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incident24. 十鬼

いけないー。

頭じゃない。心がそう言っている。


そんな中、赤城君が口を開く。

「俺達皆で手を組まないか?同じ十鬼の仲間じゃないか」

「十鬼…?」

初めて聞く言葉だ。黒萩さんが説明してくれる。

「仏教の話なんだけどね。この世とあの世の間は「端境(はさか)」と古くは呼ばれていたんだ。異形達はそこを通じてこの世に現われている。その端境を作るのが俺達、十鬼。ああ、俺は阿阿彌(ああや)で老若の境を作る 」


最後の方は耳に入っていない。十鬼という事はあと三体いるって事になるよね。その十体が集まったら…。有力な情報だけど悪い方だった。


その間にも鬼達の間で話が進んでいく。

「俺達は群れるのが嫌で離れたんだ。そちらはそちらでやってくれ」フンッとする紫崎さん。

「目的は同じじゃないか?」

「今はどちらでも良い。まず何なんだ、人間に愛想を振り撒いてチャラチャラとしおって、アイドルなどと。いけ好かん」頑固オヤジか。

「自分達だってYouTubeやってるだろ。登録者数超えてから言ってよね」

「俺達は食事の為もある!十鬼ともあろう者が警察☆Menなどとふざけた名前で人間達に取り入ろうなぞどうかと思うが」

「&とroidなんて何も面白くない名前より全然良いよ。それに取り入ろうなんて思ってないよ。食事だから、食事!あと雌蕊」

「この調子なら雌蕊を見つけるのは俺達の方が早そうだな」

「いいや、俺達だね。それに人間達にも協力者がいる」

「協力者だと!?」

「こいつら0係だ。厄即もしている」

ここでようやくこちらに話がまわってきた。


鬼達の言い合いに三千院さんと神楽坂さんもうんざりしている所だった。

「見つけた場合、どちらにも知らせが来る。どうするかは雌蕊しだい、だったな?」三千院さんが赤城君に確認する。

「そう、その通り」

赤城君が答える。

「そういう事なら乗ろうじゃないか」

紫崎さんがニヤッと笑う。

「良いのか!?」

白鷺さんが驚いている。

「ああ、誰かが見つけてくれるのが手っ取り早いからな。自分達が見つけても輪術(わじゅつ)がある。大丈夫だ」

「随分な自信だな。もし破ったら罰だってあるのに」

「鬼の約束は絶対だろう?」

「では交渉成立だな」


赤城君が髪を一本抜いて三人の小指に巻き付ける。

「それでは厄即やくそくを始める。赤城廉」

「三千院依人」

「紫崎杏理」

「の名において、嘘偽りなく、鬼人(きじん)ここに結非(むすび)をする。切れた場合は罰あり」唱えると巻き付けた髪は赤く光り見えなくなる。


「長かった…」三千院さんの眉間のシワが取れる。

「良かったわね」神楽坂さんは攻撃の手を解いてぐったりとする。鬼達が集まったのだ。何をするか分からない。


「解散だな」

皆、それぞれの場所に帰った。

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