた。

 そこへ姿を現わしたのは……。


「ロイの治療は終わった。傷は浅いが今は安静にした方がいいと休んでいる。侍女も治療を受け、一足先に公爵邸に帰ったよ。彼女には褒賞を与えないといけないな。身を挺してグロリアを守ろうとしたのだから」


 そう言いながら救護室に現れたのは、アレクシス!


 私が上半身を起こしているベッドの、エルクとは反対側に腰掛けると、当たり前のように額へキスをする。ドキッと心臓が跳ね、そして――。


「悪魔憑きだった少女は今度こそ、本来の自分に戻ったようだ。そこでまた荒唐無稽な話を始めた……と思ったが、自分の名前をちゃんと名乗った。『リコ・ハヅキ』であると。それに彼女から、悪魔の正体となる者の話を聞けた」


 アレクシスの言葉に、エルクが「悪魔の正体?」と首を傾げる。


「悪魔の正体なんて……とわたしも思った。だが大神官による審判を受けている最中に語ったこと。もし嘘を言えば、リコという少女の魂は、地獄の鎖に引き寄せられ、この世界から退場しているはず。だが彼女は生きている。よってにわかには信じられない話も、きっと事実なのだろう」


 そう言うとアレクシスは、リコが話したことを聞かせてくれる。


「学校帰りに自転車という乗り物に乗っていたら、水溜りが突然光った。眩しいと自転車を止め、目をつぶり、開けると……いきなり空から落下していたそうだ。ただそこまで勢いはなく、風により落下速度が調整されていたという。そして落ちて行く先にグロリアが見えた。慌てて『危ないです~! 避けてくださ~い!』と叫びながら、グロリアのそばを漂う黒い靄に気付いたそうだ。それは本能的に嫌悪感で鳥肌が立つもの。だがそのまま落下し、まず黒い靄にぶつかり、その瞬間、全身が凍り付くような恐怖に襲われた。だがすぐにグロリアにも直撃し、意識を失った」


 リコは意識を失い、気付くと牢屋のような場所にいるが、なんだかその景色を俯瞰的に見ているように感じる。そして声を発しているつもりはないのに、自分の声が「ここはどこなんだよ、出せよ!」と叫んでいることに気付いたのだという。


「リコという少女は、意識はあるが、自らの体のコントロールを乗っ取られた状態。自分では何もできず、憑りついた悪魔に体を奪われていた。自身の意志とは反した行動を、悪魔がとっている状態だった」


 だがアレクシスの聖弓を受け、憑りついた悪魔……人身事故を起こした犯人は、リコの体から消えたようだ。ロイの悪魔祓いで消えたように思えたが、それは犯人が演技をしていたに過ぎなかった。だが今回は違う。聖矢を受け、完全に悪魔は消え、リコは本来の人格に戻れたのだ。


「悪魔の正体を、そのリコという少女はこう言っていた。別の世界の殺人犯だと」


 これにはエルクが「殺人犯!?」と驚き、私を抱きしめる腕に力を入れる。


「その殺人犯の記憶が見えたとリコは言っていた。……殺人犯は、仕事で嫌なことがあり、昼間からビールや焼酎なるスピリットをあびる程飲んでいた。その状態で車という乗り物に乗り、自暴自棄になりながら走らせていたという。そして行列に牧歌的に並ぶ人々を見た時、『コイツらも不幸にしてやろう』と思い、アクセルという推進器具を踏み込んだ。大勢を道連れにして死ねて満足だと」


「信じられないです……。それは本当に無差別殺人犯ですよ。しかも酒に酔い、そんなことをするなんて……馬車で行列に突っ込むようなものですよね!?」


 エルクの指摘にアレクシスは「まさにその通り」と頷く。


「大勢を道連れにして死んだと思ったら、魂がこの世界にやって来た。自身が事件を起こした世界とは、全く違う世界に。しかも少女の体に入り込み、悪魔と呼ばれている。そのことに相当苛立っていたようだ。さらにイライラとした時に飲むアルコールもない」


「アルコールがない……。アルコール依存症なんですね、その殺人犯は!」


 はき捨てるように言うエルクに、アレクシスは「ああ。その上で人の不幸を願うような人間だった」と応じる。


「酒も手に入らず、イライラしている折に、グロリアがわたしと買い物をしている姿を見た。沢山の荷物を抱え、幸せそうなグロリアを、近くで炊き出しをしていた殺人犯は、見ていたんだ。それだけではない。オペラに向かうグロリアの姿も見ている。殺人犯は劇場の近くで、募金活動の手伝いをさせられていたんだ。しかもグロリアのそばにはエルク、君がいた。幸せそうな二人の姿に、殺人犯は怒りがピークに達したようだ」


「そしてロイとお茶をしている僕達を見つけ、グロリアが一人になる瞬間を、殺人犯は狙ったのですね?」


「そうだな。今日は朝からずっとチェリータルトを作らされ、殺人犯は反吐が出るような気分だったらしい。小麦が足りないから倉庫へ取りに行くように言われ、奴は一人になった。そして君達三人を中庭のガゼボで見つけ、急いでナイフを手に入れた。調理場から盗んだものだ。その後はレストルームへ向かうグロリアを追ったが、ロイに声を掛けられ、まず彼を刺した。そして侍女に斬りかかり、最後にグロリアを……」


 そこでアレクシスが間に合ったのは、まさに奇跡だったと思う。

 きっとロイの祝福が守ってくれたと思うのだ。

 そこはもう神にもロイにも感謝だし、アレクシスには何度も御礼を伝えることになる。


 すると――。

お読みいただき、ありがとうございます。

次話は7時頃公開予定です~

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