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incident36.お土産

「たっ、だいまー!日花ちゃん。良い子にしてた?はい、これお土産」

「ありがとう」

警察☆Menのメンバーがロケから帰ってきた。

あの夢から一週間、各部屋を色々と捜索してみたが特に何もなかった。何の為にここまで来たのか…。

「会いたかったよ〜」

赤城君が荷物を放り出し、抱きついてきた。

ぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。

「く、苦しい…」

「ごめん、ごめん。会えたのがうれしくて、ついね」

ようやく離してくれた。

これではあの夢と一緒である。

思い出してしまい少し顔が熱くなると赤城君の顔色が変わった。もしかして夢の内容がバレた?いくら鬼だからってそんな事ないよね。

「もしかして…」

真剣な顔をする赤城君。

「こ、これは…」

言えない。

「そんなに俺に会えたのが嬉しいの?」

破顔する赤城君。

「違うでしょ」

そう言いながら黄木君が赤城君の頭の上に紙袋をポンと乗せる。

「これ、僕からのお土産」

ならばないと買えないケーキ屋さんの紙袋だった。さすが警察☆Men。

「ありがとうございます…」

「何?僕のお土産は嬉しくないの?」

「いっ、いいえ!大事に食べさせて頂きます」

「あと、微量だけど君から淫魔の匂いがする」

「「えっ!?」」

驚く私と赤城君。

本当に黄木君は鼻が良い。犬並みだ。こんな事を言ったらどんな目に遭わされるか。絶対言えない。

「もしかして…」

今度こそバレたか?

「やっぱり俺の事を考えて…」

バシッ!

珍しく青柳君が赤城君の頭を叩く。

「…変態」

顔がこわい。

「冗談だって!」

焦る赤城君。青柳君っておこるとこわいんだ。気を付けよう。


「おっ、引っ掛かってるね。狙い通り」

パソコンを見た黄木君が声をあげる。

「どれどれ?」

近くにいた緑樹君が一緒にパソコンを覗く。皆も集まって来た。

警察☆Menの黄木君の個人アカウントがLove Robberからフォローされている。おまけにメッセージが。

『初めまして。警察☆Menの黄木君からのフォロー、めっちゃ嬉しいです(^^)ありがとうございます!』

そこで前から思っていた事を聞いてみた。

「あの…」

「何かな?」

黒萩さんが答える。

「皆さん、十鬼で鬼同士なのに正体に気付かないのは何でですか?」

「はあ?バカなの?」

黄木君が振り返ってギロリとこちらを見る。一番こわいのはやはり黄木君だった。

「黄木、女の子にそんな事を言ったら嫌われちゃうよ?ごめんね、日花ちゃん。それはね、皆は本来鬼の姿でしか会った事がないからだよ。今は人間の姿に擬態しているんだ。近くにいると気配で分かるんだよ。鬼の姿の僕もカッコいいけど見て見る?」

黒萩さんはいつも通り、無駄にキラキラと眩しくさせてくる。聞く相手を間違えたかな…。

「大丈夫です。今でも充分カッコいいので」

「分かってるね、日花ちゃん」

ウインクする黒萩さん。これ以上は目に毒だ。

以前、紫崎さんと白鷺さんに会った事を思い出す。通りで二人の反応が大きかったのはそういう事だったのか。

「今度、Love Robberとのコラボ配信がきまった。これでこちらに引き込む事ができるチャンスを掴めた」

そこに黄木君がニヤニヤしながら言う。狙いはそこか。

「ふーん…。これできまりだな。楽しみだね。待ち切れないや。ねえ、日花ちゃん」

「え?うん」

何で私?思わず気の抜けた返事をしてしまった。

「日花ちゃんもそう思ってくれたなんて嬉しい!じゃあ行こうか!」

どこからそうなった?上機嫌で私を抱き上げる赤城君。

「ひゃあ!どっ、どこに!?」

「僕のお・部・屋」

「何で!?」


部屋に入ると赤城君の着けている香水の匂いがする。何か落ち着く匂い。

ベッドに丁寧に降ろされた。

「赤城君?」

「日花ちゃん、お菓子食べる?」

何か変な物とか入っているのではないだろうか?

そう思っていると赤城君が笑いながら言う。

「大丈夫。毒なんて入ってないよ」

心の中を覗かれたかと思ってドキッとした。

「はい、あーん」

瓶の中から飴玉を取り出し、私に食べさせようとする。

「大丈夫だよ。自分で食べられるから」

断ると赤城君は残念そうに

「ちぇっ。あーんしたかったのに。はい」

飴玉の入った瓶を渡してきた。

「いただきます」

食べた飴玉は赤い宝石のようにキレイで、口の中に入れると甘いイチゴの味が広がる。

「美味しい」

「良かった。じゃあ俺も」

そう言うと私の肩を掴み、私の口の中に入っている飴玉を舐める。

「んっ…!」

自然と舌が絡み合う。

コロン、コロン。

逃げようとしても飴玉が邪魔をして逃げられない。

カラン。ちゅ。

しばらくそれが続く。

「はあっ…。ごちそうさま」

赤城君はニヤリとしながら唇をペロリと舐める。

それを見た私は飴玉のように赤くなる。大人気のアイドルに言われるなんて。

「ふふっ、可愛い。蛇丸が夢中になるのも分かるな」 

「そんな事はありません!」

「だって蛇丸の事を名前で呼んでたじゃん。そうだ!俺の事も名前で呼んでよ。廉って、ほら!」

「できません!」

蛇丸君のときは流されてしまったけど今回はそうはいかない。

「言わないとまたキスするよ?」

ニヤニヤと悪い顔をしながら近付いてくる。

私は思わず

「さ…三角(さんかく)(さん)(くに)に、四角(しかく)()(くに)へ、(まる)(まわ)(えん)記号(きごう)()業火(ごうか)へ!」

手を順に形作る。最後にパンッと胸の位置で両手を合わせた。

そう、術を発動したのだ。

「うわっ!」

完全に油断していた赤城君は壁に飛ばされた。

「ごめんなさい…」

でも悪いのは赤城君だ。私は飴玉のように甘くはない。

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