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incident25. 指輪

「あ〜疲れた。ただいま」

神楽坂さんがそう言いながら0係のドアを開けると、蛇丸君と阿刀さんが


取っ組み合いのケンカをしていたー。


「何故私の作戦通りに動かない!?」

「あれじゃ俺の攻撃が上手くいかないからだよ!」どうやら二人での任務でお互い不満があったようだ。元々、気の合わない二人(主に阿刀さん)なので不思議ではないが…。


「おい、お前ら!何をしている!」

三千院さんが二人に注意する。

「あの…その…」

オロオロとしている補助員の原木さん。

「あの程度の攻撃、当たっても大した事ないだろう。私の力あってこそだ」

「何だと!?」

「私の方が多く祓ったからな」

「違う。俺の方が多かったよ!」

「おいっ!」

聞いちゃいなかった。


「ちょっと、二人とも…」

私が止めようと試みるも収まる気配はない。すると神楽坂さんが私の肩をポンと叩いて「無駄よ」と諦めたように言う。

「それに今に痛い目見るわ」

「え?」


何やら不穏な空気が漂っている。

「コラ〜お前ら〜」

そう言って三千院さんは髪を耳に掛ける。

これは、あの名作ドラマの先生!おばあちゃんがDVDを熱心に観ていたので分かる。

「係長は黙っていて下さい!こいつの問題です」

「そうだよ!ちげさんとの問題!」

「ちげではない。千景だ」

止まる気配はない。

「人という字は互いに支え合って人となる。それも分からないとは…」


「こっちに避難しておきましょう」

「は、はい?」

何が起こるのだろう?


三八先生はピコピコハンマーを取り出し

「このっ、バカちんがぁー!!」

ピコンッ!!ピコーンッ!!!!

二人の頭に打ち付けた。

「うっ!」

「がっ!」

その威力は凄まじく二人が吹っ飛ぶ。

ドッ!ガラガラガシャン!

大きな音を立てながら机にぶつかって二人は止まった。


「他人の命を思いやれないヤツは、自分そのものも大事にできない。その事を子供に教えるだけでも、教師になる価値はある」

イヤ、貴方0係の係長だろう。

ここは3年B組でもない。


「アレ(ピコピコハンマー)がなかったら二人とも病院送りよ。三千院さんは素手での攻撃が一番強いの。それで手加減する為にハンマーを使っているのよ」

それでもあの威力とは…。


三八先生…三千院さんは満足気にピコピコハンマーを閉まった。

「水留、二人を保健室に連れていけ」

「ハイハイ。全く世話の焼ける子達ね〜」

ちょうど資料を持ってきた水留さんが二人を担いで医務室に連れていった。

逞しい保健の先生だ。


「さあ、片付けましょうか」

神楽坂さんと私、原木さんで机を片付け始めた。三千院さんは窓の外を見ながらドラマの主題歌を歌っている。そんな事より手伝ってほしい。というよりこの惨状を作った本人だろう。


「アレ?これは」

それは私の机の下から見つかった。

「指輪?」

古そうだがシンプルな造りで可愛らしい。

見ていると何故か嵌めてみたくなった。

それも左の薬指に。

「わ…」

私の指に合わせたようにピッタリのサイズ。

「どうした?何かあったのか?」

先生から戻った三千院さんが近付いてくる。いつもならそんな事はないのに顔を見たらドキドキしてきた。


触れたいー。


そう思った途端


「なっ!?」

三千院さんに抱きついていた。

「日花ちゃん!?」

「て、天童さん!?」


驚く二人の声は届いていない。

「依人さんっ」

ニコニコとする私。

「「依人さん〜!?」」

さらに驚く二人。


「止めなさい。何の冗談だ!」

焦る三千院さん。

だがお構い無しに言う私。

「冗談なんかじゃないわ。真剣よ?将来を誓い合った仲じゃない!」

口調まで変わっている。

イヤイヤ、そこじゃない。将来って何だ?

分からないが今は三千院さんの事しか考えられない。熱い視線を送る。


「に、日花ちゃん。きっと疲れているのよ。今日はもう休んだ方が良いわ」

そう言って何とか引き離そうとする神楽坂さん。しかし「嫌よっ!依人さんと離れたくない。邪魔しないで!」

さらにギュッと強く抱き着く。


「ね、依人さん?」

「俺は離してほしい…」

口から魂がこんにちはしている。

「もうっ、イジワルなんだから。でもそんなところも好きよ」

どこかで聞いたようなセリフ。

でも違うのは


『チュッ』

三千院さんの頬にキスをする。

「イヤー、日花ちゃん!」

「て、ててててて!」

叫ぶ神楽坂さんと何を言っているか分からない原木さん。手がどうかしたのだろうか?


ガタンッ。

入り口で音がする。

「ひ、ひーちゃん…?」

医務室から戻ってきた蛇丸君が信じられないという顔でフラフラしながら立っている。

「ぜんさんに、キス…」

どうやら先ほどのやり取りを見ていたようだ。


「違うんだ、蛇丸!」

「何が違うの?私達、将来を誓い合った仲だって言ったじゃない。これくらい当然よ」

三千院さんが訂正するも私がラブラブアピールをする。さらにヘコむ蛇丸君。


「おめでとうございます係長。式はいつですか?」

そこへ爆弾を投下する阿刀さん。

「やめて、千景ちゃん!!」

一人、爆発する神楽坂さん。


もう0係は地獄と化していた。

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