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ずぼらな悪役令嬢×空から降って来たヒロイン=溺愛ルート??  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編完全完結】

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12/27

ゲームの本来の進行からは……

 エルクの溺愛はすごかった。


 オペラ観劇中も何度となく、手を握られ、頬にキスをされた。その度に体の芯が痺れるように感じ、下腹部がじわっと熱く感じる。


 帰りの馬車はお互いの侍女、従者が同席しているし、対面で座ることになったが……。


 熱のこもったエルクのサファイアのような瞳に見つめられると……ただ見つめられただけなのに、妊娠しそうな気がする!


 ということでとんでもないエルクの愛を感じた翌日。


 父親が手配した語学の教師がやって来て、私は発音のレッスンを受けることになった。


 レモンシャーベット色のデイドレスを着て、神妙な顔で、教師の指導に従う。


 本当は話せるのだけど、話さないフリをしている。

 それがバレないようにするのは意外と大変!


 だがそんなレッスンの合間に夜勤を終えて帰宅した兄アレクシスが顔を出し「グロリア。頑張っているかい? 頑張るグロリアにお土産だよ。王女様にいただいた王室付きのパティシエが作ったマカロンだ」と差し入れをしてくれる! さらにエルクからも「昨晩はありがとう、グロリア。ゆっくり休めた? またオペラに行こうね」と花束とチョコレートが届けられたのだ!


 それだけではない!


「今日は大神殿に沢山のチェリーが届けられた。初夏のこの季節、チェリーはとっても甘い。グロリアにも食べて欲しくて、持って来たよ」


 なんと神の祝福を受けたチェリーを、籠いっぱいでロイが持ってきてくれたのだ!


「ロイ、お茶、時間。どう?」


 発音のレッスンを受け、いかにも少しだけ話せるようになりました!という様子でロイに声を掛けると……。


「いいよ。グロリア。誘ってくれて嬉しいよ! というか、そうか。発音のレッスンが始まったんだね」


 兄がくれたマカロン、エルクのチョコレート、ロイのチェリーに、我が家のパティシエが作ったスイーツ。ずらりと素敵なスイーツが並び、お茶の時間が始まる。


 これまでだんまりだったが、発音のレッスンも受けているので、ここはロイに質問をしてみることにした。片言を心掛けながら。


「彼女、どうなった?」


「ああ、悪魔憑きだった少女のことだよね?」


 ロイはそう応じながら、私が頷くと、紙に羽根ペンを走らせる。


「今のところは問題ないかな。もう変なことも言わなくなった。ただ悪魔に憑依されていた時の記憶はあやふやみたいで、やはりどこの誰なのか、分からないんだ。一応、容姿を元に調べているけど……。ブルネットだけどかなり漆黒に近いし、瞳も焦げ茶色で肌も僕達とは違う。異国の少女だし、見つけやすいかと思ったけれど……。身元は不明なままだ。意外に難しいよ」


 身元が不明。

 ということはそのまま大神殿預かりとなり、前世のゲームの展開なら、そのまま神殿で下女となるはずだ。そこで前世知識を活用し、注目を集めて行くことになるのだけど……。


「身元の特定のために、神殿の外での活動に参加してもらうようにしているんだ。本人は覚えていなくても、知り合いが気付いてくれる可能性がある。所持品もほぼない状態だから、遠方から来たとは思えない。王都の街中でうろうろしていたら、知り合いの一人か二人と遭遇するのでは……と期待しているところかな」


 神官は神の教えを、前世で言うなら写経のように書き写す作業を毎日行っていた。ゆえにロイの羽根ペン運びは実に速く、ほぼ会話に追いついている。おかげで私もスムーズに反応を出せた。


「そう、なんだ……」


 そう答えながら、現状を分析する。


 大神殿で下女となり働くのが、本来のシナリオの流れ。街中に出て活動なんて、シナリオにはない話だ。そして一応攻略対象であるロイとの接点は続いているようだが、兄のアレクシス、エルクとヒロインであるリコが接点を持っているかと言うと……。ない気がする。


 繰り返し思ってしまう。大丈夫なのかしら?と。ゲームの本来の進行からは、どんどんズレ始めている気がしてならない。


「それにしてもグロリアは優しいね」


 これには「?」と首を傾げる。


「グロリアからしたら、彼女の第一印象は“悪魔憑き”というより“変質者”だろう? あんなに足を露出して。しかもグロリアにたんこぶができる勢いで飛び掛かって。それなのに様子を心配するなんて」


 サラサラと羽根ペンを動かしながら、ロイは慈しみのある笑顔で私を見る。


 さすが神官、なんだかその笑顔が尊い!


 ロイの笑顔に私も笑顔になりながら答える。


「あれは事故。仕方ない」


「やっぱりグロリアは優しいね。怪我こそしなかったけど、たんこぶを作り、ミネルヴァ語の発音を忘れることになったのに。事故だから仕方ないと言えるなんて……」


 ロイは羽根ペンを忙しく動かしながら、口調はゆっくりで、私を気遣いながら会話をしてくれる。


 優しいという点は、ロイだって同じだと思う!


「そうそう。明日から大神殿ではこのチェリーを使い、タルトを作って販売するんだ。平民には無料だけど、貴族は有料。でもグロリアがお茶の時間に大神殿に来てくれたら、ご馳走するよ」


 これには「!」と反応しそうになり、ロイの羽根ペンの動きを追ってから答える。


「行く! 食べたい」


「そう答えると思った。悪魔憑きと接触したのだから、一度祭壇で神からの祝福ももらった方がいいと思う。十四時半ぐらいに来てくれれば、主神殿でグロリアに祝福を捧げ、その後、中庭に案内するよ。そこでチェリータルトを食べながら、お茶をしよう」


 サラサラとロイが書いた文を読み、私は「分かった!」と微笑んだ。

お読みいただきありがとうございます!

明日からまた月曜で一週間が始まりますね。

今晩はリラックスして

また明日から無理なく過ごしましょう〜

次話は8時頃公開予定です~

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